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社会保険旬報 Web医療と介護

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2020年12月の記事一覧

薬価算定組織などの委員名簿や議事録を公開(12月23日)

中医協総会は12月23日、薬価や保険医療材料価格について非公開で検討を行っている薬価算定組織、保険医療材料等専門組織、費用対効果評価専門組織の3組織の委員名簿や利益相反の申告状況、議事録を厚労省のホームページで公開することを了承した。 11月15日の行政事業レビューで公開を求める指摘が出ていた。 委員名簿は令和3年1月から、利益相反の申告状況は令和3年2月以降に開催する会議から公開する。議事録については、企業秘密に関わる部分のマスキングなど一定の検討を行った上での実

マンモグラフィーでの医師の立ち合いを不要に(12月25日)

社会保障審議会・医療部会は12月25日、乳がんの集団検診(マンモグラフィー)で診療放射線技師が乳房エックス線検査をする際に、医師の立ち合いを不要とすることを了承した。乳がん検診では、かつては視診・触診が含まれていたが、平成28年以降の指針では推奨していない。このため、胸部エックス線検査と同様に、立ち合いは必要ないと医療部会で判断された。 また、各検討会等がまとめた「新型コロナウイルス感染症対応を踏まえた今後の医療提供体制に向けた考え方」、「外来機能の明確化・連携、かかりつ

日医が診療報酬上の特例対応を評価(12月23日)

日本医師会の松本吉郎常任理事は12月23日の会見で、令和3年度薬価改定については遺憾の意を表明する一方、薬価改定財源の一部を活用した診療報酬上の特例的な対応を評価した。 12月17日の厚労相と財務相の大臣折衝で決定した初の中間年の薬価改定については、「大規模な薬価改定とされたことは医療提供者側としては誠に遺憾で、医療現場へのさらなるダメージが大変懸念される。国民負担軽減の観点は理解できるが、いま最優先すべきは新型コロナに直接対峙している医療機関やそれを面で支える地域の医療

介護サービス従事者による高齢者虐待が13年連続で増加(12月22日)

厚労省は22日、高齢者虐待防止法に基づく令和元年度の調査結果を公表した。 介護サービス事業所・施設の従事者による高齢者虐待の件数が644件で過去最多になり、13年連続で増加した。相談・通報件数も2267件で過去最多であり、10年連続で増加。虐待が発生したサービス種別では、特養が190件(29.5%)で最も多く、次いで有料老人ホーム178件(27.6%)など。 虐待による死亡事例は4件(4人)で、昨年度から3件(3人)増加した。 また家族等による虐待数は1万6928件

都医の尾﨑会長、医療体制守るために「真剣勝負の3週間」(12月22日)

東京都医師会の尾﨑治夫会長は12月22日の緊急会見で、新型コロナウイルス感染症の新規感染者が急増していることについて見解を表明した。 これからの年末年始にかけてを「真剣勝負の3週間」と位置づけ、「医療提供体制を守り抜くためには、この3週間がラストチャンスだ。新型コロナの対応や通常診療、特に救急患者を救える命を救う体制を維持するため、一人ひとりが感染を減らす行動を改めて考えて実行してほしい」と述べ、改めて感染予防対策の徹底を求めた。 国民・都民に対しては、「特に注意が必

来年度の専門医研修の第一次募集の結果を報告(12月21日)

日本専門医機構は12月21日に会見を開き、寺本民生理事長が来年度の専門医研修の第一次募集を結果を報告した。内定者は8417名でプログラム制が8311人、カリキュラム制が106人。数字は今後動く可能性があるとしている。 プログラムの種類では、現時点で通常プログラムが7988人、連携プログラムが327人、精神保健指定医が5人、臨床研究医コースが26名となっている。 二次募集は近く締め切られる。寺本理事長は、「一次、二次をあわせて9千名を超えるぐらいで最近の傾向どおり。臨床

日本医師会など9団体が「医療緊急事態宣言」(12月21日)

日本医師会など医療関係9団体は12月21日、合同で記者会見を行い、コロナの感染拡大が続いていることを踏まえ、「医療緊急事態宣言」を発した。「医療崩壊を防ぐために最も重要なのは、新たな感染者を 増やさないこと」と強調。国民に感染拡大を 防止する行動を期待するとともに3項目を宣言した。 宣言では、①国や自治体に国民への啓発並びに医療現場の支援のための適切な施策を要請するとともに、②地域の医療及び介護提供体制を守り抜く決意を表明、③国民に引き続き徹底した感染防止対策をとることを

厚労省予算案の社会保障関係費は32兆7928億円(12月21日)

政府は12月21日、令和3年度予算案を閣議決定した。 同日の厚労省の説明によると、厚労省予算案は33兆1380億円。大部分を占める社会保障関係費は32兆7928億円、対前年度比で1609億円の伸びとなった(0.5%増)。 ただ、コロナの影響による医療費減を▲2000億円見込んでいるため、実質的な伸びは3500億円程度である。それでも例年の社会保障関係費の伸びと比べれば低い。 社会保障関係費が抑制された最も大きな要因は薬価の引下げで▲1000億円。薬価ベースでは▲43

医療保険部会で後期高齢者2割負担の対象範囲に意見(12月17日)

社会保障審議会医療保険部会は12月17日、「議論の整理」案を議論した。 政府の全世代型社会保障検討会議が窓口負担2割への引き上げの対象範囲を「課税所得28万円以上かつ年収200万円以上(単身世帯の場合)」に決定したことについて、「対象範囲は不十分で、さらに拡大すべき」との意見が健保連の佐野雅宏委員など複数の委員から出された。 他方、「現役世代の負担を減らし高齢者の負担を増やすコストシフティングの手法を続けるのは不可能」(日本慢性期医療協会・池端幸彦委員)との意見も出さ

感染症・災害での通所介護等における報酬の特例が固まる─介護給付費分科会が令和3年度介護報酬改定に関する審議報告案を概ね了承(12月18日)

社会保障審議会介護給付費分科会(田中滋分科会長)は12月18日、令和3年度介護報酬改定に関する審議報告案について、概ね了承した。 審議報告案では、前回12月9日の分科会で検討された▽感染症・災害対応のための通所介護等の特例措置と▽見守り機器等を導入した場合の夜勤職員配置加算の見直し等について、厚労省は一部を修正して提示した。 感染症等対応の報酬での評価に大規模型通所介護等を対象にすることや、見守り機器等を導入した場合の夜勤職員配置加算の対象サービスの拡大は取りやめること

令和3年度介護報酬改定の改定率は+0.70%(12月17日)

田村憲久厚生労働大臣と麻生太郎財務大臣の折衝が17日に行われ、令和3年度介護報酬改定の改定率が+0.70%(国費196億円)に決まった。 新型コロナウイルス感染症に対応するため、かかり増し経費が必要になること等を踏まえ、令和3年4月から9月末までの間、0.70%のうち0.05%相当分により、報酬における特例的な評価を行う。評価方法の詳細は今後、検討する。10月以降はこの特例を延長しないことを基本としつつ、感染状況等を踏まえ必要に応じて柔軟に対応する。 また大臣折衝では

薬価改定の削減額は▲4300億円、診療報酬は引上げ(12月17日)

麻生太郎財務相と田村憲久厚労相の折衝が17日に行われ、令和3年度予算案の主要事項が決着した。初の薬価中間年改定の対象品目は、平均乖離率の0.625倍(乖離率5%)を超える範囲とした。ただ、薬価の削減幅は調整幅2%分に加え、コロナの影響の配慮として、0.8%分緩和する。これによる薬剤費の削減額は▲4300億円(国費▲1,000億円)。全体の品目数に対する割合は69%。 一方、診療報酬は引き上げる。感染予防策を講じた一般診療において、医科・歯科の外来で5点、医科・歯科の入院(

全世代型改革の方針「日医の意見を踏まえたものに」(12月16日)

日本医師会の中川俊男会長は12月16日の会見で、同15日に閣議決定された「全世代型社会保障改革の方針」について「日医の意見を踏まえたものとなった」と評価した。 後期高齢者の窓口負担割合では、「日医としては、できるだけ2割負担となる対象範囲をせばめるよう求めてきた。われわれの思いとは少し離れているものの、高齢者の負担に配慮した仕組みになるよう、引き続き要望していきたい。具体的には多くの疾患を持つ高齢者の受診が費用負担の面から抑制されることのないように工夫してほしい」と述べた

令和2年度第三次補正予算案を閣議決定(12月15日)

政府は15日の臨時閣議で、令和2年度第三次補正予算案を決定した。 厚労省分は4兆7330億円。コロナ感染症緊急包括支援交付金の増額では1兆1763億円を計上した。引続きコロナ患者の病床確保を支援し、軽症者の宿泊療養施設を確保する。 補正予算案は3本柱で構成。①コロナの拡大防止策(厚労省分で2兆5484億円)②ポストコロナに向けた経済構造の転換・好循環の実現(同2兆1310億円)③防災・減災、国土強靱化の推進など安全・安心の確保(同535億円)となっている。 コロナの拡大