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2019年8月の記事一覧

専攻医のシーリングの問題点を年内に結論(8月26日)

日本専門医機構の寺本民生理事長は8月26日の会見で、専門医研修の専攻医募集で、今年度から適用する診療科別の都道府県上限設定(シーリング)に関する議論の見通しを示した。機構に設けた協議会の結論を年内に出す。 協議会は8月中に2回開き、9基本診療領域における上限設定の問題点を議論した。その中で、「大学病院で教育・研究を行う人員が配慮されていない」「美容医療など自由診療が推計に含まれていない」「入院と外来の比率はどうなっているのか」などの意見が出ている。 また、今年度の専攻医

日医が10月の診療報酬改定で見解(8月28日)

日本医師会の松本吉郎常任理事は8月28日の会見で、10月の消費税率引上げにともなう診療報酬改定に対する見解を発表した。医療は消費税の非課税であり、引上げ分の診療報酬への上乗せは医療機関の利益でないことを患者や国民に理解を求めた。 補てん分は基本診療料にシンプルで広く上乗せすることが適切とし、すべての医療機関が納得する上乗せはできないとした。改定後には、定期的な検証と見直しを求めた。

再生医療等製品コラテジェンの薬価収載を了承(8月28日)

中医協は8月28日の総会で、再生医療等製品コラテジェン筋注用(会社名アンジェス)の9月4日付の薬価基準収載を了承した。最初に日本で承認され、薬価は1瓶60万360円。 効能・効果は、標準的な薬物治療の効果が不十分で血行再建術の施行が困難な慢性動脈閉塞症(閉塞性動脈硬化症およびバージャー病)における潰瘍の改善。

中医協が新薬の9月4日の薬価収載を了承(8月28日)

中医協は8月28日の総会で、12成分17品目の新薬について9月4日付の薬価基準収載を了承した。抗がん剤ロズリートレク(中外製薬)と発作性夜間ヘモグロビン尿症用薬ユルトミリス(アレクシオンファーマ)は、市場拡大の可能性があるため、費用対効果評価の対象とすることが提案された。 2型糖尿病用薬ゾルトファイ配合注は、保険医が投薬することができる注射薬として患者の在宅自己注射を了承した。在宅自己注射指導管理料の対象となる。

四病協が外国人医師の活用で委員会を設置(8月28日)

四病院団体協議会は28日、医師の働き方改革に伴う医師確保策のため、外国人医師の活用を検討することを決めた。9月中に委員会を設置し、議論を開始する。 現行では、日本の医師免許を持たないと日本で医師の業務を行うことはできないが、高度な手術や検査など特定の領域を定めて、限定的に可能にする。アメリカやイギリスではインド人の医師が一定割合で活躍しているという。また、外国の医学部を出た日本人が日本で医師免許を取りやすくする方法も検討する。 さらに、医師国家試験を年2回実施するなど

日医が医療に関する税制要望(8月28日)

日本医師会の小玉弘之常任理事は8月28日の会見で、令和2年度の医療に関する税制要望を発表した。政府に提出し、年末の与党による税制改正大綱への反映を求める。控除対象外消費税問題については、社会保険診療報酬に対する消費税の課税を求めない。 要望では、控除対象外消費税の診療報酬への転嫁は基本診療料へのきめ細やかな配分によって精緻に行い、定期的に検証して必要な見直しを行うことを求めた。そのうえで、消費税率10%超への引上げに向けて、個別医療機関に生じる補てんのばらつきへの税制上の

介護分野の文書負担軽減で関係団体からヒアリング(8月28日)

社会保障審議会介護保険部会の「介護分野の文書に係る負担軽減に関する専門委員会」は28日、関係団体からのヒアリングを実施した。11団体から9人が意見を述べた。 日本リハビリテーション病院・施設協会と日本訪問リハビリテーション協会、全国デイ・ケア協会の3団体は意見を集約し、ヒアリングに参加。指定申請や変更届の書式などの統一化を求めた。また日本理学療法士協会は、指定関連文書の申請で24時間ウェブ登録を可能にして効率化することを訴えた。 全日本病院協会など11団体が意見書を提

中医協基本問題小委で入院医療の報告受け議論(8月28日)

中医協の診療報酬基本問題小委員会は8月28日、入院医療等調査・評価分科会の入院医療の検討状況に関して、報告を受けた。支払側委員からは、療養病床から介護医療院への転換が進んでいないことへの懸念が示された。 看護配置基準25対1の経過措置である療養病棟の今後の意向についての質問で、「現状維持」が36%を占める回答であったため、「経過措置なのに現状維持の回答はおかしい」との意見が出た。 その上で、経過措置の延長は望ましくないとの見解が示された。また、病院が医療目的ではなく、

厚労省が来年度予算の概算要求を公表(8月27日)

厚労省は8月27日、令和2年度予算の概算要求を公表した。一般会計は過去最大の32兆6234億円となった。対前年度比は2.1%増。大部分を占める年金・医療等の経費は30兆5269億円で1.8%増となっている。うち年金が12.1兆円、医療が11.9兆円、介護が3.1兆円、障害が1.8兆円、福祉その他が1.7兆円。 医療の内訳をみると、協会けんぽは1兆2912億円、国民健康保険は3兆3282億円、後期高齢者医療は5兆3274億円、公費負担医療が1兆9130億円。社会保障関係費に

日本健康会議の予防健康づくりの目標達成度が向上(8月23日)

日本健康会議は8月23日、都内で「日本健康会議2019」を開催した。2020年に向けて保険者や企業が取り組む数値目標「健康なまち・職場づくり宣言2020」の達成状況を発表。8つの目標の達成度はいずれも大きく向上し、新たに2つの目標を達成した。 予防・健康づくりで、一般住民を対象としたインセンティブを推進する自治体を800市町村以上とする目標は、昨年度の563市町村から823市町村に増加した。 協会けんぽ等保険者のサポートを得て健康宣言等に取り組む企業を3万社以上とする

第三者評価の受審を特定機能病院の要件に(8月23日)

厚労省の「特定機能病院及び地域医療支援病院のあり方に関する検討会」は8月23日、特定機能病院の承認要件について、第三者評価の「受審」を承認の要件とすることで合意した。審査状況と、第三者より指摘された改善項目について公表することも要件とする。 評価を行う第三者は、病院が選択できるが、主に日本医療機能評価機構による病院機能評価等が想定されている。同検討会では、第三者評価の受審ではなく「認定」を要件とすべきとの意見もあったが、最終的には「受審」を要件とすることに決まった。

宮嵜健康局長「東京オリ・パラ対応や健康危機管理」(8月23日)

厚労省の宮嵜雅則健康局長は8月23日、厚生日比谷クラブの共同の就任会見に応じた。当面の任務として、①2020年の東京オリンピック・パラリンピックへの対応②健康危機管理③ハンセン病患者・家族の訴訟に対する誠意をもった対応-の3点をあげた。 オリ・パラ対応では、「訪日外国人が増えるので、持ち込まれる感染症がある一方で、免疫のない外国人が日本の感染症を持ち帰ることが予想される。検疫やサーベイランス(発生動向調査)を強化し、感染症の疑い段階で対処していく」と述べた。 健康危機管理に

健保連が花粉症治療のOTC類似薬の保険除外を提言(8月23日)

健保連は8月23日、次期診療報酬改定に向けて、レセプト分析結果を発表した。幸野庄司理事は、花粉症治療においてOTC類似薬を1分類のみ投薬する場合について、薬剤を保険適用から除外すると、薬剤費は全国推計で年間36億円削減できると分析した。 幸野理事は、「花粉症を主病とする患者に、1処方につきOTC類似薬を1分類のみ投薬する場合は、当該薬剤について保険適用から除外すべき」と主張した。厚労省にレセプト分析結果を報告し、中医協で議論するよう求めているという。仮にOTC類似薬

「通いの場」の推進で検討会の中間取りまとめを公表(8月23日)

厚労省は8月23日、一般介護予防事業等の推進方策に関する検討会の中間取りまとめを公表した。中間取りまとめは、制度改正に向けて議論している社会保障審議会介護保険部会に報告される。 住民主体の「通いの場」について効果的・効率的な介護予防を進める観点から、年齢層や健康状態などに応じて参加できるように、類型化の検討を求めた。その際、行政が介護保険による財政的支援を行っているものに限らず、医療機関や介護保険施設等が自主的に行う取り組みなども「通いの場」として明確化を図ることが適当と