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2021年1月の記事一覧

ICT活用の場合の居宅介護支援費を新設──令和3年度介護報酬改定

令和3年度介護報酬改定では、居宅介護支援も大きく見直される。 ICT活用の場合の居宅介護支援費(Ⅱ)を新設し、逓減制が適用される介護支援専門員1人当たりの担当件数を45件以上の部分からと、現行よりも5件引き上げる。 特定事業所加算を拡充し、複数事業所の連携でも算定可能な特定事業所加算(A)を新設する。 看取り期でサービス利用前に利用者が亡くなったケースでも必要なケアマネジメント業務を行い、一定の要件を満たす場合に居宅介護支援費の算定を可能とする。 報酬告示の見

コロナ病床確保「都道府県の医師会・病院団体の協議会立上げを」(1月27日)

日本医師会の中川俊男会長は1月27日の会見で、新型コロナウイルス感染症対策としての医療提供体制の確保やワクチンの接種体制などについて認識を示した。 1月20日に初会合を開いた日医と病院団体による「新型コロナウイルス感染症患者受入病床確保対策会議」の第2回会合について、本日夕方に開催することを明らかにした。第2回会合では、コロナ患者を受け入れる病床確保に向けた具体的な検討に入るとし、「日医からは都道府県医師会および都道府県病院団体による協議会の立上げと、都道府県行政との連携強

令和3年度介護報酬改定の運営基準改正省令が公布される(1月25日)

厚労省は25日、令和3年度介護報酬改定における「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準等の一部を改正する省令」を公布した。令和3年度から施行される。 改正省令は13日に社会保障審議会に諮問し、答申を得たもの。全ての介護サービスを対象とし、高齢者虐待防止対策の実施や感染症・災害が発生した場合の業務継続に向けた計画の策定を義務付ける(いずれも3年の経過措置期間を設ける)。個室ユニット型施設の1ユニットの定員を15人まで可能とする。 関連:介護サービス運営

コロナ回復患者受け入れで診療報酬による新たな支援策(1月22日)

厚労省は1月22日、新型コロナの感染拡大を踏まえ、新型コロナ感染症の回復患者を受け入れる医療機関などに対する診療報酬による新たな支援策を疑義解釈で示した。 新型コロナ感染症から回復した患者の受け入れについて、従来の特例の二類感染症患者入院診療加算の3倍(750点)に加え、救急医療管理加算(950点)を90日まで、入院料に加算して医療機関が算定できるようにする。急性期病院の病床逼迫を受け、後方支援の機能を強化することが狙いだ。 「新型コロナウイルス感染症に係る診療報酬上

施設系サービスの褥瘡・排せつ支援でアウトカム評価を導入──令和3年度介護報酬改定(1月18日)

社会保障審議会(遠藤久夫会長)は1月18日、田村憲久厚生労働大臣から諮問された令和3年度介護報酬改定の報酬告示案について、了承することを答申した。 施設系サービスの主な見直しの概要を紹介する。施設系サービスでは、褥瘡・排せつ支援でアウトカム評価を導入する(介護療養型医療施設を除く)。また口腔衛生管理や栄養ケア・マネジメント、リスクマネジメントの強化を図る。 先に施設系サービス全般や複数サービスに関係する内容を説明した後に、老健施設・介護医療院・介護療養型医療施設・特別

日医と病院団体のコロナ患者受入病床確保対策会議が初会合(1月20)

日本医師会と病院団体の新型コロナウイルス感染症患者受入病床確保対策会議の初会合が、1月20日に開催された。同日は意見交換を行い、今後、複数回開催し、一定の結論をまとめる。 日医の中川俊男会長は、「公立・公的・民間を問わず、協力して病床確保に努力することで一致した」との姿勢を強調した。一方で、民間病院がコロナ患者の受入れに積極的でないとの指摘がある。これに関し、猪口雄二副会長は、「急性期の同じ規模の大病院であれば、民間も同じようにコロナ患者を受け入れている。ただ、例えばリハ

3年度介護報酬改定を評価「尊厳の保障と自立支援に踏み出す」(1月20日)

日本医師会の江澤和彦常任理事は1 月20日の会見で、同18日の社会保障審議会で諮問・答申された令和3年度介護報酬改定について「全体として尊厳の保障と自立支援という介護保険の2大目的に向け、新たに着実に一歩踏み出した改定である」と評価した。 介護報酬の改定率プラス0.70%については、「プラス改定の増額分はすべて基本報酬に導入されている。コロナ禍において少しでも経営基盤を強くすることを目的にしたものだと判断しており、我々としてコロナ禍でのプラス改定は感謝の気持ちで受け止

中川会長、特措法・感染症法改正の罰則規定「悪質な場合のみ適用を」(1月20日)

日本医師会の中川俊男会長は1月20日の会見で、今国会に提出される新型コロナウイルス感染症対策の特別措置法と感染症法の改正法案について見解を示した。 今回の特措法と感染症法等の改正案について、「国と地方自治体の役割と権限の強化がなされており、コロナ対策の着実な取り組みを推進するために評価する。しかし、罰則規定は国民の主権制約を伴う措置も含むため、ていねいな説明の上で従わない、悪質な場合のみに適用するものであり、謙抑的に運用すべきだ」と述べた。 感染症法に基づく医療関係者

令和3年度介護報酬改定について諮問・答申(1月18日)

社会保障審議会介護給付費分科会(田中滋分科会長)は1月18日、田村憲久厚生労働大臣から社保審に諮問があった令和3年度介護報酬改定の報酬告示案を了承した。社保審としても同日、田村厚労大臣に答申した。告示案に対する1か月の意見公募が行われた後、報酬告示は3月を目途に公布される方向だ。なお13日に運営基準等の省令改正案は答申されており、今月下旬に公布される予定だ。 改定では、新型コロナウイルス感染症に対応する特例的な評価として、全介護サービスの基本報酬について4月から9月末まで0

介護・看護関係8団体が新型コロナワクチンの接種で菅首相に要望(1月14日)

介護・看護関係8団体は14日、新型コロナウイルス感染症に係るワクチン接種について菅義偉首相に要望書を提出した。政府が示している新型コロナのワクチン接種の順位に関する案では、新型コロナ患者に直接医療を提供する施設の医療従事者等並びに、高齢者及び基礎疾患を有する者を上位に位置付け、次に「高齢者施設等の従事者」としている。この中に在宅系サービスの介護事業所従事者が含まれていないことから対象に含めるよう求めた。 要望書を出したのは、▽全国老人福祉施設協議会▽全国老人保健施設協会▽

中医協が不妊治療の保険適用に向けて議論(1月13日)

中医協・総会は1月13日、不妊治療の保険適用をめぐり議論を行った。菅義偉内閣は9月16日閣議決定の基本方針で、不妊治療の保険適用を実現する方針を決めている。これを踏まえ、社会保障審議会・医療保険部会は、「議論の整理」をまとめ、令和4年度当初からの保険適用の実現と工程表に沿って中医協で議論を進めることを求めている状況だ。 今後、中医協で、様々な治療技術がある中での保険適用の具体的な論点の議論が始まるが、学会がガイドラインをまとめるのが夏頃であるため、本格的な議論は秋以降にな

厚労省が医療経済実態調査で単月調査の追加を提案(1月13日)

厚労省は1月13日の中医協・調査実施小委員会に令和4年度診療報酬改定の参考資料となる医療経済実態調査の実施案を示した。 通常の方法だと令和2年度改定の影響を把握するため、令和元年度と令和2年度の2カ年の事業年度データを用いる。しかし、今回はコロナの影響で医療機関の医業収益が減少しており、単純に2カ年の事業年度データを比較しても、令和2年度改定の影響を把握することは困難だ。このため、コロナの影響が小さな月単位のデータを追加する。厚労省は実施可能な最も後の月は今年6月であると

訪問介護事業所が2年連続で減少(1月13日)

厚労省は13日、令和元年の介護サービス施設・事業所調査結果を公表した。毎年10月1日現在の状況を調査しているもので、訪問介護は前年よりも0.8%(286事業所)減少し3万4825事業所になった。前年比での減少は2年連続。ちなみに平成30年は前年比で0.6%(200事業所)減少し3万5111事業所になった。介護現場ではヘルパーの高齢化とともに、確保難が指摘されている。 現状に対して厚労省は訪問介護のヘルパー確保に向けて力を入れる一方、「訪問系サービス全体で必要なサービスは確保

電子処方箋の運用に年間9.8億円ー医療保険部会に試算示す(1月14日)

社会保障審議会医療保険部会は1月13日、データヘルス改革の進捗状況を確認した。厚労省がデータヘルス集中改革プランのひとつとして進める「全国で医療情報を確認できる仕組み」について、令和7年度以降の運用コストは年間で約1.5億円になる試算が示された。 現在の仕組みでは、患者は医療機関・薬局に見せる情報を選択することができず、一括で情報の閲覧に同意するか不同意のいずれかを選ぶ。これに対し、日本医師会の松原謙二委員は、「一律に情報を出すというのは理解できない」と問題提起した。精神