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社会保険旬報 Web医療と介護

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2019年12月の記事一覧

高齢者施設等の虐待件数が12年連続で増加(12月24日)

厚労省は12月24日、高齢者虐待防止法に基づく平成30年度の対応状況等の調査結果を公表した。 高齢者施設従事者等及び家族など養護者による高齢者虐待の相談・通報件数及び虐待判断件数がいずれも過去最高を更新した。特に施設従事者等による虐待判断件数の増加は同法に基づく調査を開始した18年度以来12年連続となった。 施設従事者等による相談・通報件数は、前年度から15.2%(289件)増加し2187件。虐待判断件数は、21.8%(111件)増加し621件となった。また養護者によ

マイナンバーカード確認用端末を支払基金が一括購入へ(12月25日)

厚労省は12月25日の社会保障審議会医療保険部会に、オンライン資格確認の対応案を示した。マイナンバーカードを健康保険証として利用する環境の整備に向けて、支払基金が「顔認証機能付きカードリーダー」を一括して購入し、医療機関に提供する案を提示した。 各医療機関が購入するよりカードリーダーの価格が抑えられ、医療機関の負担が減って普及につながると考えられる。そのため、支払基金の実施する業務に追加規定を設けるため、来年の通常国会で法改正をする方針を示した。 委員から反対はなかった。

特養の待機者が29万2千人(12月25日)

厚労省は12月25日、平成31年4月1日時点における、要介護3~5の特別養護老人ホームの入所申込者(待機者)の状況について公表した。 全体で29万2487人であり、3年前の29万5237人から2750人(0.9%)減少した。 在宅の待機者が減少する一方、他の施設などで特養入所を待つ人が増加した。具体的に在宅の待機者は3年前から7159人(0.7%)減少し11万6065人となった。他の施設などで特養入所を待つ人は3年前から4409人(0.4%)増加し17万6422人となった。

専攻医第一次募集の採用数は8299人(12月23日)

日本専門医機構は12月23日、令和2年度の専門医研修における専攻医第一次募集の採用結果を発表した。 応募者数8613人のうち、採用者数は8299人となった。通常枠が8220人、連携プログラム枠が218人、地域枠が61人となっている。 未採用者には第二次、第三次募集がある。日本専門医機構のIDを取得したにもかかわらず、応募がないのは224人、うち地域枠は35人となっている。 また、同日の会見で寺本民生理事長は、同機構の「専門医養成数に関する検討協議会」の議論の状況を報告。

来年1月の会議でタスク・シフト進める業務を絞り込み(12月25日)

厚労省の「医師の働き方改革を進めるためのタスク・シフト/シェアの推進に関する検討会」は12月25日、医師から臨床検査技師や臨床工学技士など他業種へのタスク・シフトを進めるための議論を行った。 現行制度では実施できないが、①各資格の定義の範囲内②担っている業務の技術的基盤に隣接している③研修などで安全性を担保できる―との要件を満たし、実現性の高い業務を絞る方向で検討した。しかし、様々な分野に議論が及んだため、厚労省が改めて論点を整理し、より優先順位を明確にした資料を1月開催

指導・監査の実施件数は減少傾向(12月19日)

厚労省は12月19日、平成30年度の保険医療機関等の指導・監査の実施状況を発表した。 指導・監査等の実施件数は、個別指導が4724件で前年度比107件増、新規個別指導が5962件で183件減、適時調査が3636件で7件減、監査52件で14件減だった。 取消等の状況は、保険医療機関が24件で4件減、内訳は指定取消14件で1件増、取消前の廃止への指定取消相当が10件で5件減。保険医等が19人で1人増、内訳は登録取消が19人で2人増、取消前の抹消への登録取消相当が0人で1人減

健保連が後期高齢者の2割負担導入の方向性を評価(12月19日)

健保連は12月19日、全世代型社会保障検討会議の中間報告について大塚陸毅会長のコメントを発表した。 後期高齢者の窓口負担について「本会としては低所得者に配慮しつつ原則2割負担を主張してきたところで、今回2割負担導入の方向性を打ち出したことは評価できる。しかし、対象範囲など具体案は今後の議論に委ねられており、財政影響等も踏まえ、現役世代の負担軽減につながるよう引き続き求めていく」とした。 紹介状なしで大病院を外来受診した場合の定額負担の対象を拡大する方針については「病院・診

協会けんぽの2020年度平均保険料率は10%に据え置き(12月20日)

全国健康保険協会の運営委員会は12月20日、2020年度の平均保険料率を10%に据え置くことを決めた。 協会の平成30年度決算は収入が収支を上回り、準備金残高が2兆8521億円となっているが、医療費の伸びは賃金の伸びを上回っているため、今後の財政を中長期的に考え、保険料率維持を決めた。 委員からは、「10%が限界」「準備金の適正な水準について保険料負担者に丁寧に説明し、理解を求めていくべき」などの意見が出た。各支部の評議会の意見は、「保険料率維持」が21支部、「引き下げ

日病協が外来定額負担の拡大に反対(12月25日)

日本病院団体協議会は12月20日、全世代型社会保障検討会議の中間報告が、200床以上の一般病院まで紹介状なしの外来受診時定額負担を拡大することを盛り込んだことについて、「反対する」との認識で一致した。 会見で日本病院会の相澤孝夫会長は、「大病院が対象といいながら、200床以上の一般病院に広げることには非常に異論がある。200床以上の一般病院が大病院という認識はなく、反対したい」と述べた。 診療報酬改定率が本体0.55%増になったことと、「救急病院における勤務医の働き方改革

2年度の薬価制度改革の骨子を了承(12月20日)

中医協は12月20日の総会で、令和2年度の薬価制度改革の骨子を了承した。 同日の薬価専門部会が了承して総会に報告した。たたき台からの変更はない。 新薬創出加算では、先駆け審査指定制度の対象品目、薬剤耐性菌の治療薬を品目要件に加える。 収載後に効能追加が行われた品目のうち、追加の効能で新規作用機序で、新規作用機序医薬品の革新性および有用性に係る基準に該当するものを品目要件に追加する。 品目要件の追加は、2年度改定以降に薬価収載または効能追加されたものに適用する。 類似薬

中医協がオンライン服薬指導を協議(12月20日)

中医協は12月20日の総会で、次期診療報酬改定に向けて横断的事項のICTの利活用のうちオンライン服薬指導を協議した。 改正薬機法が12月に公布され、1年以内に施行される。 実施可能となるオンライン服薬指導は、①オンライン診療時の処方箋に基づく指導②在宅訪問診療時の処方箋に基づく指導―に大別される。 オンライン服薬指導の具体的な要件や実施手順は、同19日から関連省令と関連通知のパブコメが開始されている。 厚労省は論点として、オンライン服薬指導について、薬機法の要件やオンライ

医師数は32万7210人で2.4%増加(12月19日)

厚労省は12月19日、平成30年の医師・歯科医師・薬剤師統計を発表した。 法に基づく届出を行った医師数は32万7210人で、前回の28年調査に比べ7730人、2.4%増加した。歯科医師数は10万4908人で、357人、0.4%の増加、薬剤師数は31万1289人で、9966人、3.3%増加した。 女性の割合は、医師21.9%、歯科医師24.1%、薬剤師61.3%で、いずれも上昇している。 主たる診療科で医師の数をみると、小児科1万7321人で前回調査に比べて384人、

横倉会長が全世代社会保障検討会議の中間報告を評価(12月19日)

日本医師会の横倉義武会長は12月19日の会見で、全世代型社会保障検討会議の中間報告について見解を表明した。 総論では「日医の政府与党への国民医療を守る観点からの提言により、国民皆保険の理念が守られた内容となった」と評価した。 後期高齢者の窓口負担では、一定所得以上の人は2割とし、それ以外の人は1割とした記載に対し、「自民と公明の提言には2割負担の記載はないので、少し踏み込んだ表現ではないか」と述べた。 一方、低所得者への配慮などを求めた日医の趣旨を踏まえてもらったと

自民党介護委員会が介護保険改正提言案を了承(12月19日)

自民党の介護委員会は12月19日、「2040年に向けた地域共生社会実現のための制度改革に関する提言」案について、修文を田村憲久委員長に一任し概ね了承した。 社会福祉制度や介護保険制度の改正に向けたもの。今後、同党厚生労働部会に提出され、制度改正の検討で活用される。 提言は、◇地域共生社会を目指した包括的な支援体制の構築◇社会福祉連携推進法人制度の創設◇介護予防・地域づくりの推進◇介護関連データの利活用◇地域特性等に応じた介護基盤の整備◇質の高いケアマネジメントの実現◇認