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2024年2月の記事一覧

支払基金、審査結果の差異解消に向けた統一事例の36事例を公表(2024年2月27日)

社会保険診療報酬支払基金は2月27日の会見で、「支払基金における審査の一般的な取扱い(医科)」を発表した。厚労省の審査支払機能に関する改革工程表に示された審査結果の不合理な差異の解消に向けた取組みとして、従前の支部取決事項について支払基金の「審査の一般的な取扱いに関する検討委員会」等において検討の結果、36事例を情報提供している。同29日の支払基金のホームページで公表する。【社会保険旬報編集部】 36事例の内訳は、「WT1mRNAの算定」など検査が9事例、「家族性高ステロー

【玉置妙憂:超高齢多死時代のケアを考える#3】制度の隙間をうめる

ご機嫌いかがですか。 みなさま、いかがお過ごしでいらっしゃいますでしょうか。 大変なスタートとなった甲(きのえ)の辰年も、はや2か月が過ぎようとしています。診療報酬と介護報酬の改定シーズンを控え、なにかとお忙しくされていらっしゃるのではないでしょうか。 みなさま方のようなお立場にある方がひとり倒れてしまったら、きっと何十人もの人が困ることになってしまうでしょうから、どうぞご自愛ください。 とはいえ、無理は禁物です。ちょっとでも心身に不調を感じた時は、早めにお休みくださいね

B000特定疾患療養管理料の対象から糖尿病等3疾患を除外――新設B001-3-3生活習慣病管理料(Ⅱ)で算定してみた(2024年2月28日)

令和6年度診療報酬改定では、B000特定疾患療養管理料の対象疾患から、生活習慣病である糖尿病、脂質異常症および高血圧が除外された。この変更の影響を考えるため、「糖尿病で診療所に月1回外来通院中(3割負担)」の患者を例に粗い試算を行った。 特定疾患療養管理料の対象疾患から、糖尿病、脂質異常症および高血圧が除外されたことに伴い、新たに設けられ、検査等を包括しないB001-3-3生活習慣病管理料(Ⅱ)への移行が予想される。なお、処方料および処方箋料の特定疾患処方管理加算1は廃止さ

未だ治療薬のないNASHの治療アプリの治験を開始 CureAppが会見(2024年2月20日)

医療現場で医師が患者に処方する「治療アプリ」を製造販売する医療機器メーカーのCureApp(佐竹晃太社長)は2月20日、都内で記者会見を開き、NASH(非アルコール性脂肪肝炎)治療アプリについて、今年1月からフェーズⅢの治験を国内で開始したことを発表した。同社はニコチン依存症治療アプリを2020年12月に、2022年9月には高血圧治療アプリを上市。現在、アルコール依存症治療アプリの薬事申請を準備している。今回、未だ治療薬のないNASH対し、世界初のアプリ開発によるNASHの治

認知症施策推進本部が初会合を開催 首相「共生社会の実現に向けて取組みを」(2024年1月26日)

政府は1月26日、同1日に施行された認知症基本法に基づき「認知症施策推進本部」(本部長:岸田文雄首相)を立ち上げ、初会合を開催した。岸田首相は「共生社会の実現に向けて政府一丸となって取組みを進めてほしい」と述べ、認知症施策推進基本計画の策定に向け推進を指示した。【社会保険旬報編集部】 (写真:首相官邸ホームページ) 会合の冒頭で高市早苗国務大臣は、昨年まとめた「認知症と向き合う『幸齢社会』実現会議」の意見を説明。主な内容として次をあげた。 認知症とともに希望を持って生き

中医協総会の小塩会長「多くの課題に対応した」報酬改定を答申(2024年2月14日)

中医協総会は2月14日、令和6年度診療報酬改定を武見敬三厚生労働大臣に答申した。答申に際して小塩隆士会長は、「今回改定では、解決が迫られる多くの課題に対応した」と発言した。【社会保険旬報編集部】 写真:濵地雅一厚生労働副大臣(右から4人目)、塩崎彰久厚生労働大臣政務官(同3人目)に答申書を手渡す中医協・小塩隆士会長(左から4人目) トリプル改定により連携強化、ポストコロナに備え具体的な課題としては、6年に1度の医療・介護・福祉の同時改定であり、それぞれのサービスの連携強化

春闘前より月額賃金が1.4%増 介護クラフトユニオン調査(2024年1月31日)

日本介護クラフトユニオンは1月31日、2023年賃金実態調査報告書を公表した。月給制組合員の月額賃金は2023年春闘の賃金改善交渉以前より1.4%増となった。同ユニオンの組合員数は現在8万6837名。調査は5512名を対象に実施し、回答数は2947名(回答率53.5%)だった。【社会保険旬報編集部】 組合員のうち月給制で働く人の2023年7月の月額賃金は26万2660円(対同年3月+3676円)。2022年の税込年収は392万4161円(対前年+11万6217円)。また、2

中医協総会が令和6年度診療報酬改定を答申(2024年2月14日)

中医協総会(小塩隆士会長)は14日、令和6年度診療報酬改定について、武見敬三厚労大臣の諮問に答申した。【社会保険旬報編集部】 答申書には28項目の附帯意見をつけた。告示等は例年通り3月上旬の予定となっている。また、政府の診療報酬改定DXの推進に伴い、診療報酬改定の実施が4月から6月に変更されている。 賃上げ対応に改定財源の多くを割く令和6年度改定では、社会保障審議会医療保険部会・医療部会がまとめた基本方針の重要課題に位置付けられた「現下の雇用情勢も踏まえた人材確保・働き方

日医総研が欧州のかかりつけ医の調査報告会を開催(2024年2月8日)

日本医師会総合政策研究機構(日医総研)は2月8日、東京・駒込の日本医師会館で欧州医療調査報告会を開催した。調査団は昨年5~6月にかけてイギリス・ドイツ・フランスを訪問し、かかりつけ医の実態やコロナ対応などを調査した。調査結果は日医総研のワーキングペーパーとして昨年11月に公表している。【社会保険旬報編集部】 日医総研の森井大一主席研究員は各国のかかりつけ医について、イギリスとフランスは登録制を採用し、ドイツは採用していないことを紹介。イギリスのGPはほとんどが非常勤であり、

介護ロボット全国フォーラムが開催 生産性向上がテーマ(2024年1月26日)

テクノエイド協会は1月26日、都内で「介護ロボット全国フォーラム:テクノロジーを活用した介護現場の生産性向上を考えよう」を開催した。【社会保険旬報編集部】 メーカー40社による高齢者や障害者の自立や介助、介護者の業務を支援する介護ロボットなどの機器の展示やシンポジウムが行われた。 シンポジウムで厚労省老健局の峰村浩司高齢者支援課長(写真)は「介護現場の生産性向上等を通じた働きやすい職場環境づくり」をテーマに講演。介護現場の生産性を高める取り組みと、介護ロボットやICTなど

職業紹介事業への対処求める 社保審医療部会(2024年2月9日)

社会保障審議会・医療部会は2月9日、医療・介護・保育分野の職業紹介事業などをめぐり議論した。病院団体の委員などから、医療・介護従事者を紹介する事業者の手数料に大きな幅があり、一部が高額であることなどの問題への対処を求める意見が相次いだ。【社会保険旬報編集部】 厚労省は、紹介手数料の公開など紹介事業者の情報公開や適正事業者認定制度の基準見直しを進めるとともに、ハローワークの強化を図っているとした(下図)。また、法令に違反する紹介事業者への指導監督の実施や、求人者向け相談窓口の

救急救命士によるエコー検査の実証について議論(2024年2月7日)

厚生労働省の救急医療の現場における医療関係職種の在り方に関する検討会ワーキンググループ(児玉聡座長)は2月7日、救急救命士のエコー検査の実証について議論した。デジタル田園健康特区の岡山県吉備中央町と岡山大学病院が救急救命士のエコー検査の実証調査について提案し、特区での実証承認を求めたが、委員からは検査の安全性や教育・研修体制に関する課題が指摘された。【社会保険旬報編集部】 2021年の法改正で救急救命士が処置できる場所が病院前から救急外来までに延長されたことを受け、ワーキン

令和6年度調剤報酬改定を答申 中医協(2024年2月14日)

中医協総会(小塩隆士会長)は2月14日、令和6年度診療報酬改定の内容をとりまとめ、武見敬三厚労相に答申した。調剤報酬については、薬局の体制の評価見直し、地域支援体制加算の見直し、在宅業務に関する報酬の見直し等を行う。 調剤基本料は3点引き上げ 地域の医薬品供給拠点としての役割を担い、地域医療に貢献する薬局の整備を進めていくことや、職員の賃上げを実施すること等の観点から、調剤基本料1~3はそれぞれ3点引き上げる。 一方で、特別調剤基本料は引き下げる。また、特別調剤基本料はこ

中医協総会が令和6年度改定の個別改定項目と附帯意見を了承(2024年2月7日)

中医協総会は2月7日、令和6年度診療報酬改定の個別改定項目の議論を終え、個別改定項目の内容と令和6年度改定附帯意見を了承した。附帯意見は、賃上げ全般から医療DX、働き方・人材確保、入院医療、外来医療など28項目にわたっている。14日、改定について武見敬三厚労相の諮問に答申する予定だ。【社会保険旬報編集部】 賃上げ全般については、看護職員やその他の医療関係職種の賃上げが適切に実施されているかを把握し、検証することを求めた。入院基本料等を引き上げることで対応する40歳未満の医師