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社会保険旬報 Web医療と介護

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2019年10月の記事一覧

介護保険の軽度者の給付の見直しに慎重な意見(10月28日)

社会保障審議会介護保険部会は10月28日、介護保険制度の持続可能性の確保や高齢者の住まいなどについて議論を深めた。 厚労省は、制度の持続可能性の確保の論点の一つとして、軽度者への生活援助やその他の給付の見直しについて、地域支援事業への移行も含めて検討を求めたが、慎重な意見が相次いだ。 平成26年改正で要支援1・2の訪問介護や通所介護が地域支援事業の総合事業(介護予防・日常生活支援総合事業)に移行されたが、協会けんぽの安藤伸樹委員は、「意図した住民ボランティアやNPO等

中医協分科会が入院医療の報告書まとめる(10月30日)

中医協の入院医療等の調査・評価分科会は10月30日、次期診療報酬改定に向けた入院医療に関する報告書をまとめた。 「急性期入院医療」「地域包括ケア病棟入院料等」「回復期リハビリテーション病棟入院料」「慢性期入院医療」「DPC/PDPS」などについて、2018年度改定の影響調査などを基に検証を行っている。総会に報告し、次期改定の議論につなげる。 報告書案は前回分科会で示され、前回に議論した分を加えた。「重症度、医療・看護必要度」の基準の妥当性が議論になった基準②のみの該

中医協が初診料の機能強化加算を議論(10月30日)

中医協は10月30日の総会で、かかりつけ医機能をテーマに次期診療報酬改定に向けた議論を行った。地域包括診療加算など、かかりつけ医機能に関連する診療報酬を届け出ている医療機関が算定できる初診料の機能強化加算(800点)は、加算の趣旨を患者に伝えることの要件化で賛否両論があった。 健保連の幸野庄司委員が支払側の一致した意見として、少なくない患者が知らずに費用を負担しているとして、加算の趣旨を患者に伝えることを何らかの形で要件化することを提案。 診療側も一定の理解は示した。た

医業経営コンサル協が税制で提言(10月25日)

日本医業経営コンサルタント協会は10月25日、2020年度の医療機関等における税制のあり方に関する提言を発表した。医師の勤務環境改善支援のための税制措置の創設と認定医療法人制度の令和5年9月30日までの延長を2本柱としている。 医師の勤務環境改善では、都道府県の医師勤務環境改善支援センターの助言で医師等勤務時間短縮計画を作成した青色申告の法人または個人で、医師の勤務時間を短縮するため、給与費が増加した場合に、増加した給与費の15%を税額控除する制度の創設を求めた。

高齢者の保健事業と介護予防の実施で市町村セミナー(10月25日)

厚労省は10月25日、来年4月から施行される高齢者の保健事業と介護予防の一体的な実施に向け、市町村職員を対象としたセミナーを開催した。「高齢者の特性を踏まえた保健事業ガイドライン第2版」や、市町村が保健事業・介護予防の一体的実施に取り組む上での特別調整交付金基準案について解説した。 ガイドラインは、①総括編と②実践編の2部構成。 ①総括編では、個人情報の取り扱いも追記した。一体的実施で必要となる被保険者の医療・健診・介護等の情報について国保データベース(KDB)システ

中医協が診療報酬改定で業務の効率化を協議(10月25日)

中医協は10月25日の総会で、次期診療報酬に向けて業務の効率化・合理化を協議した。テーマは、①医療機関と薬局の連携による業務の効率化②書類作成・研修要件の合理化③診療報酬明細書の記載および地方厚生(支)局への届出に当たっての業務の効率化-の3項目。 医療機関と薬局の連携では、厚労省が京都大学病院と40薬局間の事前の取決めによる問合せの簡素化の例を示し、論点として医師などの医療従事者の負担軽減や患者の待ち時間短縮のため、薬局から医療機関への問合せの簡素化の推進をあげた。

介護3割負担は2465人増の25万4135人に(10月25日)

厚労省は10月25日、「介護保険事業状況報告(暫定)(令和元年8月分)」を公表した。 昨年8月から介護保険サービス利用時の一部負担割合が、現役並みの所得のある者は3割になったが、対象者数(今年8月末現在)を前年同期と比べると、2割負担は1526人減少して33万6633人、3割負担は2465人増加して25万4135人になっている。

日病協が最近の中医協の動向めぐり議論(10月25日)

日本病院団体協議会は10月25日の代表者会議で、最近の中医協の議論の報告を受けた。終了後の会見で日本精神科病院協会副会長の長瀬輝諠議長は、「総合入院体制加算や救急医療管理加算、医師の働き方改革への対応などで意見や質問があった」と述べた。 総合入院体制加算は様々な診療科をそろえ、総合的な入院体制を評価している。しかし、地域医療構想など地域での機能分化・連携を推進している中で、齟齬が出ているとの指摘があった。特に、産科や産婦人科、精神科などの機能を別の病院に移した場合に、総合

障害福祉計画の基本指針の見直しに向け検討開始(10月25日)

社会保障審議会障害者部会は10月25日、令和3年度からの第6期障害福祉計画・第2期障害児福祉計画の策定に係る基本指針の見直しに向けて検討を開始した。障害者部会の議論を踏まえ厚労省は今年度中に基本指針を改正する考え。 同省は、見直しのポイントとして、◇精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築では新たな成果目標として「精神障害者の精神病床の退院後1年以内の地域での平均生活日数の上昇」を追加する◇地域共生社会の実現に向けた包括的支援体制について、基本的な姿勢・理念を基本指

算定の少ない療養・就労両立指導料の見直しへ(10月25日)

中医協は10月25日の総会で、治療と仕事の両立支援の診療報酬の見直しについて議論した。厚労省は、療養・就労両立支援指導料の見直し案を提案した。 同指導料は平成30年度改定で導入したが、算定回数は非常に少ない。主治医が産業医に診療情報を提供し、産業医の助言を踏まえ、治療計画の見直しをするまで算定できない、産業医の助言を得るのが困難であることが一因と考えられる。 主治医が企業から勤務情報を受け、それに基づき療養上の指導を患者に実施するとともに、企業に診療情報を提供した場合

医師働き方改革のタスク・シフトの検討会が初会合(10月23日)

厚労省の「医師の働き方改革を進めるためのタスク・シフト/シェアの推進に関する検討会」は10月23日、初会合を開いた。2024年度から医師の時間外労働規制が適用されることから、現在、年間960時間以上の時間外労働を行っている医師の労働時間を短縮することを主な目的とし、医師の業務を他の医療専門職種に移すことを検討する。 業務移管が現行制度の下で、①実施可能な業務②不明確な業務③法改正等が必要なもの─に分けて、タスク・シフト/シェアの検討を行う。医師の働き方改革の推進に関する検

認知症バリアフリーWGが認知症の人への接遇を議論(10月23日)

日本認知症官民協議会の認知症バリアフリーワーキンググループは10月23日、小売・タクシー・マンション管理などの生活支援に関わる6人の委員がプレゼンテーションを行い、認知症の人等への接遇に関して議論を深めた。11月8日の次回会合では、「契約」に関して検討する予定だ。 日本フランチャイズチェーン協会の委員はコンビニにおける認知症の人への接遇に関する現状と課題を報告。同協会では、加盟店約5万7千社を対象としたアンケートを毎年実施しており、回収率は99.3%に上る。 アンケー

医療機器の内外価格差の是正を協議(10月23日)

中医協の保険医療材料専門部会は10月23日、保険医療材料制度の見直しに向け、内外価格差の是正、保険適用時期の特例、手続きの簡素化、医療機器の安定的な供給を協議した。 厚労省は、内外価格差の是正の論点として新規収載品の外国価格調整の比較水準の引下げをあげた。平成30年度改定では、外国価格の相加平均の1.3倍を上回る場合に1.3倍の価格とすることを維持した。既収載品の再算定では比較水準や引下げ率の上限を見直す。現行では、比較水準を外国価格の相加平均の1.3倍を上回る場合に1.

薬価の原価計算方式で原価が開示できない理由を考慮(10月23日)

中医協の薬価専門部会は10月23日、次期薬価制度改革に向けて薬価算定方式の妥当性・正確性の向上、イノベーションの評価、後発バイオ医薬品の取扱いを協議した。 厚労省は、論点として類似薬のない原価計算方式で、製品原価の開示度の低い品目には補正加算額、原価が開示できない理由を踏まえて対応することを示した。類似薬効比較方式では、類似薬との市場での公平な競争を確保するため、比較薬の判断基準を拡大する。 イノベーションの評価では、患者・医療従事者の負担軽減のため、製剤工夫に対する