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社会保険旬報 Web医療と介護

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2021年8月の記事一覧

都医が来週から自宅療養者への遠隔診療を開始(8月31日)

東京都医師会の平川博之副会長は8月31日の会見で、「自宅療養者等に対するオンライン診療システムを活用した遠隔診療」事業について、来週から開始する考えを明らかにした。まずは多摩地域の自宅療養者を対象に実施し、都内に拡大していく方針だ。 同事業は、保健所が自宅療養者のうち受診者を選定してURLを送付し、患者はURLでアクセス、オンライン上のバーチャル待合室で待機する。当番医師は登録メールアドレスに通知が来たらアクセスし、待合室の患者を選んで通話ルームで診察する。診療時間は18

都医の尾﨑会長、さらなる医療提供体制確保へ協力要請(8月31日)

東京都医師会の尾﨑治夫会長は8月31日の会見で、新型コロナ感染拡大に対応するための改正感染症法に基づく国・都からの要請を受けて、同24日付けで地区医師会に医療提供体制のさらなる確保に向けた協力要請を行ったことを明らかにした。その上で、「光の見えないなかで、向こう1か月はがんばろうと協力をお願いした。都民・国民のみなさんも昨年の第1波の時を思い返し、もう一度コロナに立ち向かってほしい。私たちも立ち向かう覚悟だ」と訴え、9月中に全力で対応する考えを示した。 行政に対しては

令和4年度から「地域づくり加速化事業」を推進(8月26日)

厚労省は26日、令和4年度予算概算要求を公表した。介護保険関係では新たに「地域づくり加速化事業」に取り組む。また4年度の介護給付費は12兆円を超える見込だ。 老健局を中心とする介護保険関係の令和4年度の概算要求額は3兆5,292億円。3年度当初予算より2.9%(980億円)増加している。 介護給付費は3年度より3.0%(3,557億円)増の12兆2,652億円と見込んでいる。このうち介護給付費負担金は671億円増の2兆2,616億円を、調整交付金は178億円増の6,

要介護認定者、認定率などが過去最高を更新(8月31日)

厚労省は8月31日、令和元年度介護保険事業状況報告を公表した。要介護認定者数及び認定率、サービス受給者数(1か月平均)、給付費、費用額、第1号被保険者1人あたり給付費は過去最高を更新した。 65歳以上の第1号被保険者数は前年度から0.8%増加し3555万人になった。要介護認定者数は1.6%増加し669万人。認定率は0.1ポイント上昇し18.4%。認定者数は平成12年度の制度発足後、一貫して増加している。サービス受給者数も2.3%増加し567万人になった。 給付費は3.

令和5年度医学部定員に診療科を限定した地域枠(8月27日)

医療従事者の需給に関する検討会の「医師需給分科会」は8月27日、令和5年度の医学部定員の考え方を了承した。 5年度の医学部定員は、歯学部振り替え枠を除き、4年度と同じ方法で設定する。歯学部振り替え枠は4年度末で廃止し、その44名分の定員については、医師不足地域でニーズのある診療科に限定した地域枠として活用する方向だ。 医師不足地域でニーズのある診療科としては、総合診療科や内科、救急、小児科などが考えられる。 「感染症や救急の優先枠を設定する方針」などと一部で報道されて

適切なケアマネジメント手法の解説動画が公開される(8月24日)

厚労省は24日、「適切なケアマネジメント手法」の解説動画が公開されたことを自治体や関係団体に連絡した。動画は、「適切なケアマネジメント手法の普及推進に向けた調査研究事業」などに取り組む日本総合研究所が作成したもの。 「適切なケアマネジメント手法」及びその手引きは、日本総合研究所のホームページで入手できる。 適切なケアマネジメント手法の策定に向けた調査研究事業|日本総研 (jri.co.jp) 参考: 「適切なケアマネジメント手法の策定、普及推進に向けた調

モデルナワクチンの一部に異物混入で接種見合わせへ(8月26日)

厚労省は26日、モデルナ社の新型コロナウイルスワクチンの一部のロットで異物混入が指摘されたことから、当該ロットの使用を見合わせると発表した。 対象のロット番号は、「3004667」、「3004734」、「3004956」で、計約163万回接種分にのぼる。これまでに、対象ロットについて安全性上の懸念に関する報告はないとした。 モデルナワクチンの国内流通を手掛ける武田薬品工業によると、特定のロットについて未使用のバイアル内に異物があるという複数の接種会場からの報告があり、モデ

介護サービス事業所の人材の不足感が改善傾向を示す(8月23日)

介護労働安定センターは23日、令和2年度介護労働実態調査結果を公表した。介護サービス事業所の人材の不足感の改善傾向や離職率の低下などが示され、介護労働安定センターの担当者は「処遇改善などの効果が出てきているのではないか」と述べた。 介護サービス事業所の人材の不足感は2年連続で改善し、令和2年度は前年度から4.5ポイント低下して60.8%になった。このうち介護職員の不足感は3.5ポイント低下し66.2%になった。一方、訪問介護員の不足感は前年度から1.1ポイント低下したが、

業界団体がプログラム医療機器のイノベーション評価を提案(8月26日)

中医協の保険医療材料専門部会は8月25日、次期診療報酬改定に向けて日本医療機器産業連合会など業界団体からヒアリングを行った。業界はプログラム医療機器の医療保険上の評価について、イノベーションを評価するよう求めた。 業界は、プログラム医療機器が診断の精度を向上させ、見落とし防止にも貢献できるとして、医療の質や医療技術の均てん化に寄与すると指摘。医療従事者の業務の効率化にも貢献し、医師の働き方改革にもつながるとした。 その上で、プログラム医療機器の診療報酬上の評価軸を検討する

中医協総会が次期改定に向け「入院」を議論(8月25日)

中医協総会は8月25日、令和4年度診療報酬改定に向け、「入院」をテーマに議論を行った。 入院について、日本医師会の城守国斗委員は、「新型コロナの影響で、令和2年度改定の実施の一部が延期されており、新型コロナに対応したさまざまな特例も実施されている。令和2年度改定の検証も難しく、令和2年度改定の手直しが令和4年度改定のミッションとならざるを得ない」と主張した。 これに対し、健保連の幸野庄司委員は、「急性期医療を中心に見直しが急務であることをあえて主張したい。地域医療構想

濃厚接触者の医療従事者は外出自粛の対象外(8月18日)

厚労省は8月18日付けの事務連絡で、新型コロナ感染症患者の濃厚接触者について、医療従事者が医療に従事する場合は、外出の自粛が求められる「不要不急の外出」の対象外とすることを示した。「他の医療従事者による代替が困難」な場合とし、毎日検査し陰性であることの確認などを求める。 最初の8月13日付け事務連絡では、コロナ対策に従事する医療従事者のみとしていたが、日医や病院団体の要望により、改訂した。日医などは、最近の若年者を中心とした感染の急増による影響を訴えていた。介護従事者を対

「コロナ感染急拡大の対応方針がフル回転」迫井局長(8月21日)

厚労省の迫井正深医政局長は8月21日、全日病・岡山学会で講演した。第1波から第5波の新型コロナの状況から、「第5波で急拡大しているが、これまでの感染者数は諸外国に比べ非常に少なく、死亡者数も圧倒的に少ない。明らかに医療体制や社会の協力の影響がある」と述べた。 8月に入り、感染者数が急増し、多くの医療資源を使うことになった。これについて迫井局長は、一般医療と両立できる最大のキャパシティを超える緊急の対応として、5月中に見直した都道府県の対応方針が、「今フル回転している」と説

全日病が岡山学会を完全オンライン方式で開催(8月21日)

全日本病院協会は8月21、22日の両日、「全日本病院学会in岡山」を開催した。最近の新型コロナの感染の急拡大を受け、直前で会場での参集は取りやめ、完全オンライン開催となった。テーマは「コロナ禍での病院経営~持続可能へのチャレンジ~」。新型コロナの病院への影響とあわせ、コロナ禍が収束しても課題として残る人口減少や高齢化にどう対応していくかなどを議論した。 学会長の佐能量雄・全日病理事は、「岡山学会はまさに新型コロナと戦う学会となった」と宣言。日本医師会の中川俊男会長は、「コ

自宅療養中の妊婦に向けて学会が救急要請の目安示す(8月23日)

日本産科婦人科学会と日本産婦人科医会は8月23日、自宅や宿泊施設で療養中の妊婦に向けて、かかりつけの産婦人科医に連絡すべき症状や、救急要請を行う目安を示した。 両学会は、妊娠中は新型コロナウイルスに伴う症状だけでなく、妊娠に関連した異常な症状がないかについて十分に注意することが大切と指摘。性器出血や破水感、頻繁に起こる子宮の張り、胎動の減少、強い腹痛などがあれば、かかりつけの産婦人科医に連絡するよう呼びかけた。 また、妊娠中は赤ちゃんのために95%以上の酸素飽和度が必