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2023年2月の記事一覧

電子処方箋の普及に向けて推進協議会を開催 医療機関から「費用が課題」との声(2月27日)

厚生労働省は2月27日、電子処方箋推進協議会を初めて開き、電子処方箋の導入状況を報告するとともに、利用施設を増やすための取組みを議論した。医療提供側の委員からは、費用負担が課題との意見が出された。 電子処方箋は1月26日に運用がスタートし、2月19日時点で全国684施設において利用されている。加藤勝信厚労相は、「電子処方箋は紙の処方箋を単に電子化するものではなく、薬剤情報をリアルタイムで共有でき、患者さんがお薬手帳を持参しない場合でも注意すべき飲み合わせや重複投薬の自動チ

かかりつけ医の制度整備 健保連「ゴールではなく第一歩」(2月24日)

社会保障審議会医療保険部会は2月24日、厚労省が今国会に提出している「全世代対応型の持続可能な社会保障制度を構築するための健康保険法等の一部を改正する法律案」の説明を受け、意見交換した。 健保連副会長の佐野雅宏委員は、今回の制度改正について「全世代型社会保障構築に向けた第一歩であるため、現役世代の負担軽減の確実な実施をお願いしたい」と述べた。 医療法改正に盛り込まれた、かかりつけ医機能の制度整備については「今回の制度整備はゴールではなく、第一歩だと考えている。まずは今

マイナカードと保険証の一体化、国保の短期被保険者証は廃止(2月24日)

社会保障審議会医療保険部会は2月24日、マイナンバーカードと健康保険証の一体化について協議した。厚労省は健康保険証の廃止に伴い、国保等の短期被保険者証を廃止するとともに、被保険者資格証明書の交付に代えて償還払いの事前通知を行う方針を明らかにした。令和6年秋を予定している。 マイナンバーカードと保険証を一体化することによる健康保険証の廃止に伴い、国保や後期高齢者医療制度で発行している短期被保険者証の仕組みは廃止する。 長期にわたる保険料滞納者の保険料納付を促す取組みとして

調剤報酬の令和5年度特例措置――医薬品安定供給に資する取組みに応じて地域支援体制加算をさらに評価

1.オンライン資格確認の導入の原則義務付けに係る経過措置(令和5年4月~)令和5年4月から、保険医療機関・保険薬局においてはオンライン資格確認の導入が原則として義務付けられますが、令和4年8月10日中医協の答申書附帯意見を踏まえ、令和4年度末時点でやむを得ない事情がある保険医療機関等については、期限付きの経過措置等が設けられます。 ⑴ 経過措置の対象となる保険医療機関等 以下の「やむを得ない事情」に該当する保険医療機関等が対象となります。対象保険医療機関等は、あらかじめ

歯科の令和5年度特例措置――歯科初診料の加算を見直し、歯科再診料を新たに評価

1.オンライン資格確認の導入の原則義務付けに係る経過措置(令和5年4月~)令和5年4月から、保険医療機関・保険薬局においてはオンライン資格確認の導入が原則として義務付けられますが、令和4年8月10日中医協の答申書附帯意見を踏まえ、令和4年度末時点でやむを得ない事情がある保険医療機関等については、期限付きの経過措置等が設けられます。 ⑴ 経過措置の対象となる保険医療機関等 以下の「やむを得ない事情」に該当する保険医療機関等が対象となります。対象保険医療機関等は、あらかじめ

医科の令和5年度特例措置――初診時の加算を見直し、再診時について新たに評価

1.オンライン資格確認の導入の原則義務付けに係る経過措置(令和5年4月~)令和5年4月から、保険医療機関・保険薬局においてはオンライン資格確認の導入が原則として義務付けられますが、令和4年8月10日中医協の答申書附帯意見を踏まえ、令和4年度末時点でやむを得ない事情がある保険医療機関等については、期限付きの経過措置等が設けられます。 ⑴ 経過措置の対象となる保険医療機関等 以下の「やむを得ない事情」に該当する保険医療機関等が対象となります。対象保険医療機関等は、あらかじめ

「電子申請・届出システム」による体制等の届出を原則化 介護報酬算定告示の見直しを了承 介護給付費分科会(2月20日)

厚労省は2月20日、第214回社会保障審議会介護給付費分科会を開催し、「電子申請・届出システム」の基本原則化や介護事業経営概況調査結果等について議論した。 この日の主な議題は次のとおり。 議題①:標準様式例及び「電子申請・届出システム」の使用の基本原則化に係る諮問について(指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準等の一部改正) 議題②:令和4年度介護事業経営概況調査の結果について 議題③:令和5年度介護事業経営実態調査の実施について 議題④:介護保険制度

健保連副会長、マイナカードと保険証の一体化「実務をどう回すかが重要」(2月16日)

健保連の佐野雅宏副会長(写真)は2月16日の総会で、情勢報告として①医療保険制度改革②かかりつけ医機能の制度化③マイナンバーカードと保険証の一体化―について説明した。 マイナンバーカードと保険証の一体化については「実施までに解決すべき課題は山積みだ。実務をどう回すかが重要」との認識を示した。 今国会に提出された健保法等改正案に盛り込まれた医療保険制度改革の内容については「高齢者の負担見直しを中心に現役世代の負担軽減策が入る一方、前期納付金の一部報酬調整など健保組合全体とし

健保連が定時総会、かかりつけ医の制度・環境整備を最重点事項に(2月16日)

健保連は2月16日、定時総会を開き、令和5年度の事業計画や収支予算などを了承した。令和5年度の最重点事項として、全世代型社会保障構築に向けた改革における要請活動の展開やかかりつけ医の制度・環境整備、医療DXの推進などをあげている。 宮永俊一会長(写真)は、全世代型改革への対応について本部内での検討や関係審議会での意見表明、国会議員への要請活動などを紹介。その結果、今国会に提出された法案では「現役世代の負担軽減」「世代間・世代内の負担バランスの見直し」「負担能力に応じた見直し

東京都医師会がかかりつけ医機能について見解示す 「地域医療育成人材事業」に着手(2月14日)

東京都医師会は2月14日の会見で、都市におけるかかりつけ医機能は、地域の各診療科の医師が連携して担うことが現実的との見解を示した。また、開業を予定する病院勤務医に対して研修等を行う地域医療育成人材事業の準備を進めていると発表した。 尾崎治夫会長は、「今の日本の医療現場や診療所の医師の年齢を考えると、一人で24時間、あらゆる機能を担うのは難しい。東京のような大都市には専門性を持つ医師がたくさんいる。複数の医師が専門性を活かしながら連携して、かかりつけ医機能を発揮するのが現実

通所介護等の介護報酬「3%区分」特例は令和5年度も引き続き算定可(2月15日)

厚労省は2月15日、新型コロナウイルス感染症により通所介護等の利用者数の減少が生じている場合の特例「3%加算」「規模区分の特例」は令和5年度も算定可能であることを事務連絡で示した。 通所介護、通所リハビリテーション、地域密着型通所介護、(介護予防)認知症対応型通所介護については、安定的なサービス提供を可能とする観点から、感染症や災害の影響により利用者数が減少した場合の特例として、基本報酬への「3%加算」を行う措置が取られている。 また、通所介護および通所リハビリテーシ

医療法人の経営情報データベース 日医会長「慎重な運用を」(2月15日)

日本医師会の松本吉郎会長は2月15日の会見で、今国会に提出された健保法等改正法案に盛り込まれた医療法人等の経営情報のデータベースの整備について見解を示した。 松本会長は法案に盛り込まれた医療法人等の経営情報のデータベースの整備について、「職種別の給与についてはさらなる見える化の意見もあったが、今回の制度の開始にあたっては任意で報告する項目となった。行政に集められる医療法人の詳細な経営情報は、あくまでもグルーピングした分析結果を公表することになっている。万が一にも、個別の詳細

日医会長、かかりつけ医・医療機関の認定制に反対(2月15日)

日本医師会の松本吉郎会長は2月15日の会見で、10日に国会に提出された健保法等改正法案に盛り込まれたかかりつけ医機能の制度整備ついて見解を示した。かかりつけ医・かかりつけ医療機関の認定制に反対を表明した。 かかりつけ医の制度整備の議論を振り返り、「改めて申し上げるが、かかりつけ医はあくまで国民が選ぶものだ。フリーアクセスで国民が適切な医療機関を自ら選択できるように支援することが必要だ。制度によってしばっても決してうまくいかない」と発言。 「国民にかかりつけ医を持つことを

健保法等一部改正法案を通常国会に提出 出産育児一時金を50万円に(2月10日)

政府は2月10日、「全世代対応型の持続可能な社会保障制度を構築するための健康保険法等の一部を改正する法律案」を閣議決定し、今通常国会に提出した。 法律案は出産育児一時金の引上げに伴い財政負担を後期高齢者にも求める措置を含め、負担能力のある高齢者に応分の負担を求める方向での財政見直しを行うほか、前期高齢者の医療費を賄うための財政調整の方法も変更するなど大きな改革内容を含む。また、かかりつけ医機能の制度整備など医療提供体制に関わる見直しも幅広く盛り込んでいる(「社会保険旬報」に