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2022年11月の記事一覧

介護保険部会、高所得者の1号保険料負担についてなど論点を明確化 所得段階の多段階化を検討(11月28日)

社会保障審議会の介護保険部会は11月28日、「給付と負担について」2回目の議論を実施した。厚労省は、10月30日の議論を踏まえ、利用者負担割合の所得の判断基準の見直しや高所得者の1号保険料の保険料設定などに関する論点を明確化した。 論点は次の7つとなっている。 被保険者範囲・受給権者範囲 補足給付 多床室の室料負担 ケアマネジメントの給付 軽度者への生活援助サービス等の給付 「現役並み所得」「一定以上所得」の判断基準 高所得者の1号保険料の負担 このうち、「

全世代会議が論点整理、手上げによるかかりつけ医機能の制度整備(11月24日)

政府の全世代型社会保障構築会議は11月24日、各分野の方向性を盛り込んだ「論点整理」をまとめた。後期高齢者を含む医療保険の加入者全体で支える出産育児一時金の仕組みや、手上げ方式によるかかりつけ医機能が発揮される制度整備を盛り込んだ。年末までに報告書をまとめる。 医療・介護の改革の論点は、同会議内のチームがまとめた内容を踏まえたものとなっている。 医療保険制度では、現役世代の負担上昇の抑制を図りつつ、負担能力に応じて全ての世代で増加する医療費を公平に支え合う仕組みを強化

協会けんぽの5年度保険料率、8割以上の支部「現行10%維持すべき」(11月24日)

協会けんぽは24日の運営委員会で、令和5年度平均保険料率について議論した。支部評議会の意見では引き下げを求めたのは佐賀支部のみで、8割以上の支部は現行の平均保険料率10%を維持すべきとの意見だった。 委員からも、中長期的な視点から10%維持はやむを得ないとする意見が大勢を占めた。次回12月16日の会合で意見をまとめ、平均保険料率を決定する。 47の支部評議会の令和5年度平均保険料率に対する意見では、①現行の10%を維持すべき39支部(前年31支部)、②引き下げるべき1支

介護保険部会、通いの場や要介護認定で方向性(11月24日)

社会保障審議会の介護保険部会は11月24日、前回に引き続き「地域包括ケアシステムのさらなる深化・推進」をテーマに議論した。厚労省からは通いの場や認知症施策、地域包括支援センターの体制整備、要介護認定などについて方向性が示された。次回28日には「給付と負担」を議論する。 厚労省は通いの場・一般介護予防事業の検討の方向性について、①感染防止に配慮しつつ活動再開や参加率向上を進める②医療や介護の専門職の関与を推進する②参加できない高齢者を介護予防・見守りの取組みにつなげるための

新型コロナ経口薬ゾコーバを緊急承認 当面の間は都道府県の選定リストに基づき厚労省が配分(11月22日)

厚労省は11月22日、新型コロナウイルス感染症の患者を対象とした経口抗ウイルス薬「ゾコーバ錠125mg」(エンシトレルビルフマル酸)を緊急承認した。国内での使用が可能となったが、当面の間、厚生労働省が所有した上でゾコーバを配分する。 ゾコーバは、現状、安定的な供給が難しいことから、当面の間(承認から2週間程度)は厚生労働省が所有した上で、対象となる患者が発生または発生が見込まれる医療機関及び薬局からの依頼に基づき、無償で譲渡する。この間、配分の依頼が行える対象機関は、パキロ

日医会長、全世代会議のかかりつけ医「手上げ方式」を評価(11月19日)

日本医師会の松本吉郎会長は11月19日、三重県四日市市で開かれた令和4年度中部医師会連合委員総会で特別講演を行った。「日本医師会の医療政策」をテーマに講演し、かかりつけ医機能や社会保障のあり方について見解を示した。 11月2日に日医が発表した「地域のおける面としてのかかりつけ医機能」を説明。かかりつけ医機能が発揮される制度整備とは、「医療機能情報提供制度の充実・強化を進めた上で、かかりつけ医機能への評価の取組みを総合的に進め、その結果として地域における面としてのかかりつけ医

今秋以降の感染拡大で保健医療への負荷が拡大した場合の対応を決定(11月18日)

新型コロナウイルス感染症対策本部は11月18日、今秋以降に新型コロナ感染拡大で保健医療への負荷が高まった場合の対応について決定した。オミクロン株に対応した新たな4つのレベル分類に見直すとともに、各段階において取り得る感染拡大防止措置を整理した。 オミクロン株に対応し、外来医療等の状況に着目したレベル分類はレベル1(感染小康期)からレベル4(医療機能不全期)までの4段階。 令和4年夏のオミクロン株と同程度の感染力・病原性の変異株を中心として感染が拡大し、保健医療への負荷

国保制度改善強化全国大会を開催 公費投入の確保など11項目を決議――国保関係9団体(11月18日)

国保中央会や地方6団体など国保関係9団体は11月18日、東京・千代田区の砂防会館で令和4年度国保制度改善強化全国大会を開催した。 国保の財政基盤強化のための公費投入の確保など11項目の決議を全会一致で採択した。新たな項目では、地方自治体の医療・保健・福祉業務の支援を担う国保連合会への措置が盛り込まれた。終了後は、政府や国会議員に対し要請活動を展開した。 主催者挨拶で、国保中央会の岡崎誠也会長(高知市長)は、平成30年度にスタートした都道府県が運営主体に加わった新国保制度に

かかりつけ医の制度整備の早急な実現を 身近な地域で医療提供や健康管理の相談――全世代型社会保障構築会議(11月11日)

政府の全世代型社会保障構築会議は11月11日、医療提供体制に関する議論の状況について同検討チームの増田寛也主査(東京大大学院客員教授)から報告を受けた。かかりつけ医機能が発揮される制度整備の早急な実現が求められた。 増田主査は「かかりつけ医機能を強化するための制度整備は不可避」とした上で、「かかりつけ機能を持つ医療機関を患者が的確に認識できる仕組みが必要」との考えを示した。仕組みは、医療機関、患者のそれぞれの「手上げ」によるべきであるとした。 かかりつけ医機能の定義につ

介護保険部会、医療計画と介護保険事業計画の整合性確保を(11月14日)

社会保障審議会の介護保険部会は11月14日、次期制度改正に向けて「地域包括ケアシステムの更なる深化・推進」をテーマに議論した。 厚労省が介護サービス基盤の整備について、訪問・通所の複合型サービス類型の検討や医療計画と介護保険事業計画の整合性の確保などの方向性を示した。次回24日も引き続き地域包括ケアを議論する。 厚労省は介護サービス基盤の整備の検討の方向性について、地域の実情に応じた介護サービスの基盤整備では、必要に応じて既存施設・事業所の今後のあり方を含めた検討を各自治

接触確認アプリ「COCOA」の機能を停止 11月17日より機能停止版アプリを配信(11月11日)

厚生労働省とデジタル庁が連携して保守・運用管理を行っている「新型コロナウイルス接触確認アプリ(COCOA)」について、陽性者の全数届出の見直しにより陽性登録が可能な人が限られることから、アプリの機能を停止する。 現在本アプリを利用している人は、11月17日より配信される「機能停止版アプリ(3.0.0)」にアップデートし、画面の案内に従い、機能停止の手続きを行う。手続き後、アプリを削除しても差し支えない。 また、今後の感染症における感染対策への IT ツールの活用の参考

健保連がかかりつけ医登録制を提案 かかりつけ医をもつのは「権利」(11月8日)

健康保険組合連合会(健保連)は11月8日、「かかりつけ医」の制度・環境の整備について、「議論の整理」を発表した。医療機能の分化・強化と連携に向けた改革として、国民が任意でかかりつけ医を登録する仕組みを導入することを提言している。 健保連は、国民がかかりつけ医を探しやすいように、かかりつけ医として十分な機能を有する医療機関を認定する仕組みを創設することを提案。国民は強制ではなく任意で、かかりつけ医を登録することとし、登録できるかかりつけ医は、医師1人とした。 かかりつけ医

財務省が医療提供見直しや医療保険の負担のあり方で見解(11月7日)

財務省は11月7日の財政制度等審議会財政制度分科会に、社会保障改革についての考え方について提示した。医療提供体制の見直しや医療保険の負担のあり方などについて見解を示している。財政審は11月中にもまとめる令和5年度予算編成に対する建議のなかに反映させる意向。 医療提供体制については、「効果的・効率的な医療提供を行う体制を実現することは医療制度改革の最重要課題」とした。その上で、地域医療構想や地域包括ケアの早急な実現とともに、「診療所等の外来機能分担も不可避であり、『かかりつけ

日本病院会が「かかりつけ医機能」に関し提言 「病院にとっても極めて重要な機能」(11月2日)

日本病院会は11月2日、「かかりつけ医機能」に関する提言を行った。現行の医療法施行規則に基づく医療機能情報提供制度におけるかかりつけ医機能が「不明確で基準が適切とは言い難い」ことから見直しを求めた。 医療法施行規則において「かかりつけ医機能」に求められる機能は、①日常的な医学管理及び重症化予防②地域の医療機関等との連携③在宅療養支援、介護等との連携④適切かつ分かりやすい情報の提供⑤地域包括診療加算の届出⑥地域包括診療料の届出⑦小児かかりつけ診療料の届出⑧機能強化加算の届出─