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2023年10月の記事一覧

「貸与・販売の選択制」などは給付費分科会の議論へ――福祉用具貸与・販売種目のあり方検討会が取りまとめ(2023年10月30日)

厚生労働省は10月30日、第9回介護保険制度における福祉用具貸与・販売種目のあり方検討会を開催した。 検討会ではこれまでの検討を踏まえた「介護保険制度における福祉用具貸与・販売種目のあり方検討会 対応の方向性に関する取りまとめ(案)」が示され、議論により挙げられた構成員からの意見等を踏まえ、取りまとめは座長に一任された。 この取りまとめについては今後、社会保障審議会介護給付費分科会に報告され、議論される。 モニタリング実施時期については福祉用具貸与事業所等の運営基準改正

短期生活に看取りの加算を新設、短期療養・総合医学管理加算は要件を拡大へ――第229回介護給付費分科会(2023年10月26日)<その3>

10月26日に開催された第229回社会保障審議会介護給付費分科会において、通所サービスおよび短期入所サービスについて議論された。 具体的には、次の分類に基づき「論点」と「対応案」が示された。 本記事ではショートステイに関する、【4】【5】の内容について掲載する(【1】-【3】は別の記事で紹介)。 【4】看取り加算の算定制限は1週間程度を想定か、長期利用の適正化の詳細は引き続き検討短期入所生活介護に関しては、次の2つの論点・対応案が挙げられた。 ①看取り対応を行った場合

10月31日に気を付けて? 医療機関に「サイバーセキュリティ9の心得」を呼びかけ(2023年10月10日)

厚労省は10月10日、医療機関が早急に取り組むべきセキュリティ対策をまとめた「サイバーセキュリティ9の心得」を公表した。医療機関へのサイバー攻撃によって電子カルテの閲覧・利用ができなくなった事案を踏まえ、医療機関や関連事業者におけるサイバーセキュリティ対策への活用を求めた。 また、厚労省事業の「医療機関向けセキュリティ教育支援ポータルサイト」では、2021年10月31日に徳島県つるぎ町立半田病院が、2022年10月31日に大阪急性期・総合医療センターが、それぞれサイバーセキ

通所リハ・大規模型の基本報酬はマネジメント体制等を考慮、予防の運動器機能向上加算は廃止へ――第229回介護給付費分科会(2023年10月26日)<その2>

厚生労働省は10月26日、第229回社会保障審議会介護給付費分科会を開催した。 今回対象となったサービスは通所サービスと短期入所サービス。令和6年度介護報酬改定に向けた検討として具体的な「論点」と「対応案」が示された。 本記事では【3】の通所リハビリテーションについて掲載する。 【3-1】退院後のリハビリでは医療リハ計画の入手を、退院前カンファレンスの参加も評価通所リハビリテーションに関して挙げられた論点・対応案は以下の6つ。 ①リハビリテーションにおける医療・介護連

通所介護・入浴介助加算に研修要件を追加、療養通所介護では短期利用を新設か――第229回介護給付費分科会(2023年10月26日)<その1>

厚生労働省は10月26日、第229回社会保障審議会介護給付費分科会を開催した。 令和6年度介護報酬改定に向けた検討として、厚生労働省からは前回同様、ここまでの議論等を踏まえた具体的な「論点」と「対応案」が示された。 今回対象となったサービスは、通所サービスおよび短期入所サービス。 具体的には、次の分類に基づき対応案などについて議論された。 本記事では【1】【2】の通所介護に関連した内容について掲載する。 【1】個別機能訓練加算について人員配置を柔軟化し評価を適正化、

創立25周年の認知症グループホーム全国大会開催(2023年10月21日)

日本認知症グループホーム協会は10月21日・22日の両日、創立25周年記念日本認知症グループホーム全国大会を都内で開催した。テーマは「ともに見つめ直そう!グループホームの未来に向かって~認知症との共生をめざして~」として、全国から約900人の会員が参集した。初日の記念式典には高円宮妃久子様がご臨席した。 開会挨拶で、河﨑茂子会長は、「認知症基本法の成立という、新たな時代を迎えて地域共生社会における認知症ケアの拠点として、また、認知症の人とご家族に寄り添いながら、より一層努力

トリプル改定に向け中医協が医療・介護・障害福祉サービスの連携を議論 (2023年10月20日)

中医協総会は20日、診療報酬・介護報酬・障害福祉サービス等報酬が同時に改定される令和6年度報酬改定に向けて、これらの「連携」をテーマに議論を行った。論点は「主治医と介護支援専門員との連携」「医療機関と高齢者施設等との連携」「障害福祉サービスとの連携」となっている。 「主治医と介護支援専門員との連携」では、主治医と介護支援専門員との連携を推進するため、サービス担当者会議等を通じて、両者で認識を共有し、両者の視点でケアプランを提供することを、機能強化加算などかかりつけ医機能を評

令和5年12月から再照会機能によるオンライン資格確認を可能に 訪問診療等の居宅同意取得型(2023年10月18日)

中医協総会は10月18日、オンライン資格確認の用途拡大に伴う対応等に係る個別改訂項目について議論し、厚生労働大臣に答申した。令和5年12月1日以降、訪問診療や訪問看護におけるオンライン資格確認のしくみに実装される「再照会機能」を活用した資格確認を可能とする。 訪問診療等におけるオンライン資格確認については、9月29日の社会保障審議会医療保険部会等でしくみが議論され、居宅同意取得型の再照会機能により資格確認を行うこととされていた。訪問診療等においては、医療関係者が居宅を訪問す

オン請求義務化に伴う請求命令改正にオン資も対応――令和6年4月施行(2023年10月18日)

中医協総会は10月18日、「保険医療機関及び保険薬局におけるオンライン請求の推進に伴う所要の見直し」等についての厚生労働大臣の諮問(写真)に対し答申した。請求命令を改正し、令和6年4月以降は紙レセプトでの請求が経過的な取扱いであることを明記する。 オンライン請求の推進に伴う所要の見直しについてはこれまで、社会保障審議会医療保険部会等で議論が行われていた。同部会が了承した「オンライン請求の割合を100%に近づけていくためのロードマップ」を踏まえて、請求命令(療養の給付及び公費

訪看STにオン資導入義務付け、令和6年秋施行も経過措置設ける 中医協答申(2023年10月18日)

中医協は10月18日の総会で、①指定訪問看護ステーションにおけるオンライン資格確認の導入の義務付け、②オンライン資格確認の用途拡大に伴う対応、③保険医療機関および保険薬局におけるオンライン請求の推進に伴う所要の見直し――に係る個別改定項目について議論し、同日、武見敬三厚生労働大臣に答申した。 写真:三浦靖厚生労働大臣政務官(右)に答申書を手渡す中医協・小塩隆士会長(左) このうち、医療保険の訪問看護へのオンライン資格確認導入については、9月29日の社会保障審議会医療保険部

令和3年度の国民医療費は45兆359億円で過去最高(2023年10月24日)

厚生労働省は24日、令和3年度の国民医療費を公表した。令和3年度の国民医療費は45兆359億円であり、前年度に比べ2兆694億円、4.8%の増加だった。新型コロナウイルス感染症の影響により令和2年度の対前年度増減率は4年ぶりにマイナスだったが、今回再びプラスに転じて過去最高となった。 令和3年度の国民医療費45兆359億円は、人口一人当たりでは35万8,800円であり、前年度に比べ1万8,200円、5.3%の増加となる。平成23(2011)年から令和3(2021)年の10年

国立大学病院の令和5年度収支は▲302億円(10月13日)

国立大学病院長会議は13日の会見で、国立大学病院の令和5年度収支見込みを発表した。300億円を超えるマイナス収支を見込んでいる。 令和5年度は急激な物価・エネルギー価格高騰の影響とコロナ補助金の縮減から全国42大学病院の平均で▲302億円の収支となり、収支のマイナスを見込んでいる大学病院は33病院、▲318億円となった(下図)。 横手幸太郎会長は「物価、光熱費、医療材料が高騰している。特に医薬品の価格が非常に高くなっている。コロナ禍ではコロナ補助金が赤字を隠していた面があ

【地域密着型】総合マネジメント加算は基本報酬へ、小多機では認知症ケアへの新たな評価を――第228回介護給付費分科会(2023年10月23日)

厚生労働省は10月23日、第228回社会保障審議会介護給付費分科会を開催した。 令和6年度介護報酬改定に向けて、地域密着型サービスのうち訪問系サービスや(看護)小規模多機能型居宅介護、認知症グループホームについて議論した。 厚生労働省からは以下のサービスごとに、ここまでの議論等を踏まえた具体的な「論点」と「対応案」が示された。 今回示された対応案については、委員から大きな反対などは挙がらなかった。 今後、各委員から寄せられた意見を踏まえ、介護報酬改定に向けた検討が引き

中医協が訪問看護ステーションのオンライン資格確認などを答申(2023年10月18日)

中医協総会は18日、「指定訪問看護ステーションにおけるオンライン資格確認の導入の義務付け」「オンライン資格確認の用途拡大に伴う対応」「保険医療機関及び保険薬局におけるオンライン請求の推進に伴う所要の見直し」についての武見敬三厚労相の諮問に対し答申した。 訪問看護のオンライン資格確認の義務付けは令和6年秋からとする。令和6年秋時点でやむを得ない事情がある場合は、期限付きの経過措置などを設ける。指定訪問看護の事業の人員及び運営に関する基準を改正する。 オンライン資格確認の用途