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2022年10月の記事一覧

外来医療計画や5事業への対応方針を大筋でまとめる 第8次医療計画等に関する検討会 (10月26日)

厚労省の第8次医療計画検討会(遠藤久夫座長)は10月26日、都道府県が策定する第8次医療計画の策定に向け、外来医療計画と5事業(救急、災害時、へき地、周産期、小児)への対応の方針を大筋でまとめた。 外来医療計画では、引続き現行の外来医師偏在指標の計算式を用いて、偏在状況を把握する。今後の外来需要の動向が地域により異なることを踏まえ、二次医療圏ごとの人口や外来患者数の推計などを踏まえた協議を都道府県に求める。外来医療の体制整備にあたっては、特に外来医師多数区域以外では、医師

日病協が病院薬剤師の確保に向けワーキンググループを設置(10月28日)

日本病院団体協議会は10月28日、病院薬剤師の確保に向けたワーキンググループを日病協内に設置することを決めた。日本病院薬剤師会と協力し、薬剤師が病院に就職し定着するための方策を話し合う。同日の代表者会議後の会見で、小山信彌議長(日本私立医科大学協会参与)が報告した。 山本修一副会長(地域医療機能推進機構理事長)によると、日本の薬剤師数自体は多いにもかかわらず、薬局に偏在し、病院薬剤師が足りない状況になっている。病院薬剤師の確保に向けた課題としては、◇病院と薬局間の給与水準の

介護文書の負担軽減へ標準様式例や電子申請・届出システムの使用原則化(10月25日)

社会保障審議会介護保険部会の「介護分野の文書に係る負担軽減に関する専門委員会」は10月27日、取りまとめ案を大筋で了承した。 国が示している指定申請などの標準様式例や「電子申請・届出システム」の使用原則化の方向性を打ち出した。同日の意見を踏まえて修文し、介護保険部会に報告する。 専門委員会の取りまとめ案では次の点について方向性を示している。 指定申請・報酬請求・実地指導関連文書の国が定める標準様式例 簡素化や利便性向上の要望を提出できる専用の窓口 「電子申請・届出シ

感染症法等改正案が衆院で審議入り、岸田首相が答弁(10月25日)

感染症法等改正法案が10月25日、衆院本会議で審議入りした。 加藤勝信厚労相が趣旨説明をした後、各党代表が質問を行い、岸田文雄首相らが答弁した。医療確保等の協定締結やかかりつけ医、流行時医療確保措置などについて見解を示した。 法案は、①感染症発生・まん延時における医療提供体制の整備では、都道府県が定める予防計画等に沿って、都道府県等と医療機関等の間で病床、発熱外来、自宅療養者等への医療の確保等の協定を締結する②公立・公的医療機関等、特定機能病院、地域医療支援病院に感染症発

日医の松本会長、11月初旬にかかりつけ医WGの報告書を発表(10月24日)

日本医師会の松本吉郎会長は10月24日、東京・内幸町の日本記者クラブで会見した。会内のかかりつけ医ワーキンググループ(WG)の報告書を11月初旬の会見で発表する考えを明らかにした。 日医は今年7月から日本医師会医療政策会議のかかりつけ医WG(座長=鈴木邦彦茨城県医師会会長)でかかりつけ医のあり方について検討しており、10月18日の同会議に第1次報告を提出した。 今回の報告について松本会長は、2013年に日医と四病院協議会がまとめた合同提言に明記された、かかりつけ医の定

全世代型社会保障構築会議の再開に思う(中村秀一)

4か月振りの審議再開参議院選挙で中断されていた全世代型社会保障構築会議が9月に再開となった。4か月振りの開催である。岸田首相からは、年末に「子ども・子育て支援の充実」「医療・介護制度の改革」「働き方に中立的な社会保障制度等の構築」について報告をとの要請があった。 安倍・菅内閣での全世代型社会保障検討会議は十分な成果を上げないまま終わった。今回の構築会議はその使命を果たすことができるだろうか。 過去の改革に学ぶ過去の大きな社会保障改革としては、1980年代前半の「福祉見直し

医療法人の経営状況データベース構築に向け初会合 厚労省は経営状況把握の重要性を強調(10月19日)

医療法人の経営状況の実態を把握するためのデータベース構築に向け、厚労省の「医療法人の経営情報のデータベースのあり方に関する検討会」が、10月19日に初会合を開催した。 来年度のデータベース構築が求められており、新たな制度による経営情報の提出は、来年度の可能な範囲での早期に開始する予定だ。このため、検討会は今年中には一定の考えをまとめる。座長には、田中滋・埼玉県立大学理事長が選出された。 データベース構築の目的は、医療法人の監督・指導を目的とする事業報告書等とは異なることか

厚労省の有識者検討会が薬価差や医薬品の安定供給の「論点」まとめる(10月21日)

厚労省の「医薬品の迅速・安定供給実現に向けた総合対策に関する有識者検討会」(遠藤久夫座長)は10月21日、論点案を大筋でまとめた。「薬価差」や「革新的な医薬品の迅速な導入」、「医薬品の安定供給」の3点について課題を挙げている。同日に出された意見を踏まえて論点をまとめ、近く中医協に報告する。 同検討会は、革新的な医薬品や医療ニーズの高い医薬品の早期上市や、医薬品の安定的供給を図るため、流通と薬価制度、産業構造の検証などについて議論し、年度末にとりまとめを行う予定としている。こ

健保組合全国大会「全世代で支え合う制度への転換」など決議(10月18日)

健保連は10月18日、東京国際フォーラムで令和4年度健康保険組合全国大会を開催した。 「健康保険法制定100年―これからも健康を支え、皆保険を守る健保組合であるために」をテーマに、「現役世代の負担軽減、全世代で支え合う制度への転換」など4つの決議を満場一致で採択した。大会終了後は政府や国会に対して陳情活動を展開した。 冒頭、宮永俊一会長は「団塊の世代がすべて後期高齢者となる2025年が目前に迫る中で、給付は高齢者中心、負担は現役世代中心というこれまでの社会保障の構造を見

介護保険部会が次期制度改正へ人材確保や生産性向上を議論 介護助手や介護福祉士の役割で意見(10月17日)

社会保障審議会の介護保険部会は10月17日、次期制度改正に向け、介護人材の確保と介護現場の生産性の向上をテーマに議論した。介護助手の役割・確保や介護職グループリーダーとしての介護福祉士の育成などで意見がでた。 厚労省は、総合的な介護人材確保策の論点として、①多様な人材の参入、②介護職グループリーダーとしての介護福祉士の育成、③魅力的な介護の仕事の発信、④外国人材に対する介護福祉士資格取得に向けた支援――をあげた。 生産性の向上の論点としては、①生産性向上の推進に向けた地

医薬品の有識者検討会では「改定頻度」「医薬品の価値の評価」「薬価差」が論点に(10月12日)

厚労省の「医薬品の迅速・安定供給実現に向けた総合対策に関する有識者検討会」は10月12日、11月以降に本格的に議論する論点について議論した。「革新的な医薬品の迅速な導入」「医薬品の安定供給」「薬価差」の3つのテーマについて厚労省から論点案が示された。 革新的な医薬品の迅速な導入に向けては、◇薬価改定の頻度◇イノベーションや医薬品の価値を踏まえた評価◇先発企業が長期収載品から収益を得る構造から脱却し、研究開発へ再投資することを促進するための方策◇アカデミア・バイオベンチャー

【新刊】内容がいっそう充実 医療・介護 給付調整ガイド 令和4年度版

医療保険と介護保険の接点となる給付調整の内容を一望医療と介護は、両者あいまって高齢者のQOLの維持・向上に重要な役割を担っています。その制度的基盤である医療保険と介護保険との間の関係についてまとめた「医療・介護 給付調整ガイド 令和4年度版」を発刊しました。 要介護・要支援の方に対する医療の提供は、「介護保険優先」の原則により、介護サービスでまかなえるものについては、医療保険では給付されないことになっています(給付調整)。 本書では、要介護・要支援の方について医療保険

医業経営コンサル協会が医療機関等の税制のあり方で提言 医療DX関連設備への優遇など盛り込む(10月17日)

日本医業経営コンサルタント協会は10月17日、「医療機関等における税制のあり方に関する提言」を発表した。2010年から毎年発表しており、今回で11回目。医療サービスの生産性に資する機器の税制優遇措置の創設を初めて盛り込んだ。 提言は①医療法人・個人立医療機関の承継税制等の整備、②医師の勤務環境改善支援のための税制措置創設、③医療及び介護に係る控除対象外消費税問題の抜本的解決、④医療サービスの生産性向上に資する機器の税制優遇措置の創設――の4項目。 提言1 医療法人・個人

【新刊】保険医療機関のための診療報酬とカルテ記載(令和4年版)

保険医療機関においてカルテへの記載が求められている項目のうち、「医科」に関係するものをすべて収載した「保険医療機関のための 診療報酬とカルテ記載(令和4年版)」を発刊しました。 診療報酬の請求はレセプト(診療報酬明細書)によって行われますが、その根拠はカルテ(診療録)にあります。医師は診療に関する事項を遅滞なくカルテに記載しなければなりません。 それだけではなく診療報酬を請求するためには、「医科診療報酬点数表」において「診療録(等)に記載しなければならない」又は「診療録(