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社会保険旬報 Web医療と介護

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2022年4月の記事一覧

令和2年の病院の在院・外来患者数は過去最大の減少率(4月27日)

厚労省は4月27日、令和2年の「医療施設(静態・動態)調査(確定数)」と「病院報告」の結果(年報)を公表した。病院数は減少し、病院の在院・外来患者数はともに過去最大の減少率となった。 医療施設調査では、令和2年10月1日時点で、病院は8238施設・150万7526床(前年比62施設の減、2万1689床の減)だった。一般診療所は10万2612施設・8万6046床(同4施設の減、4779床の減)、歯科診療所は6万7874施設・61床(同626施設の減、4床の増)だった。 病

支払基金、医科の審査基準の取決事項は27.9%と進捗(4月26日)

社会保険診療報酬支払基金の須田俊孝理事長特任補佐は4月26日の会見で、支払基金改革の進捗状況について発表した。 審査結果の不合理な差異解消に向けた審査基準の統一の取り組みでは、検討終了している医科の審査取決事項の割合は27.9%で、3か月前よりも大幅に進んでいることがわかった。 医科の審査取決事項の3月末時点の整理状況をみると、2万6487の取決事項のうち、7382事項(27.9%)について検討を終了した。昨年12月末時点では3565事項(13.5%)だったことから、約2

地域共生社会や子ども家庭政策などについて講演-社会保険旬報「地方から考える社会保障フォーラム」開催(4月25日)

地方議員らが参加する第26回【社会保険旬報 地方から考える「社会保障フォーラム」セミナー】が4月25日に都内で開催され、全国の参加者にオンライン中継された。厚生労働省の山本麻里社会・援護局長、鳥井陽一大臣官房会計課長、川又竹男大臣官房審議官が地域共生社会や子ども家庭政策などについて講演した。 相互に支える伴走型の支援体制を整備山本麻里社会・援護局長は「コロナ禍の経験を踏まえた地域共生社会の実現」と題して、生活困窮者自立支援制度や生活保護支援制度などについて講演した。 コ

SNS「友達」多くても「困った時に助けてくれそうな人」は14人前後で上げ止まり 中高年者インターネット調査(4月27日)

東京都健康長寿医療センター研究所は中高年層をターゲットにしたSNS会員に対するインターネット調査を行い、SNSを介したつながりの実情を調べた。 この研究は中高年層を主ターゲットとしたSNS「趣味人倶楽部」の会員を対象に、2020年3月から5月にかけてインターネット調査を行った。 3,721件の回答が得られ、うち、性別と年齢に回答のある40歳以上で、SNSサービス「Facebook」(FB)のアカウントを持つ2,320件を解析した(男性68.8%、平均年齢67.6歳)。

東京都医師会が医療制度改革でシンポジウム 2040年に向け提言(4月15日)

東京都医師会は4月15日、「TMA近未来医療会議」の第1回公開シンポジウムを開催した。「超少子高齢社会の到来を見据えた『近未来』の医療とそれを支える財政のあり方に関する提言」を公表した。 TMA未来医療会議とは都医が今年1月に設置した検討会。2040年に向けた医療供給体制と診療報酬体系の抜本的改革をテーマに、4つのクールに分けて提言を発表し、2023年3月を目途に最終的な提言をまとめる。委員長は香取照幸上智大学教授、第1クールの座長は菅原琢磨法政大学教授が務める。 都医

日本専門医機構が新たに3つのサブスペシャルティ領域を承認(4月18日)

日本専門医機構は4月18日の会見で、新たに3つのサブスペシャルティ領域を承認したことを発表した。 新たに認められたのは、◇放射線カテーテル治療専門医◇集中治療科専門医◇脊椎脊髄外科専門医―の3領域。近く、厚労省の医道審議会医師分科会医師専門研修部会に報告するとした。 今後、日本専門医機構において教育プログラムの整備基準を作成。各学会が作成した整備指針を審査した上で、初めて専門医として認定される。専攻医はすでにカリキュラムを進めていることから、基本領域が終わった時点でのカ

薬機法等改正案、衆院厚労委員会が全会一致で可決(4月15日)

衆院厚生労働委員会は4月15日、緊急時の薬事承認や電子処方箋の仕組みの創設などを盛り込んだ薬機法等改正案について全会一致で可決した。 あわせて19項目の附帯決議を採択した。改正案は来週には衆院本会議で可決され、参院に送付される見通し。同日の委員会には岸田首相も出席し、改正案の必要性を強調して理解を求めた。 附帯決議では、①緊急承認された医薬品等は、承認時に付された期限の延長は原則1年間の延長が1回限りとなるよう運用し、承認時に認められた安全性・有効性等が確認できない場合に

診療報酬による看護の処遇改善の本格議論を開始(4月13日)

中医協の「入院・外来医療等の調査・評価分科会」(尾形裕也分科会長)は4月13日、令和4年度診療報酬改定として10月から実施する看護の処遇改善の制度設計に向けた本格議論を開始した。 看護職員の配置状況を把握する調査も実施する。同分科会は、従来の所掌事務に外来医療を検討事項に加えるとともに、会議の名称を変更した後での初の会議となった. 看護の処遇改善は、昨年12月の令和4年度予算の後藤茂之厚労相と鈴木俊一財務相との折衝で決まった。令和4年度改定の改定率プラス0.43%の改定率

歯科用貴金属の公定価格を特例的に緊急改定 ウクライナ情勢下で素材価格急騰(4月13日)

中医協総会は4月13日、最近のウクライナ情勢下で、歯科用貴金属の素材価格が急騰していることに鑑み、次の随時改定を待たずに、特例的に緊急改定を実施することを了承した。 価格が大きく高騰した令和4年1~3月の平均素材価格を用いて算出した価格で、5月に緊急改定する。 歯科鋳造用金銀パラジウム(金12%以上JIS適合品)の場合、告示価格は令和4年度診療報酬改定時で3,149円だが、5月に3,413円になる。通常ルールだと7月に改定する予定となっていた。 ただ、支払側委員ははじ

加藤元厚労相、連休明けに電子カルテ標準化のPT中間まとめ(4月11日)

自民党・社会保障制度調査会長の加藤勝信・元厚労相は4月11日、日本医業経営コンサルタント協会のセミナーで講演した。電子カルテの標準化などを検討している自民党の「健康・医療情報システム推進合同プロジェクトチーム(PT)」の中間まとめを5月の連休明けに行い、骨太方針2022に反映させる考えを明らかにした。 合同PTは、社会保障制度調査会とデジタル社会推進本部が2月に発足。共同座長は加藤氏と平井卓也・前デジタル担当相が務める。これまで5回開催し、関係省庁や医療関係団体、ベンダー

第3期特定保健指導の見直しでの初回面接の実施率は4.1%(4月12日)

厚労省は4月12日の「第4期特定健診・特定保健指導の見直しに関する検討会」の「効率的・効果的な実施方法等に関するワーキンググループ」で、第3期特定保健指導の見直しの実施状況について報告した。 特定健診当日に初回面接を開始する分割実施については4.1%の人にしか実施していないことがわかった。 第3期特定健康診査等実施計画(2018年度~2023年度)では、実施率の向上を目指し特定保健指導について、特定健診当日に初回面接を開始するために健診結果が揃わない場合でも初回面接の分割

厚労省のヤングケアラー調査 小学6年生の6.5%が「家族の世話」(4月7日)

厚労省は4月7日、令和3年度ヤングケアラーの実態に関する調査結果を公表した。 令和3年度子ども・子育て支援推進調査研究事業において、小学6年生9,759人と大学3年生9,679人を対象に初の実態調査を行った結果、小学6年生の6.5%と大学3年生の6.2%が、「世話をしている家族がいる」と回答した。 世話を必要としている家族については、小学6年生は「きょうだい」が71.0%と最も多く、次いで「母親」19.8%、「父親」13.2%、「祖母」10.3%、「祖父」5.5%の順とな

東京都練馬区における「看取り死」の状況(中村秀一)

練馬区在宅療養推進協議会に参加して2020年から東京都練馬区在宅療養推進協議会の会長を、大学の同僚であった武藤正樹教授から引き継ぐ形で務めている。区内の医療・介護関係者、学識経験者及び区の担当部長(2名)からなる18名の委員で構成され、高齢者等が安心して療養できる体制の構築に向けて協議している。 就任以来、すべてオンラインでの会議を余儀なくされているが、毎回活発な意見交換がなされている。 最近、NHKのテレビのスポットで練馬区の薬剤師の自宅療養中の感染患者に薬を届ける姿が紹

国産ワクチン開発の司令塔SCARDAが戦略推進会合(4月4日)

国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)内にワクチン開発の司令塔として設置された先進的研究開発戦略センター(SCARDA・スカーダ)が4月4日、初めて戦略推進会合を開催した。 出席した内閣府の大野敬太郎副大臣は、「経済安全保障の観点からも国産ワクチンの実用化を成し遂げなければならない」と述べ、政府一丸となってSCARDAのワクチン開発を支援する考えを示した。 SCARDAは、3月22日にAMED内に設置された組織。 新型コロナワクチンの開発が海外諸国に比べて国内