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2024年3月の記事一覧

2025年に向けた地域医療構想の進捗状況を確認(2024年3月13日)

厚労省の地域医療構想及び医師確保計画に関するワーキンググループは13日、2025年度までを想定した地域医療構想の進捗について確認した。2025年に向けた取組みの推進案が了承された。 厚労省が2025年に向けて各機関が取り組む事項を明確化した。具体的には、 国が推進区域・モデル推進区域を設定し、アウトリーチ型の伴走支援を実施 都道府県は推進区域の調整会議で協議を行い、区域対応方針の策定・推進を図る 医療機関では区域対応方針に基づく医療機関対応方針の検証・見直し等の取組み

武見厚労相が衆参の厚生労働委員会で所信表明(2024年3月12日)

武見敬三厚労大臣は衆参両院の厚生労働委員会で所信を表明した。8日の衆院、12日の参院の同委員会で、医療DXや全世代社会保障の構築、医療従事者等の賃上げなどの取組みについて見解を示した。 医療DXの実現に向けては、全国医療情報プラットフォームを創設するとともに、「電子カルテ情報の標準化や電子処方箋の普及拡大、診療報酬改定DXによる医療機関の間接コストの軽減などを着実に進める」と述べた。 マイナ保険証については「12月2日から現行の保険証が発行されなくなることを見据え、私自身

日慢協の橋本会長が6年度改定で見解、回リハ病棟の質の低下と経営悪化を懸念(2024年3月14日)

日本慢性期医療協会の橋本康子会長は14日の会見で、令和6年度診療報酬改定について見解を示した。医療機関の運営にはマイナス改定であり、回復期リハビリテーション病棟では診療報酬の見直し・廃止から質の低下と経営悪化が懸念されると報告した。 橋本会長は令和6年度診療報酬改定について、処遇改善と入院基本料はプラス改定となる一方で、処遇改善以外はマイナス改定であり、昨今の物価高をうけ今後の収益減が見込まれることから、「質の向上だけでなく施設の維持さえ困難になることが懸念される」と述べた

財政審分科会が診療報酬のプラス改定や支援金制度に意見(2024年3月5日)

財政制度等審議会の財政制度分科会は5日、令和6年度予算について議論した。委員からは令和6年度診療報酬改定や子ども・子育て支援金制度について意見がでた。 財務省が令和6年度予算のポイントを説明した。医療・福祉分野において率先した賃上げ姿勢を示す観点から、「診療報酬、介護報酬、障害福祉サービス等報酬改定において、現場で働く幅広い人々の処遇改善として令和6年度にベア2.5%を実現するために必要な水準を措置した」ことをあげた。 こども政策としては、「こども未来戦略」に基づく「加速

健保連がシンポジウム「変化する社会と医療保険」開く(2024年3月4日)

健保連(宮永俊一会長)は3月4日、「変化する社会と医療保険~健保組合の新たな挑戦~」と題したシンポジウムを開催した。「医療ニーズの変化、医療費の増加への対応」「多様な働き方の包摂と制度の持続性の確保」「健保組合に求められる役割」をテーマに基調講演とパネルディスカッションが行われた。(写真:基調講演に登壇した森田朗・東京大学名誉教授) 開会挨拶で佐野雅宏副会長は「近年の医療費の伸びや厳しさを増す健保組合の財政状況、進行する少子化など、将来の改革に向けた緊急度は高まりつつあり、

日医が「こどもの健康と生活」テーマに第2回医師会活動プロジェクトシンポ(2024年3月10日)

日本医師会は10日、東京・駒込の日医会館で、地域に根ざした医師会活動プロジェクト第2回シンポジウムを開催した。テーマは「こどもの健康と生活~医師会はどうかかわる?」で、出生前から小児の急患対応や医療的ケア児を支える取組みについて報告が行われた。 大分県医師会の河野幸治会長は、出産前や産後早めに、かかりつけの小児科をつくって産後の育児不安を解決しようという「ペリネイタルビジット」の取組みを発表。大分県では、平成13年度から県、県医師会、県産婦人科医会、県小児科医会と共同で妊娠

3月末で新型コロナの特例措置が終了 治療薬などの公費補助に区切り(2024年3月5日)

厚労省は5日、新型コロナに関する特例措置について、通常の状態に完全移行するため、治療薬の自己負担などの公費補助を3月末で終了することを明らかにした。昨年5月に新型コロナの感染症法上の位置づけが5類となったため、政府は特例措置の段階的な縮小を図ってきた。 治療薬は、2023年10月から2024年3月まで、医療費の自己負担の割合が3割なら9,000円、2割なら6,000円、1割なら3,000円を上限とする公費補助がある。入院医療費は高額療養費の自己負担限度額から1万円を差し引く

薬剤費ベースでマイナス4.67% 令和6年度薬価改定(2024年3月5日)

厚労省は3月5日、令和6年度診療報酬改定の告示・通知を発出した。同日には薬価基準改定の告示等も行われた。令和6年度薬価改定の改定率は医療費ベースでマイナス0.97%(薬剤費ベースでマイナス4.67%)。このうち、実勢価改定分は、医療費ベースでマイナス0.83%(薬剤費ベースでマイナス4.00%)。改定率に従って、薬価基準に基づき、医薬品の薬価改定が行われる。 薬価基準における収載医薬品(告示数)は1万2,917種類。内訳は、内用薬が7,264種類、注射薬が3,567種類、外

特区内での救急救命士によるエコー検査の実証について議論(2024年3月7日)

厚労省の「救急医療の現場における医療関係職種の在り方に関する検討会ワーキンググループ」(児玉聡座長)は3月7日、救急救命士のエコー検査の実証について議論した。前回に引き続き、岡山県吉備中央町と岡山大学病院が特区内での実証実施について承認を求めたが、委員は安全性への懸念や実証の意義に対する疑義を示すと共に、実証計画のさらなる検討を求めた。年度内に一定の議論のとりまとめを行うこととなっている。 前回の議論を受け、吉備中央町と岡山大学病院はエコー検査の対象を腹痛が主訴の傷病者や事

診療報酬改定の告示・通知にあわせ改定内容を説明(2024年3月5日)

厚労省は3月5日、2024年度診療報酬改定の告示・通知の発出とあわせて、改定説明資料等を厚労省ホームページで公開した。説明動画も掲載し、厚労省保険局の眞鍋馨医療課長らが改定内容に関する説明を行っている。賃上げに関する動画も配信した。 動画で眞鍋課長は2024年度改定の全体像を説明。改定率は診療報酬本体はプラス0.88%。このうち、看護職員等の医療関係職種の賃上げにプラス0.61%、40歳未満の勤務医師等の賃上げにプラス0.28%を活用し、生活習慣病の管理料等の適正化でマイナ

銘柄名処方の変更調剤ルールを当面緩和 医薬品の需給逼迫を踏まえ(2024年3月15日)

厚労省は15日、医療用医薬品の需給が逼迫している状況を踏まえ、保険薬局における「変更調剤」の取扱い変更を事務連絡で示した。当面の間、先発医薬品への変更や、薬剤料が変更前を上回る医薬品への変更調剤を行えることとした。 先発品への変更を可能に従来から、銘柄名処方であって処方箋の「変更不可」欄に医師が「✓」または「×」印を記載していない場合、薬局は処方医に事前に確認することなく、含量違いまたは類似別剤形の後発医薬品に変更して調剤できる。 今回の事務連絡が示した取扱いではこれに加

介護報酬算定告示・通知・Q&Aなどを発出、令和6年度改定の全容が明らかに(2024年3月15日)

厚生労働省は3月15日に、「指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準等の一部を改正する告示」(令和6年厚生労働省告示第86号)ほか関係する告示等を公布した。 これにより、令和6年度介護報酬改定における、居宅サービス・施設サービス・地域密着型サービス、居宅介護支援などすべてのサービスに関する、具体的な報酬算定の内容が明らかになった。 あわせて、算定に関する留意事項のほか、新たな介護職員等処遇改善加算や生産性向上推進体制加算、LIFE関連加算、リハ・栄養・口腔の一体

マイナ保険証の現在と利用促進策 医療DX推進に向けた新たな体制への移行(萩原雄二郎)

令和6年度診療報酬改定は、医療DXの推進という観点から、マイナンバーカードと健康保険証を一体とする「マイナ保険証」の利用の体制を評価しました。さらに、マイナ保険証の利用推進に対する支援金の交付も行うといった促進策も打ち出されました。この特例的な措置は、今年12月2日に健康保険証の発行を終了し、マイナ保険証を基本とする体制へと刷新するために講じられた措置です。薬局・薬剤師としては、マイナ保険証の利用状況を把握し、利用促進策を活用して今秋までにマイナ保険証利用を基本とする体制へ移

厚労大臣がマイナ保険証利用促進で職員にメッセージ(2024年2月29日)

武見敬三厚生労働大臣は2月29日、ビデオメッセージを通じて厚生労働省職員にマイナ保険証の利用登録・利用推進、周囲への普及活動を促した。 武見大臣は、マイナ保険証利用の現状に触れ、登録情報の紐付けのためのデータ総点検実施や、紙の保険証廃止の施行日決定、国民の40%がマイナンバーカードを常時携行している状況を報告した。 一方で、厚生労働省職員のマイナ保険証利用率は低く、昨年11月時点で厚生労働省職員が加入する第一共済組合のマイナ保険証利用率は約5.98%にとどまる。この利用率