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社会保険旬報 Web医療と介護

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2022年7月の記事一覧

第8次医療計画策定に向け5事業の課題を議論(7月27日)

厚労省の第8次医療計画等に関する検討会は7月27日、第8次医療計画の策定に向け、5事業(救急、災害時、へき地、周産期、小児)をテーマに議論を行った。救急・災害時の医療は、救急・災害医療提供体制等に関するワーキングループ(WG)で行っており、そこでの議論が報告される形となった。へき地、周産期、小児については、厚労省が論点を整理するとともに、厚生労働科学研究の研究班や有識者による勉強会の議論の報告があった。 WGでは、超高齢社会の到来に伴い、特に増加が見込まれる高齢者への対応

診療報酬による看護の処遇改善を後藤厚労相が中医協に諮問(7月27日)

後藤茂之厚生労働大臣は7月27日、中医協に対し、看護の処遇改善に関する2022年度診療報酬改定を諮問した。 看護の処遇改善は10月実施が決まっており、中医協は8月中に答申を行う予定だ。中医協総会は同日、処遇改善に見合う報酬を配分するため、外来は除外して、入院料に100種類以上の点数を設定する仕組みを用いることで、概ね了解を得た。 看護の処遇改善は、2022年度改定の改定率決定に際しての後藤厚労相と鈴木俊一財務大臣の大臣折衝で、プラス0.43%の改定率のうち、プラス0.20

特定保健指導の主要達成目標は腹囲2㎝、体重2㎏減に(7月26日)

厚労省は7月26日、第4期特定健診・特定保健指導の見直しに関する検討会の「効率的・効果的な実施方法等に関するワーキンググループ」(WG)を開き、特定保健指導の実績評価体系の見直し案を了承した。 アウトカム評価の主要達成目標は、腹囲2㎝・体重2㎏減とする。 実績評価体系の基本的な考え方としては、①腹囲2cm・体重2kg減を目指して保健指導を行う。達成した場合、その間の介入量は問わない仕組みとする②腹囲2cm・体重2kg減に達していない場合も、生活習慣病予防につながる行動変容

オンライン資格確認の導入で返戻レセプトが減少(7月26日)

社会保険診療報酬支払基金の須田俊孝理事長特任補佐は7月26日の会見で、オンライン資格確認導入後の返戻レセプトの状況を発表した。 昨年10月から本格運用を開始したオンライン資格確認の効果によって、資格関係の事由で返戻となるレセプトの減少を見込んでいることがわかった。 オンライン資格確認の実施によって見込まれる効果として、①医療機関等窓口でオンライン資格確認を実施することにより、旧資格で請求されるレセプトや誤った資格情報が記載されるレセプトが減少する、②レセプト受付時に支払

介護保険部会が人材確保や生産性向上を議論(7月25日)

社会保障審議会の介護保険部会は7月25日、次期制度改正に向けて介護人材の確保や介護現場の生産性向上の推進をテーマに議論した。「介護助手」をめぐって意見が出た。 厚労省は、総合的な介護人材確保対策として次の取り組みを紹介した。 介護報酬などによる介護職員の処遇改善 「介護助手」の普及促進など多様な人材の確保・育成 介護ロボットやICT等テクノロジーの活用推進など離職防止・定着促進・生産性向上 学生への介護の仕事の理解促進など介護職の魅力向上 介護福祉士を目指す留学生

医療用抗原検査キット販売対応の拡大 連携強化薬局に求める(7月22日)

厚労省は7月22日、薬局における新型コロナ医療用抗原検査キットの取扱いについて事務連絡を発出した。 調剤基本料の連携強化加算を算定する薬局等に対し、当面の間、休日や夜間も含めた医療用抗原検査キットの販売対応を求める。 医療用抗原検査キットの販売の対応拡大についてはこれまで、入手を希望する者が薬局で医療用抗原検査キットを取り扱っていることをより認識しやすくするよう、陳列・広告の協力等を薬局に求めている。 今般の事務連絡では、調剤基本料の連携強化加算を算定する薬局(連携強

令和5年度の中間年改定の薬価調査の方法を了承 4年度中の1カ月の取引分を抽出調査(7月20日)

中医協の薬価専門部会(中村洋部会長)は7月20日、診療報酬改定と同時に実施する通常の薬価改定とは別に、中間年に実施する令和5年度薬価改定に向けた令和4年度の薬価調査の方法を大筋で了承した。 前回の初の中間年改定である令和3年度薬価改定(令和2年度調査)と同様の方法で実施することになった。 中間年改定は、平成28年12月の政府の「薬価制度の抜本改革に向けた基本方針」により、「大手事業者等を対象に調査を行い、価格乖離の大きい品目について薬価改定を行う」ことになっている。実際に

診療報酬による看護の処遇改善で点数設定をシミュレーション(7月20日)

中医協の入院・外来等の調査・評価分科会(尾形裕也分科会長)は7月20日、診療報酬により実施する看護の処遇改善をめぐり、厚生労働省が示したシミュレーション結果を踏まえ、処遇改善の必要額に不足が生じる病院への対応のあり方を議論した。 入院料への点数設定について、前回のシミュレーションで設定した100種類(1~100点)から、今回145種類(1~145点)まで増やすと、99.5%の病院をカバーできるが、それでも不足が生じる医療機関が直近データで8施設あることが示された。 入

「骨太の方針2022」をめぐって(中村秀一)

A:「骨太の方針」が決まったね。 B:6月7日に閣議決定した。岸田内閣の初の骨太方針で、注目していたよ。「新しい資本主義」が2012年から続いた安倍・菅長期政権からどれだけ政策転換するか、をだ。 A:それで、どうだった。 B:自民党内で大分もめた。安倍元首相たちの積極財政派が巻き返したのだ。 A:ロシアのウクライナ侵攻を受けての防衛費の増額の話だね。 B:政府原案では「防衛力を抜本的に強化する」だけだった。それが、NATO諸国では国防予算を対GDP比2%以上というこ

知事の会、医師不足や地域間偏在の解消へ決議(7月15日)

医師少数県12県の知事による「地域医療を担う医師の確保を目指す知事の会」は7月15日、都内でオンライン会議を開き、医師不足や地域間偏在の根本的な解消に向けた実効性のある施策の実施を求める令和4年度提言を決議した。 新規事項として「医療環境の変化を踏まえた医師需給の適切な分析・検討」「医師少数県に対する医師確保対策の継続的な実施」を盛り込んだ。 令和4年度の提言について達増拓也会長(岩手県知事)は「新たに2項目を追加した8項目で構成。国や医療関係団体で本会が提言する医師確保

調剤業務の一部外部委託の提案に慎重意見相次ぐ(7月13日)

厚労省の「薬剤師の養成及び資質向上等に関する検討会」は13日、調剤業務の一部外部委託などを議論した。 厚労省の「薬局薬剤師の業務及び薬局の機能に関するワーキンググループ」は、「薬剤師が地域で活躍するためのアクションプラン」と題する報告書を提示し、調剤業務のうち「一包化」を外部委託することを提案したが、検討会委員からは慎重な意見が相次いだ。 ワーキンググループの報告書は、薬剤師が対人業務により注力できるよう、調剤業務のうち「一包化」を外部委託できるようにするための要件などを

柔整療養費委員会、オンライン請求導入に向けた議論の進め方を確認(7月14日)

社会保障審議会・医療保険部会の柔道整復療養費専門検討委員会は7月14日、オンライン請求の導入に向けた今後の議論の進め方を確認した。 令和4年度は業務実態を把握し、実務者ワーキングで課題を検討した上で、専門検討委員会で議論する。 厚労省は、オンライン請求の導入に関する専門検討委員会でのこれまでの議論と今後の進め方をまとめたペーパーを提示。 柔整療養費の支払いについては「保険者・施術者側ともに令和8(2026)年度のオンライン請求導入は難しいとの意見である一方、公的な関与

日本医師会が会見 コロナ対応は「現時点で行動制限の必要ない」(7月13日)

日本医師会は7月13日の定例会見で、新型コロナウイルス感染症の新規感染者の急増について、現時点で行動制限等の必要がないとの認識を示した。 釜萢敏常任理事は、新型コロナの新規感染者の急増について、「BA5株の置き換わりや接触機会の拡大といった要因もあるが、基本的には、これまで獲得できていた免疫が減衰してきていることによる感染者の拡大が大きい」と分析。その上で、「政府も『現状、方針を変更する必要がない』との認識を示している。個人的にも、社会・経済活動に対する抑制を強化しなければ

日本医師連盟が参院選を振り返り評価 「組織の力示した」(7月13日)

日本医師連盟は7月13日に会見を開き、第26回参院選における自見英子氏の当選について振り返った。 自見氏は比例で21万3369票を獲得し、自民党の獲得した18議席中、8位での当選。医療・介護・社会保障系候補のなかではトップ当選となった。 日医連盟の常任執行委員を務める、日本医師会の松本吉郎会長は、「今回の選挙は自見候補個人の選挙だけではなく、組織が試される選挙であり、選挙における獲得票の意味や、選挙の重要性を訴えてきた。その結果、8位当選だったが、特定枠に2名いるので、