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2022年6月の記事一覧

日看協の福井会長「すべての看護職員に十分な保障が必要」 医療職俸給表の見直し求める(6月28日)

日本看護協会の福井トシ子会長は6月28日の会見で、中医協で議論が進められている看護の処遇改善について、対象者が看護職員の3分の1にとどまることを問題視し、すべての看護職員に十分な保障が必要との認識を示した。 地域でコロナ医療など一定の役割を担う医療機関に勤務する看護職員を対象に、今年10月以降の収入を3%程度(月額平均12,000円相当)引き上げるための処遇改善の仕組みを創設するべく、現在は中医協で議論が進められている。 福井会長はこの処遇改善について、「対象者は全就業

在宅医療で活躍する訪問看護ステーションが押さえておきたい令和4年度診療報酬改定の3つのポイント

令和4年診療報酬改定で医療保険の訪問看護が変わっています!令和4年4月から、診療報酬の改定が行われました。その一環として医療保険の訪問看護も、質の高い在宅医療・訪問看護を提供するという観点から、さまざまな見直しが行われました。 この記事では、訪問看護ステーションが押さえておきたい3つのポイントをご紹介します。 ポイント1.専門管理加算の新設:施設基準を満たした場合に1月あたり2,500円の算定が可能に専門性の高い看護師による訪問看護の評価の推進を図る観点から、専門の研修を

日本医師会会長に松本吉郎氏が当選(6月25日)

日本医師会は6月25日に定例代議員会を開き、令和3年度決算や事業報告を了承するとともに、役員選挙を実施した。会長選は松本吉郎氏と松原謙二氏の一騎打ちとなり、松本氏が当選した。 得票数は、松本氏が310票、松原氏が64票、無効票が1票、白票が1票だった。 役員選挙後の会見で、松本氏は「政界、財界、関係職種を含めさまざまな連携をとり、日本医師会の使命を果たすべく努力する。新執行部の方々と一致団結して、新しく、より強い医師会を作っていきたい」との抱負を述べた。 政治との関

日本地域医療学会が記念集会を開催 サブスぺ認定へ地域医療総合専門医制度を開始(6月24日)

日本地域医療学会(理事長=小野剛・全国国民健康保険診療施設協議会会長)は6月24日に設立記念集会を開催した。地域医療総合専門医のサブスペシャルティ認定に向け、地域医療総合専門医制度を開始するとした。 シンポジウムでは、地域医療を支える総合診療医の意義と魅力を強調し、学会への入会を呼びかけた。 冒頭の情勢報告で、小野理事長は、「高齢化が進む日本の地域医療を支えるのは総合診療医だ。総合診療医の魅力は一人の患者の人生に寄り添う点であり、やりがいも感じられる。しかし、現状として総

コロナ有識者会議の報告書とりまとめを受け永井座長が会見 司令塔機能のあり方を中心に検討(6月21日)

政府の新型コロナウイルス感染症対応に関する有識者会議の座長を務めた永井良三・自治医科大学学長が6月21日に会見を開き、これまでの議論を総括した。 永井座長は、「日本は諸外国と比べて、感染者数、死亡者数という意味ではよい成績をあげた。ただ、医療現場への負担、社会経済活動への負荷など、国民の納得感は必ずしも高くない。教訓を得て、次のパンデミックに備えなければならない。早く問題点を抽出して、必要なことをできるところから始めるのは重要」と述べ、今回の有識者会議の意義を強調した。一方

【新刊】医科点数表の解釈(令和4年4月版)

各審査機関にも長年使用される医療関係者必携の書である「医科点数表の解釈(令和4年4月版)」を発刊しました。 「根拠のある情報」を「見やすさ」「使いやすさ」を重視して編集を行っている、類書中群を抜く正確さを誇る最高峰の点数表書籍です。 本書の構成「医科診療報酬点数表」では左欄に点数表告示、対応する右欄には留意事項通知、レセプト「摘要」欄への記載事項、Q&A等を掲載しています。レセプト「摘要」欄への記載事項は青文字、Q&Aについてはグレーの網かけにより、必要な情報が探しやすく

公私病連が決議「医師の働き方改革は偏在対策が前提条件」(6月22日)

全国公私病院連盟は6月22日の定時総会で、医師の偏在是正と働き方改革への対応など5項目について決議を採択した。 総会終了後の会見で邉見公雄会長は「厚労省が進める三位一体改革は順番をつけてほしい。まずは医師の偏在対策、次いで地域医療構想。医師の働き方改革は先の2つが整ってからやらないと地域医療が崩壊してしまう」と注文した。 医師の偏在是正と働き方改革については「働き方改革の前提条件として実効性のある医師の偏在対策を講じるとともに、地域医療の確保に支障が生じないように必要な

新事務次官に大島一博政策統括官(6月21日)

厚労省は6月21日、局長級以上人事異動を公表した。新たな事務次官には大島一博政策統括官(総合政策担当)をあてる。令和4年6月28日付発令。 その他、厚生労働審議官には小林洋司人材開発統括官を、大臣官房長には山田雅彦雇用環境・均等局長をあてる。福島靖正医務技監は留任。 大島政策統括官は昭和39年生まれ、熊本県出身。内閣府大臣官房審議官等を経て平成30年に老健局長、令和3年より現職。

厚労省WGが病床機能報告制度の見直しを了承(6月16日)

厚労省の地域医療構想及び医師確保計画に関するワーキンググループは6月16日、2022年度の病床機能報告について、医療機能を報告する際に、診療報酬の障害者施設等入院基本料を「一般的には慢性期機能として報告するものとして取り扱う」ことを概ね了承した。 2021年度の病床機能報告において、89%の医療機関が障害者施設等入院基本料を算定する病棟を慢性期機能として報告していることを踏まえた。 一方、病床機能報告では、地域医療構想における2025年の病床の必要量の推計を目安に、病床の

コロナ有識者会議が報告書を了承 「一元的に感染症対策を行う体制を強化」(6月15日)

政府の新型コロナウイルス感染症に関する有識者会議は6月15日、これまでの取組みを踏まえて次の感染症危機に向けた中長期な課題について、報告書をとりまとめた。平時からの医療機能の役割分担、医療DXの推進、司令塔機能の強化について指摘した。 報告書は永井良三座長の一任で了承され、内閣官房のホームページ上に公表された。また、後日永井座長から報告書の内容を説明する場を設けるとしている。 医療提供体制については「平時の医療機能の分化、感染症危機時の役割分担の明確化を図るとともに、法的

日医会長、来年4月のオン資の原則義務化「スケジュール的に難しい」(6月15日)

日本医師会の中川俊男会長は6月15日の会見で、骨太方針2022に対する見解を表明した。オンライン資格確認システム導入の原則義務化には反対しない考えを示す一方、来年4月からは「スケジュール的に難しい」と述べた。 骨太方針で保険医療機関と薬局に対して2023年4月からオンライン資格確認の導入を原則として義務づける方針を明記したことについて「現場感覚としてスケジュール的に難しいと考える。各医療機関の基盤整備など物理的に間に合わないし、国による財政支援も明文化されていない。原則の内

診療報酬による看護の処遇改善でシミュレーション結果示す(6月10日)

厚労省は6月10日の中医協の入院・外来医療等の調査・評価分科会に、看護の処遇改善を診療報酬で行うための制度設計に向け、前回のデータ分析に基づいたシミュレーション結果を示した。 入院料等の算定回数と看護職員数を紐づけると、入院料に100種類の点数を設定した場合に、各病院の処遇改善の必要額と、上乗せ点数の合計の過不足のばらつきが、小さくなることがわかった。 対象病院の看護職員に対し、月額1万2千円を支給する処遇改善を実施するための入院料等への点数設定で、各病院の過不足がどれ

「こども小国」の日本(中村秀一)

41年連続減のこども数総務省は「こどもの日」を控えて、日本の15歳未満のこども人口推計(4月1日現在)を公表した。こどもの人口は前年より25万人少ない1465万人で、1982年から41年連続で減少。総人口に占める割合は11.7%で、1975年から48年連続で減少し、いずれも記録がある1950年以降で過去最低である。 1950年のこどもの割合は35.4%であったので、現在はその3分の1以下である。世界には人口4000万人の国が35カ国あるが、こどもの割合はその中で日本が最低で

日本精神科病院協会が総会 国へ値上げの補填を求める考え(6月10日)

日本精神科病院協会は6月10日、都内で令和4年度定時社員総会を開催した。 山崎學会長は冒頭の挨拶で、新型コロナウイルス感染症やロシアのウクライナ侵攻などの影響による公共料金等の値上げを指摘し、国に対し補填を求めていく考えを示した。 山﨑会長は、「社会的危機のなかでどのように地域の精神科医療を守っていくか。経済的補助を含め措置がなされるように、執行部としてがんばっていきたい」と述べた。 また、病院給食費についても言及し、「25年も据え置きであることは問題であり、値上げは