マガジンのカバー画像

社会保険旬報 Web医療と介護

3,276
医療・介護の制度動向を中心に「確かな」ニュースや読み物を提供。メール会員には週1回新着記事の見出しをお届けします。
運営しているクリエイター

2021年12月の記事一覧

厚労省予算案は33兆5160億円で過去最高を更新(12月24日)

政府は24日、令和4年度予算案を閣議決定した。厚労省予算案は33兆5160億円で令和3年度から1.1%増加し、過去最高を更新した。大部分を占める社会保障関係費は33兆1833億円で同1.2%増。社会保障関係費のうち、最も金額が大きいのは年金の12兆6857億円、次いで医療の12兆1903億円、福祉等の4兆6224億円、介護の3兆6003億円となっている。 厚労省予算案の重点事項は4本柱で、それぞれ①コロナの経験を踏まえた保健・医療・介護②成長と分配の好循環の実現③子供を

介護職員の収入月額9000円アップで補助金案(12月24日)

厚労省は24日、社会保障審議会の介護給付費分科会に、介護職員を対象に収入を月額9000円相当引き上げるための、介護職員処遇改善支援補助金案について報告した。 同補助金の対象期間は令和4年2月~9月で、対象介護事業所の介護職員(常勤換算)1人あたり月額平均9000円の賃金引上げに相当する額が支給される。支給額は、各事業所の総報酬に、同日に案が示された交付率を乗じた額となる。 取得要件は、処遇改善加算Ⅰ~Ⅲのいずれかを取得している事業所で、令和4年2月・3月から実際に賃上げを

令和4年度保険医療材料制度改革の骨子を了承 プログラム医療機器の保険適用遅延の防止策を検討(12月22日)

中医協総会は12月22日、保険医療材料専門部会がまとめた令和4年度保険医療材料制度改革の骨子案の報告を受け、了承した。 プログラム医療機器については、製造販売業者から保険適用の希望があった場合、保険医療材料等専門組織で製品の特性を踏まえ評価する方向。 今月、保険適用の予定日になってもプログラムの開発が完了せず、保険適用が保留となった「オンコタイプ DX 乳がん再発スコアプログラム」の事案を踏まえて、プログラム医療機器の保険適用遅延の再発防止策を検討する方針も示された。

医療保険部会が後期高齢者の窓口負担2割や改定率などを議論(12月23日)

社会保障審議会の医療保険部会は12月23日、後期高齢者の窓口負担2割の導入や診療報酬改定率などの大臣折衝の結果、公的価格評価検討委員会の中間整理、オンライン資格確認等システムの導入状況について報告を受けて議論した。 「2割負担」導入 丁寧な周知が必要後期高齢者の窓口負担2割の導入時期が想定上最速の来年10月になったことに対し、健保連や協会けんぽの代表は評価する一方、さらなる改革に向けた議論や医療費適正化の取り組みを求めた。実施に向けては、多くの委員から丁寧な周知・広報が必要

日医中川会長が診療報酬改定プラス0.43%を評価(12月22日)

日本医師会の中川俊男会長は12月22日の会見で、同日の大臣折衝で決定した令和4年度診療報酬の0.43%のプラス改定について評価した。 中川会長は、「改定率については必ずしも満足するものではないが、厳しい国家財政のなかでプラス改定になったことを率直に評価したい」と述べた。 リフィル処方箋の導入と活用促進が盛り込まれた点については、「日医は不適切な長期処方は是正していかなければならないという認識。問題点は一貫して主張したい。中医協の議論で収れんしていくことを期待している」とし

オンライン診療、オンライン資格確認の診療報酬での評価を議論(12月22日)

中医協総会は12月22日、オンライン診療やオンライン資格確認の評価について議論した。 支払側からは、オンライン診療を普及させるため、対面診療とオンライン診療の評価の差を縮めることを求める意見が出された。他方、診療側からは、対面診療が原則であり、オンライン診療はあくまで対面診療を補完するもので、対面とオンラインの診療を同等に評価すべきではないとの意見が出された。 現行のオンライン診療料(71点)は施設基準で、再診料・オンライン診療料の算定回数に占めるオンライン診療料の割合を

中医協が令和4年度薬価制度改革の骨子を了承 年間1500億円超の高額医薬品は総会で議論へ(12月22日)

中医協総会は12月22日、令和4年度薬価制度改革の骨子を了承した。高額医薬品への対応として、年間1500億円の市場規模を超えると見込まれる品目が今後承認された場合に、通常の薬価算定の手続きに先立ち、直ちに中医協総会に報告して、薬価算定方法の議論を行うこととした。 また、革新的な医薬品を評価するため、新薬創出加算の対象外の既収載品について、新規収載時であれば有用性加算等に相当する効能・効果等が追加された場合には、一定の要件を付した上で新薬創出加算の対象とすることとした。 コ

公的価格評価検討委員会が中間整理を岸田総理に提出(12月22日)

政府の全世代型社会保障構築会議の下にある公的価格評価検討委員会の増田寬也座長は12月22日、岸田文雄総理に中間整理を手渡した。看護職員、介護・障害福祉職員、保育士等・幼稚園教諭を対象に収入を引上げる措置の考え方について、方向性を示した。 20日に国会で成立した経済対策での措置を踏まえ、令和4年度診療報酬改定により、地域でコロナ医療など一定の役割を担う医療機関に勤務する看護職員の収入を3%程度引き上げるべきと明記した。また、すべての看護師のキャリアアップに伴う処遇改善のあり方

診療報酬改定率はプラス0.43%で決着(12月22日)

後藤茂之厚労相は12月22日、令和4年度診療報酬改定の大臣折衝の結果を報告した。改定率は0.43%のプラス改定となった。国費300億円に相当する。 0.43%のうち、看護の処遇改善のための特例的な対応でプラス0.20%分、不妊治療の保険適用のための特例的な対応で0.20%分の財源を使う。あわせて、反復利用できる処方箋であるリフィル処方箋の導入による医療費抑制効果がマイナス0.10%、小児の感染防止対策の医科分の加算措置の廃止でマイナス0.10%を見込み、これらを除いた改定率

令和元年の健康寿命は男性72.68歳、女性75.38歳と延伸(12月20日)

厚労省は12月20日開催の「第16 回健康日本21(第二次)推進専門委員会」において、令和元年の健康寿命の最新値を公表した。男性は72.68 年で前回平成28年度調査から+0.54 年、女性は75.38 年で前回から+0.59 年となり、いずれも前回より延伸した。 都道府県別では、男性は大分県(73.72歳)、山梨県(73.57歳)、埼玉県(73.48歳)の順に、女性は三重県(77.58歳)、山梨県(76.74歳)、宮崎県(76.71歳)の順に高かった。 令和5年度末

医療情報システムの安全管理ガイドラインを改訂へ(12月17日)

ランサムウェアの攻撃を受けて院内の電子カルテを使用できなくなるなど、病院に対するサイバー攻撃が多様化・巧妙化していることを受け、厚労省は「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」を改訂することとし、12月17日の医療等情報利活用ワーキンググループに改訂の考え方を示して議論を求めた。 現在のガイドラインは、令和3年1月に公表された5・1版。医療のDX化やサイバー攻撃の多様化など社会情勢に対応するために改訂する必要があると判断した。ランサムウェアの被害に対して注意喚起

医療資源重点外来の基準は初診40%以上かつ再診25%以上(12月17日)

厚労省の「外来機能報告等に関するワーキンググループ」は12月17日、外来機能報告等に関する報告書を大筋でまとめた。医療資源を重点的に活用する外来を担う医療機関に関する基準は、外来件数のうち、医療資源重点外来に該当する件数が「初診40%以上かつ再診25%以上」となった。この基準に該当する医療機関は一般病床200床以上の病院の4割に相当する。 紹介率・逆紹介率の水準は「紹介率50%以上かつ逆紹介率40%以上」とした。医療資源重点外来の基準は満たさないが、医療資源重点外来を担う

協会けんぽ、平均保険料率10%据え置きを了承(12月17日)

全国健康保険協会(協会けんぽ)は12月17日の運営委員会で、令和4年度平均保険料率について現行10%に据え置くことで了承した。変更時期は令和4年4月納付分から。次回1月27日の運営委員会で都道府県単位別の保険料率を決定する。 前回11月26日の運営委員会では、中長期的な視点から平均保険料率10%維持を支持する意見がでる一方、4兆円を超える準備金のあり方について加入者への還元策も含めた検討が求められた。 これを受けて、協会事務局は加入者・事業者の目に見える形での保健事業

「重症度、医療・看護必要度」の心電図モニターの管理の削除に懸念の声(12月17日)

日本病院団体協議会は12月17日の代表者会議終了後、会見を開いた。 副議長の小山信彌・日本私立医科大学協会参与は、中医協で「重症度、医療・看護必要度」の見直しの議論が行われており、A項目の「心電図モニターの管理」の削除が選択肢に含まれていることについて、「内科系の急性期病院への影響が大きい。懸念する声が多く出ている」と強調した。一方、特定集中治療室等のB項目は、試算により影響がゼロ%との結果が出ており、削除しても構わないと思う」と述べた。 2020年度の病院の控除対象外