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社会保険旬報 Web医療と介護

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2019年11月の記事一覧

医師等医療機関職員の働き方改革推進本部が初会合(11月27日)

厚労省は11月27日、医師等医療機関職員の働き方改革推進本部の初会合を開催した。橋本岳副大臣を本部長とし、稲津久副大臣、政務官、医務技監、医政局長、労働基準局長、保険局長(審議官が代理)が出席した。 医師や医療機関職員の健康と地域医療の確保を確保するため、働き方改革を効果的に推進することを目的とする。 橋本副大臣は冒頭挨拶で、「2024年に医師の時間外労働の上限規制が適用される。厚労省は一丸となって医師や医療機関職員の健康と質の高い医療の両立を図る」と述べた。

社会福祉法人の会計監査人の設置対象法人の拡大提案(11月26日)

厚労省は11月26日の自民党介護委員会に、社会福祉法人における会計監査人の設置対象法人の拡大について提案した。具体的には現行の「収益30億円超える法人又は負債60億円を超える法人」から、令和5年度に「収益20億円を超える法人又は負債40億円を超える法人」に対象を拡大することを提案した。 会合後に田村憲久委員長は賛否両論が出されたことを説明した。 厚労省は合わせて負担の軽減についても提示した。具体的に監査人を設置した社会福祉法人については、◇法人監査の周期を現行の「3年

医師需給分科会が来年春の報告書策定へ議論開始(11月27日)

厚労省の医療従事者の需給に関する検討会は11月27日、令和4年度降の医学部入学定員の取扱いを決めるため、来年春の報告書策定に向けた議論を開始した。 医師の最新の動向を調査した元年の三師調査の結果を基に、医師需給推計も改めて実施。人口減少社会で医師の必要数が満たされる時点を見極めつつ、効果的な医師偏在対策の運用を考える。 同日の議論では、医学部受験の地域枠を厳格にした結果、2年度の臨時定員数が平成31年度と比べ、激減した道県があったことが示された。北海道は20人から8人

在宅歯科医療の指標を医療計画に追加へ(11月27日)

厚労省の在宅医療及び医療・介護連携に関するワーキンググループは11月27日、第7次医療計画の中間見直しにおいて追加すべき指標案を議論した。 ストラクチャー指標として、「在宅歯科診療に関する連携拠点数」「訪問口腔衛生指導を実施する医療機関数」「栄養サポートチームと連携する歯科医療機関数」、プロセス指標として「歯科衛生士を帯同した訪問歯科診療を受けた患者数」など5項目を追加することを了承した。 委員からは在宅医療のアウトカム指標を設定すべきなどの意見が出され、第8次医療計

介護文書作成の負担軽減で専門委員会が中間取りまとめ(11月27日)

社会保障審議会・介護保険部会の「介護分野の文書に係る負担軽減に関する専門委員会」は11月27日、中間取りまとめ案を了承した。厚労省は部会への報告を経て、介護分野の文書の作成などにおける一層の負担軽減について年度内を目途に進めていく。 委員会は、指定申請・報酬請求・指導監査などの関連文書について、一層の負担軽減を目指して8月から検討を開始。5回に渡り議論を深めた。検討に当り、①簡素化②標準化③ICT等の活用─の3つの観点を念頭に置いた。 取り組み内容は多岐に渡るが、今年

53疾患を指定難病で遺伝学的検査の対象に追加(11月27日)

中医協は11月27日の総会で、次期診療報酬改定に向け検査や処置・手術などの技術的事項を協議した。 厚労省は論点とし、①診断に遺伝学的検査が必須の53疾患を指定難病として遺伝学的検査の対象疾患に追加する②新規の悪性腫瘍の遺伝子検査の収載に際し、複数遺伝子検査の運用が適用されるよう、遺伝子ごとでなく臨床的位置づけや検査技術に応じて整理できる項目立てとする③認知機能検査のスクリーニング検査で実施間隔の要件を設ける-を示した。 体外診断薬や遺伝子パネル検査などの一部の医療機器

医療保険者の委員が介護の利用者負担の原則2割を主張(11月27日)

社会保障審議会・介護保険部会は11月27日、次期介護保険制度改正に向け、制度の持続可能性の確保と保険者機能について、議論を深めた。 制度の持続可能性の確保について厚労省は、◇現役並み所得(3割負担)・一定以上所得(2割負担)の判断基準◇高額介護サービス費の見直し◇老健施設などの多床室の室料負担の導入─などの検討を求めた。この3項目について「医療保険制度との関係も踏まえて検討する必要がある」と述べた。 協会けんぽの安藤伸樹委員は、「介護保険の利用者負担を原則1割から2割

横倉会長が診療報酬の前回上回る本体プラス改定求める(11月27日)

日本医師会の横倉義武会長は11月27日の会見で、次期診療報酬改定について「他産業に比べて医療分野の伸びが低いことも踏まえ、前回を大幅に上回り、さらに働き方改革が実現できるような改定率を確保するなど、地域の医療現場を支えるために十分な手当てを講じるべきだ。診療報酬本体をマイナス改定にすることは、全国300万人の医療従事者の給与を下げることに等しい」と述べ、前回の平成30年度改定率+0.55%を上回る本体プラス改定を求めた。 全世代型社会保障検討会議で論点になっている後期高齢

支払側の6団体が診療報酬のマイナス改定を要請(11月27日)

中医協の支払側である6団体は11月27日、令和2年度診療報酬改定に関する要請を加藤勝信厚生労働大臣に行った。「診療報酬はマイナス改定」とし、薬価の引下げ分は「診療報酬本体に充当することなく、国民に還元すべき」と主張した。 健保連の幸野庄司理事は会見で、11月13日に報告された医療経済実態調査の結果について、「病院は国公立・公的病院以外の経営状況は緊調、一般診療所と同一グループで店舗数の多い薬局は高い利益水準と判断している」と述べた。 改定の内容では、医療従事者の働き方

財政審が「診療報酬改定▲2%半ば以上」を建議(11月25日)

財政制度等審議会は11月25日、令和2年度予算の編成等に関する建議を麻生太郎財務大臣に提出した。建議では、社会保障費について「伸びを高齢化による増加分におさめる目安を着実に達成する」とともに、「給付と負担の見直しも含めた改革を速やかに実行すべき」と主張した。 診療報酬については、「▲2%半ば以上のマイナス改定にすべき」と明記した。さらに、予算編成過程で改定率を決定する際に、病院と診療所の間で改定率に差を設けるなど、「配分に当たっての大枠を示すべき」とした。 地域医療介

疾患別リハビリ料の要件緩和などで合意(11月27日)

中医協は11月27日の総会で、リハビリテーションや有床診療所をテーマに議論した。 脳血管疾患リハビリ料や呼吸器リハビリ料の疾患別リハビリ料においては、言語聴覚療法士の配置要件を設ける。がん患者リハビリ料においては、直近のがんの罹患率や治療選択肢の多様化などを踏まえ、対象患者の要件を緩和する。 摂食機能法の経口摂取回復促進加算は、嚥下チームの介入が肺炎発症の減少に効果があることがわかり、要件を見直す。これらの論点について、概ね合意を得た。 疾患別リハビリ料は、実施計

支払側と診療側が実調の結果で見解(11月27日)

中医協の11月27日の総会で、支払側と診療側の委員が医療経済実態調査結果に対する見解を示した。支払側の健保連の幸野庄司委員は、「一般病院全体は1.6%の赤字だが、国公立を除くと1.5%の黒字だ。保険薬局全体では5.5%の黒字であり、平成23年度以降安定的に黒字となっている」と分析した。 診療側の日本医師会の松本吉郎委員は、「医療機関は総じて横ばいの経済状況だった。きめ細かい医療サービスを提供するために多職種の人員を確保することが重要だ。他産業に比べ医療分野の賃金は低く、人材

健保組合全国大会で4項目の決議(11月22日)

健保連は11月22日、令和元年度健康保険組合全国大会「迫る2022年危機!今こそ改革断行を-現役世代を守りたい!国民皆保険を守るために」を開催し、決議を満場一致で採択した。 決議は、◇皆保険の維持に向けて、まずは高齢者の原則2割負担の実現◇必要な公費の拡充、現役世代の負担増に歯止め◇保険給付範囲の見直しによる医療費の適正化◇人生100年時代、健康寿命延伸に資する保健事業の推進-の4項目。

ニコチン依存症管理料の過熱式たばこへの拡大に賛否(11月22日)

厚労省は11月22日の中医協の総会で、過熱式たばこに対する科学的知見が一定程度得られていることを踏まえ、ニコチン依存症管理料の対象に過熱式たばこを含めることと、対面診療とオンライン診療を組み合わせた診療の評価を設けることを提案した。 診療側は賛意を示したが、支払側からは現状のニコチン依存症管理料を算定する禁煙治療で、脱落者が少なくないとの懸念などから、時期尚早との意見が出た。 生活習慣病管理料は、糖尿病の重症化予防のため、定期的な眼科受診が勧められることを踏まえた要件