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2020年11月の記事一覧

産科補償制度見直し検討会が報告書案を了承(11月30日)

日本医療機能評価機構の産科医療補償制度の見直しに関する検討会は11月30日、補償対象基準や保険料水準などの見直しを盛り込んだ報告書案について了承した。座長預かりとなり、一部修正の上で公表する。制度見直しは2022年1月から実施される見通し。 同制度は2009年1月に創設され、2015年に補償対象となる脳性麻痺の基準や剰余金の取り扱いなどを改定。前回改定から5年経ったため、見直しを行った。 補償対象基準については現在、低酸素状況を要件としている個別審査を廃止し、一般審査に統

2021年8月施行!地域連携薬局・専門医療機関連携薬局の認定要件とは

令和元(2019)年11月、薬機法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)が改正されました。 これに伴って、令和3(2021)年8月からは「機能別の薬局の認定制度」が始まります。 この制度は、特定の機能をもつ薬局が、都道府県知事の認定を受けて、それぞれの機能を名乗ることができるものです。 自局の果たす役割を地域に宣言できる制度として多くの薬局がこの制度を活用すれば、今後、患者や地域住民に広く浸透していく可能性があります。 本稿ではこれら認定された薬局

後期高齢者医療の窓口負担2割への引上げで意見分かれる(11月26日)

社保審・医療保険部会は26日、前回に引続き75歳以上の医療の窓口負担2割への引上げや、大病院の受診時定額負担の対象拡大に向けた議論を行った。 窓口負担引上げについて、保険者や経営者側の委員が、厚労省案で最も対象範囲が広くなる選択肢(後期高齢者の44%が該当)では不十分で、高額療養費の一般区分の者(後期高齢者の52%が該当)をすべて2割負担とすることを主張した。日本医師会などの委員は、引上げ自体に難色を示した。 また、育児休業の保険料免除について、不適切事例に対応するため

CHASE活用の評価対象に居住系サービスも明示(11月26日)

厚労省は11月26日、令和3年度の介護報酬改定に向けて検討を続けている社会保障審議会介護給付費分科会(田中滋分科会長)に、各サービスの横断的な事項や介護保険施設・居宅介護支援に関してさらなる議論を求めた。 横断的な事項の1つの「自立支援・重度化防止の推進」に関して、令和3年度以降に一体的に運用する予定のCHASE・VISITを活用する場合の評価の在り方や加算等について、これまでの議論を踏まえ、さらに詳細を示した。 CHASE・VISITへのデータ提出とフィードバックの活用に

地域医療構想が目指す病床必要量は現状どおり(11月25日)

厚労省の地域医療構想に関するワーキンググループは25日、コロナなど新興感染症等への備えは医療計画などで対応しつつ、人口減少・高齢化の中で持続可能な医療提供体制を構築するための医療構想は、着実に進めていく必要があるとの方針を確認した。 感染症など有事の際には、短期的に医療需要が増大するが、地域医療構想が前提とする将来の人口動態を踏まえた病床必要量の推計は現状どおりとする。診療実績の乏しい公立公的病院の再編統合の再検証など地域医療構想調整会議の議論の活性化を国が支援し、後押しす

四病協が「人の移動」の自粛を求める(11月25日)

四病院団体協議会の総合部会が25日に開かれ、終了後の会見で日本病院会の相澤孝夫会長は、コロナの感染拡大の状況に危機感を表明。「人の移動が明らかに感染を拡大させている。是非止めるような対応を講じてほしい」と政府に訴えた。「感染拡大の地域では、コロナ対応の病院の病床が埋まりつつある。医療崩壊が起こりかねない由々しき事態だ」と述べた。 また、コロナの緊急包括支援交付金の交付状況等の調査結果を発表した。四病協に加入する病院のうち、1828病院の状況を集計。10月31日時点の重点医療

75歳以上の窓口負担2割への引上げを全社会議が議論(11月24日)

全世代型社会保障検討会議は24日、年内の最終報告に向け、75歳以上の医療の窓口負担2割への引上げや、大病院の外来受診時定額負担の対象拡大をめぐり議論を行った。窓口負担引上げでは、少なくとも3人の構成員が、厚労省案のうち最も対象範囲が広くなる選択肢(後期高齢者の44%が該当)に賛意を示した。 高額療養費の一般区分の者をすべて2割負担とする健保連の提案(後期高齢者の52%が該当)に賛成する構成員も3人いた。現役世代の負担増の軽減につなげる観点の意見を述べる構成員が多かった。

専門医研修の第一次募集状況を報告(11月24日)

日本専門医機構の寺本民生理事長は11月24日、令和3年度の専攻医研修の1次募集の状況を報告した。8908人が登録され、うち8715人が19の各基本診療領域のプログラムに応募した。 プログラムへの応募で、プログラム制は8590人、カリキュラム制は125人だった。昨年の1次募集と比べ、耳鼻咽喉科や小児科、総合診療などでは、応募が減少している。外科や放射線科、精神科などでは増加した。 また、基本診療領域のダブルボード(複数の専門医資格の取得)の対応方針が示された。令和3年度から

介護関係4団体が令和3年度介護報酬改定のプラス改定を菅首相に要望(11月18日)

全国老人福祉施設協議会(平石朗会長)など介護関係4団体は11月18日、令和3年度介護報酬改定でプラス改定を実現することやPCR検査の更なる充実を求める要望書を、菅義偉首相や田村憲久厚労大臣に提出した。 要望書のタイトルは、「ポストコロナの未来を拓く 高齢者福祉・介護業界への支援について」。提出したのは、全国老施協及び全国老人保健施設協会(東憲太郎会長)、日本認知症グループホーム協会(河崎茂子会長)、日本福祉用具供給協会(小野木孝仁会長)の4団体。 要望書では、今般の新型コ

外来機能報告制度を創設し紹介患者を基本とする病院を位置付け(11月19日)

厚労省は19日の医療計画の見直し等に関する検討会に、「医療資源を重点的に活用する外来」を担う病院・有床診療所を明確化するための外来機能報告制度を創設する案を示した。厚労省案に対し概ね異論はなく、近く議論の整理としてまとめる。 診療所も対象に含めるべきとの意見が出ていたが、紹介患者を基本とする病院等を明確化するのが当面の目的であることなどから、義務ではなく任意とした。 報告される外来機能は、国が示す基準により「医療資源を重点的に活用する外来」であるかが判断される。そのような

日医が推計、令和2年度医療費は2.7兆円の減少(11月22日)

日本医師会の松本吉郎常任理事は11月22日、岐阜市で開かれた中部医師会連合委員総会の社会保険特別委員会で講演した。令和2年度の医療費が前年度よりも2.7兆円減少するとの推計を明らかにした。 中医協委員でもある松本常任理事は、診療報酬に関する最近の中央情勢をテーマに講演。 紹介状なしで病院を受診した際の定額負担の対象を200床以上の一般病院まで拡大する案については、「地域の病院はケアミックス型も多く、決して一般の急性期だけを扱っているのではない。拡大すると地域でよろしくない

オンライン資格確認のための病院・薬局のレセコン改修費 国が全額補助(11月17日)

田村憲久厚生労働大臣は11月17日の閣議後会見で、オンライン資格確認の導入を促進するため、医療機関等の導入費用を全額支援する方針を発表した。令和3年3月末までに顔認証付きカードリーダーを申し込んだ医療機関・薬局等を対象に、パソコンの購入費やレセコン改修などの費用について一定の補助上限まで全額、支援する。 田村大臣は、「11月8日時点で導入予定機関がまだ16.9%であり、コロナ禍もあって医療機関等が財政的に厳しいということもある。そこで、新たに一定の補助上限まで、10分の10

後期高齢者の窓口負担2割に引き上げる範囲で5案―医療保険部会(11月20日)

厚生労働省は11月19日の社会保障審議会・医療保険部会に、窓口負担を1割から2割に引き上げる後期高齢者の範囲の選択肢を5案示した。健保連など被用者保険者団体は後期高齢者の約半数にあたる高額療養費制度の「一般区分」全体を2割負担とするよう求めていたが、5案には入らなかった。 厚労省は、窓口負担が急増するのを抑えるため、2年間は外来自己負担の増加額を最大で4500円までに抑える方針も示した。 委員の意見は、5案で分かれた。コロナ禍を理由に、2割への引き上げの凍結を求める意見も

短期入所生活介護の利用者が減少(11月18日)

厚労省は18日、令和元年度介護給付費等実態統計結果を公表した。令和元年5月から令和2年4月の審査分までを取りまとめたもの。ショートステイの利用者数の変動が目立った。短期入所生活介護の年間実受給者数は平成30年度と比べて1.6%(1万1600人)減少し72万7500人になった。また老健による短期入所療養介護も0.3%(400人)減少し14万7100人になった。 他方、病院等による短期入所療養介護では17.9%(900人)減少し4万3千人になる一方、介護医療院による短期入所療養