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2022年9月の記事一覧

1000万円以上高額レセプトは1517件で過去最多(9月21日)

健保連は9月21日、令和3年度高額レセプト上位の概要を公表した。 令和3年度(令和3年1月16日~令和4年1月15日)に申請された医療費のうち、1か月の医療費が1000万円以上の件数は、前年度より152件増の1517件で過去最多となった。近年保険収載された高額医薬品の影響が大きいことを要因にあげた。 月額医療費上位100件のうち、脊髄性筋萎縮症(SMA)治療薬「ゾルゲンスマ点滴靜注」(1患者当たり約1億6708万円)によるものが7件、白血病等治療薬「キムリア点滴靜注」(同

次期国民健康づくり運動プランの策定へ検討開始 2024年度から新たな計画期間(9月26日)

厚生科学審議会地域保健健康栄養部会の「次期国民健康づくり運動プラン(令和6年度開始)策定委員会」は9月26日、初会合を開き、2023年度で終了する「健康日本21(第二次)」に続く次期プランの策定に向けて検討を開始した。 来年春を目途に次期プランを公表し、それを踏まえて2023年度に都道府県等が健康増進計画を策定。2024年度から次期プランをスタートする。委員長は辻一郎部会長を選任した。 厚労省が次期プランのビジョンや方向性、期間、目標などの案を提示。ビジョンでは「全ての国

介護保険部会が次期制度改正へ「給付と負担」を議論(9月26日)

社会保障審議会の介護保険部会は9月26日、次期制度改正に向け、給付と負担をテーマに議論した。 ケアマネジメントへの利用者負担導入や軽度者の生活援助サービス等の地域支援事業への移行について、サービス事業者をはじめ慎重な意見が多かったが、保険者代表は賛成を示した。 厚労省は給付と負担の論点として、次の7つをあげた。 被保険者範囲・受給者範囲 補足給付の給付のあり方 多床室の室料負担 ケアマネジメントの給付のあり方 軽度者への生活援助サービス等のあり方 「現役並み所

支払基金、電子カルテ情報の共有基盤システム開発着手へ(9月27日)

社会保険診療報酬支払基金の橋本敬史理事長特任補佐は9月27日の会見で、来年度から電子カルテ情報の共有基盤のシステム開発に着手できるように令和4年度事業計画と予算変更を行うことを発表した。 骨太の方針2022において、全国医療情報プラットフォームの創設が明記されたことへの対応。 令和4年度事業計画において「全国の医療機関等で電子カルテ情報を確認できる仕組みの構築について、厚労省と連携を図りつつ、令和5年度にシステム開発を開始することを想定した準備を進める」旨を追加。また、準

医療DX令和ビジョン2030厚労省推進チームが発足 診療報酬「共通算定モジュール」などを検討(9月22日)

厚生労働省は9月22日、「医療DX令和ビジョン2030」厚生労働省推進チームを発足させた。 加藤勝信厚労相をチーム長に、関係課室長などで構成。「電子カルテ・医療情報基盤タスクフォース」と「診療報酬改定DXタスクフォース」を設置する。岸田総理を本部長として近く設置予定の「医療DX推進本部」に対し、進捗状況を定期的に報告する。 第1回会合においてチーム設置の趣旨を述べる加藤勝信厚労相(中央)=9月22日 骨太方針2022(下記)を踏まえ、「全国医療情報プラットフォーム」「電子

オンライン資格確認の導入の原則義務化(令和5年4月~)と医療情報・システム基盤整備体制充実加算の新設(令和4年10月~)

令和5年度より、保険医療機関・薬局に、医療DXの基盤となるオンライン資格確認等システムの導入が原則義務化されることを踏まえ、当該システムを通じた患者情報の活用に係る現行の評価(電子的保健医療情報活用加算)が令和4年10月から廃止されます。 その上で、医療DXの推進により、国民が医療情報の利活用による恩恵を享受することを推進する観点から、初診時等における情報の取得・活用体制の充実及び情報の取得の効率性を考慮した評価(医療情報・システム基盤整備体制充実加算)を令和4年10月か

【医科】看護職員処遇改善評価料を新設 令和4年10月からの看護職員の処遇改善

地域でコロナ医療など一定の役割を担う医療機関に勤務する看護職員を対象に、令和4年10月以降の収入を3%(月額平均12,000円相当)引き上げる処遇改善のために、診療報酬に「看護職員処遇改善評価料」が新設されます。 算定にあたっては施設基準を満たした上で届出が必要になりますが、令和4年10月20日までに届出書の提出があり、同月末日までに要件審査を終え届出の受理が行われたものについては、同月1日に遡って算定することができます。 ここでは、「看護職員処遇改善評価料」の新設に関

介護情報利活用ワーキンググループが初会合 利用者と事業者が共有する情報の標準化など検討(9月12日)

厚労省は12日、健康・医療・介護情報利活用検討会の「介護情報利活用ワーキンググループ(WG)」の初会合を開いた。 利用者や介護事業者などが閲覧・共有する情報の選定や記録方法の標準化、具体的な仕組みなどについて検討する。主査は荒井秀典国立長寿医療研究センター理事長。 厚労省のデータヘルス改革工程表では、 利用者自身が介護情報を閲覧できる仕組みは、2023年度中に利用者や介護現場で必要となる情報の範囲や全国的に閲覧可能となる仕組みを検討する 介護事業所間等で介護情報を共有

国保・後期のデータヘルス計画策定の手引き見直しへ(9月12日)

厚労省は12日、「データヘルス計画(国保・後期)の在り方に関する検討会」の初会合を開いた。 令和6年度から第3期データヘルス計画が開始されることを踏まえ、国保と後期高齢者医療のデータヘルス計画の策定の手引きの見直しに向けて議論する。座長は浜松医科大学の尾島俊之教授。 第3期データヘルス計画(令和6年度~令和11年度)策定の手引きでは、平成2年度から開始されている「高齢者の保健事業と介護予防の一体的実施」の内容を踏まえた内容が記載されていないため、一体的実施の記載の追加が必

介護保険部会が認知症施策の推進などを議論(9月12日)

社会保障審議会介護保険部会は9月12日、次期制度改正に向けて前回に引き続き地域包括ケアシステムのさらなる深化・推進について議論した。認知症施策の推進などについて意見があがった。 厚労省は現状の課題として以下の項目を説明。 認知症施策の推進 家族を含めた相談支援体制の推進 総合事業の多様なサービスのあり方 通いの場、一般介護事業 地域包括支援センターの体制整備 介護予防ケアマネジメント業務 保険者機能の強化 その上で、論点として2019年にまとめた認知症施策推

INESのHPV啓発プロジェクトが日本薬剤師会に協力求める 薬剤師による啓発で接種率向上へ(9月13日)

新時代戦略研究所(INES)は9月13日、「子宮頸がん予防啓発プロジェクト」活動の一環として、HPV啓発への協力を日本薬剤師会の山本信夫会長に要請した。 市民と接する機会の多い薬剤師にHPVワクチンの正しい知識の普及啓発への参加を求め、ワクチン接種率の向上につなげることをめざす。 INESの「子宮頸がん予防啓発プロジェクト」は、HPVワクチンの積極的勧奨が今年4月から再開されたことを契機に、HPVワクチンの接種率と検診受診率のさらなる向上をめざして啓発活動を行っている。

福祉用具貸与・特定福祉用具販売の一部選択制を提案(9月5日)

厚労省の「介護保険制度における福祉用具貸与・販売種目のあり方検討会」(野口晴子座長)は9月5日、これまでの議論の整理案をおおむね了承した。 一部の用具について、福祉用具貸与・特定福祉用具販売を選択制とすることへの可能性を示した。 現状、福祉用具については、利用者の身体状況や要介護度の変化、福祉用具の機能の向上に応じて、適時・適切な福祉用具を利用者に提供できるよう、貸与を原則としている。一方、他人が使用したものを再利用することに心理的抵抗感が伴うものや、使用によって形態・品

がん対策推進協議会が第4期計画の策定へ議論を開始(9月5日)

厚労省のがん対策推進協議会は9月5日、2023年度からの第4期がん対策推進基本計画の策定に向けた議論を開始した。基本計画について今年12月に協議会案をまとめ、来年3月に閣議決定する方針。 会長には土岐祐一郎・日本癌治療学会理事長を選任した。 厚労省は、第4期基本計画策定に向けて「がん検診のあり方に関する検討会」「がん診療提供体制のあり方に関する検討会」「がんとの共生のあり方に関する検討会」がまとめた提言とともに、厚生労働科学研究班の報告を踏まえて議論を進める考えを示した。

次なる感染症危機に向け医療機関との協定を法定化―政府の新型コロナ対策本部が「対応の具体策」を決定(9月2日)

政府の新型コロナウイルス感染症対策本部(本部長=岸田文雄首相)は9月2日、次の感染症危機に備えるための対応の具体策を決定した。感染症法等を改正し、都道府県と医療機関が締結する協定を法定化する方針。 新たな感染症の発生時やまん延時の初期に医療を確保するための費用については、公費だけとせず、保険でも負担することとした。 今回、決定された「対応の具体策」は、同本部が今年6月に示した「対応の方向性」を具体化したもの。感染症法や健康保険法などの法改正が必要となる事項も盛り込まれて