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2020年8月の記事一覧

医学部入学定員の臨時定員枠を2022年度も維持(8月31日)

厚労省の「医療従事者の需給に関する検討会・医師需給分科会」は8月31日、大学の医学部入学定員の臨時定員枠を2022年度も維持することを了承した。 これまでの議論では、2022年度以降、臨時定員枠の削減を検討する予定としていたが、新型コロナの影響で十分な議論が行えなかったため、2023年度以降の課題とする。 ただし、2022年度から医学部の恒久定員内に、地域枠を設定することを都道府県と大学に働きかける。

「お薬手帳」の活用を薬機法施行規則で規定 所持勧奨を義務付け(8月31日)

厚生労働省は8月31日、薬機法施行規則を改正した(令和2年厚生労働省令第155号)。 本改正により、健康保険法の診療報酬に基づく「お薬手帳」について、薬機法に基づく服薬指導等においても活用する旨が新たに規定された。 改正された施行規則では、手帳(お薬手帳)の機能について、「当該薬剤を使用しようとする者が患者の薬剤服用歴その他の情報を一元的かつ経時的に管理できる手帳」と規定。 その上で、薬局開設者の義務として、「手帳を所持しない場合はその所持を勧奨」し、必要に応じ、「当

コロナの影響で3月の医療費は1.2%減少、令和元年度全体では+2.4%――厚労省が概算医療費を発表(8月28日)

厚生労働省は8月28日、令和元年度の概算医療費を発表した。令和元年度の医療費は43兆6千億円となり、高齢化や医療の高度化などの影響で、前年度に比べて2.4%増加した。1日当たり医療費は3.2%伸び、受診延べ日数は▲0.8%だった。 厚労省は同日、令和2年3月の概算医療費も発表した。新型コロナウイルス感染症拡大により患者の受診控えが生じた影響で、3月の医療費の前年同月比は▲1.2%だった。とくに、小学生未満の子どもの医療費の減少が著しく、前年同月比は▲16.1%となった。

医師の働き方改革の議論は年内にとりまとめ(8月28日)

厚労省の「医師の働き方の推進に関する検討会」は28日、5か月ぶりに議論を再開した。当初、2024年度からの医師の時間外労働規制の施行に向け、今年の通常国会に法案を提出する予定だったが、新型コロナの影響もあり、議論が止まっていた。今回、厚労省は年内に議論をまとめ、来年の通常国会に法案を提出する方針を示した。ただ、2024年度からの医師の時間外労働規制の施行は変わらないため、制度設計とその準備が急がれる。 同日の検討会では、大学病院で働く医師について、大学病院だけだと時間外労働

日病協の診療報酬実務者会議委員長に医法協の太田副会長(8月28日)

日本病院団体協議会は28日に代表者会議を開いた。診療報酬実務者会議の委員長に、太田圭洋・日本医療法人協会副会長が選出されたことが報告された。前委員長の池端幸彦・日本慢性期医療協会副会長の中医協委員就任に伴うもの。日病協は診療報酬改定における病院の意見の集約を最重要課題としている。 また、厚労省から第二次補正予算で手当てされた病床確保の補助金や慰労金が、多くの都道府県で9月中に医療機関に交付される見通しであることが、厚労省から示されたという。会見した日本病院会の相澤孝夫会長

ユニット型施設の普及促進で基準緩和を検討(8月27日)

社会保障審議会介護給付費分科会(田中滋分科会長)は8月27日、令和3年度介護報酬改定に向けて、①介護医療院②介護療養型医療施設③介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)④介護老人保健施設─の4つについて検討した。 27日の議論を3回に分けて紹介しているが、今回は介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)について取り上げる。 特養の議論では、非公開で実施されていた「個室ユニット型施設の推進に関する検討会」の取りまとめが報告され、ユニット型施設の普及促進が論点として示された。現在1

介護医療院の移行定着支援加算の延長で賛否(8月27日)

社会保障審議会介護給付費分科会(田中滋分科会長)は8月27日、令和3年度介護報酬改定に向けて、①介護医療院②介護療養型医療施設③介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)④介護老人保健施設─の4つについて検討した。 今回の議論の内容を3回に分けて紹介する。まず介護医療院と介護療養型施設について取り上げる。 介護療養型医療施設は令和5年度末に廃止されることが決まっており、その受け皿として平成30年度に創設された介護医療院などへの円滑な移行が大きな課題だ。 移行促進のために3

日医が調剤薬局の経営分析「打撃少なく、財源配分の見直しも」(8月26日)

日本医師会の松本吉郎常任理事は8月26日の会見で、4~6月の調剤薬局等の経営状況の分析を発表した。医科に比べて調剤薬局等は経営的な打撃が少ないとし、次期診療報酬改定での医科・調剤の財源配分の見直しも必要との認識を示した。 調剤薬局大手の日本調剤、ドラッグストアのウエルシアやスギなどの調剤関連事業の売上高(調剤報酬と薬剤料)が前年同期比プラスであったことを指摘した。主要因としてM&Aや新規出店、長期処方とともに、2020年度調剤報酬プラス改定も一部寄与していることをあげた。

令和3年度障害福祉サービス等報酬改定に向け主な論点案を示す(8月27日)

厚労省は8月27日、障害福祉サービス等報酬改定検討チームに、令和3年度障害福祉サービス等報酬改定に向け、「災害や感染症の発生時も含めた支援の継続を見据えた対応」など、6項目の主な論点案を示した。厚労省によると、改定の主な論点として災害や感染症の対応が挙げられるのは初めてのこと。次回会合は9月11日に開催し、個別のサービスの論点の検討に入る予定だ。 「災害や感染症の発生時を含めた支援の継続」も主な論点に 主な論点案としては、関係する46団体のヒアリングで出された意見も踏まえ

介護保険の7月審査分では回復の兆し(8月19日)

国保中央会は19日、介護保険の事業者の支払状況等を公表した。公表したのは、昨年1月審査分から今年7月審査分まで。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、特に5~6月審査分は落ち込んだが、7月審査分では回復しつつある状況がうかがえる。 支払い状況等について、①支払事業所数②明細書件数③保険給付額の動向をみると、①支払事業所数と②明細書件数は、5~6月審査分は前年同月比マイナスになったが、7月審査分ではプラスに回復している。①支払事業所数は、5月審査分▲0.1%、6月審査分▲0.

臨床研究医の募集開始に「丁寧な議論が必要」との指摘(8月26日)

四病院団体協議会は26日に総合部会を開き、最近の医療問題を議論した。日本専門医機構の臨床研究医の募集が9月23日に予定されたことについて、会見した日本病院会の相澤孝夫会長は、「日本の国際的な医学の底力が落ちており、理解はする」と述べつつ、「急に決まった印象でもう少し丁寧な議論が必要だったのではないか」との問題意識を示した。 臨床研究医は、都道府県別・診療科別の募集上限の枠外で募集する。このため地域偏在の懸念がある。初回は40名でスタートするが、段階的に増やしていく方針で、

インフルワクチンの高齢者や医療従事者、妊婦、子どもへの優先接種呼びかけへ(8月26日)

厚生科学審議会の感染症部会は8月26日、高齢者や妊婦、医療従事者などに、インフルエンザワクチンの早期の接種を呼びかける方針を決めた。新型コロナとの同時流行で、今シーズンはワクチンの需要が高まることが想定されるため、それに備えた対応を議論した。 予防接種法に基づく定期接種の対象である◇65歳の高齢者と◇60~64歳の慢性高度心・腎・呼吸器機能不全者―に、10月前半からワクチン接種を開始する。それ以外の人には、10月後半まで接種を待つよう呼びかける。 10月後半から◇

地域医療構想の推進で2回目の重点区域設定(8月25日)

厚労省は25日、地域医療構想の実現に向け、重点支援区域の2回目の選定結果を公表した。 選定は以下のとおり。 重点支援区域に対しては、医療機関の統合や病床数削減に関して、国の助言や支援が行われる。

国保中央会総会で岡﨑会長、原理事長を再選(8月25日)

国民健康保険中央会は8月25日、定期総会を開催し、岡﨑誠也会長(高知県高知市長)と原勝則理事長を再選した。 政府が7月に閣議決定した規制改革実施計画では、令和6年に予定される「国保総合システム」の更改に向け、今年度に審査基準の統一化等の具体的な工程表を作成すると定めている。これを受けて、厚労省は9月2日、「審査支払機能の在り方に関する検討会」の初会合を開催する。 岡崎会長は委員として検討会に参加することを明らかにしたうえで、「国保連合会・国保中央会の事業運営に支障が生