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2019年5月の記事一覧

臨床研修病院の指定継続の調査は第三者機関が可能に(5月29日)

医道審の医師分科会・医師臨床研修部会は5月29日、都道府県が臨床研修病院の指定継続を判断する際の病院への実地調査について、第三者機関が実施できることを了承した。第三者機関は、国がこれまで訪問調査で実施してきた評価項目による評価や、研修医へのインタビューを行う。 総合評価はこれまで三段階だったが、2020年度からは四段階とする。同日は、卒後臨床研修評価機構(JCEP)からヒアリングを行って新しい調査を実施できることを確認した。 また、医師の働き方改革により2024年度か

がんの遺伝子パネル検査の保険適用を了承(5月29日)

中医協は5月29日の総会で、3件のがんの遺伝子パネル検査の6月からの保険適用を了承した。いずれも複数の遺伝子を同時に検査し、適切な抗がん剤の選択を補助する。 委員からは「すべてのがんゲノム医療中核拠点病院に対応能力があるのか、がん治療が標準化できるのか」「抗がん剤の選択での反映の割合が低く、保険適用は時期早尚でないのか」との意見がでた。

8月以降に次期薬価制度改革の議論を本格化(5月29日)

中医協の薬価専門部会は5月29日、次期薬価制度改定に向けた課題について了承した。薬価専門部会で、7月ごろまでに薬価算定組織から意見聴取、関係業界から意見聴取を行い、議論と意見交換を行う。 検討項目を整理した上で、8月以降に次期薬価制度改革に向けた議論を深める。必要に応じて内外の医薬品事情に詳しい学識経験者、学会関係者という外部有識者を招いて議論する。

専門医機構が専攻医募集の診療科別シーリングを了承(5月27日)

日本専門医機構は5月27日の会見で、今年度募集する専攻医数の都道府県診療科別のシーリング(上限設定)を理事会で了承したことを明らかにした。現行では、東京をはじめ大都市のある5都府県のみのシーリングであったため、診療科別に上限を設けることは大きな見直しになる。 新たな仕組みは、医療需要に対して充足する将来的な医師の必要数に見合う養成数に、医師不足地域での研修を組み込む連携プログラムをあわせた構成とする。その上で、上限数については、激変にならないよう、基本的には前年度を下回ら

介護予防事業推進で検討会が初会合(5月27日)

厚労省は5月27日、一般介護予防事業等の推進方策に関する検討会の初会合を開催した。健康保険法等一部改正法で、高齢者の保健事業と介護予防の一体的な実施を推進する仕組みの構築が盛り込まれている。 介護予防・日常生活支援総合事業の一般介護予防事業で実施されている高齢者等の「通いの場」を活用して、フレイル予防等に取り組むことが想定されている。検討会では、一般介護予防事業等に求められる機能や更なる推進方策などを検討する。 今後、夏を目途に中間とりまとめを行い、冬にとりまとめを行

厚労省の2040年社会保障改革本部がとりまとめ(5月29日)

根本匠厚生労働大臣を本部長とする「2040年を展望した社会保障・働き方改革本部」は5月29日、とりまとめを行い、「健康寿命延伸プラン」「医療・福祉サービス改革プラン」「就職氷河期世代活躍支援プラン」を決定した。 高齢化の進展とともに現役世代の人口減少が課題となるなか、総就業者数を増やすとともに、より人手をかけずに医療・福祉の現場を回していくために、具体的な目標と施策を決定した。 健康寿命については、2040年までに男女とも3年以上延伸し、75歳以上とすることを目指す。

働き方改革で診療報酬の要件緩和や簡素化を要望(5月29日)

中医協は5月29日の総会で、2020年度診療報酬改定に向け、働き方改革をテーマに議論を行った。 過去の診療報酬改定でも、勤務医の負担軽減や多様な働き方への対応を図ってきたが、2024年度から適用される医師の時間外労働規制の上限などが決まったことを受け、医療機関などの取組みを阻害しない診療報酬が求められる。 診療側の委員からは、医療機関がICTやAIの活用を含め、業務の効率化や合理化を進めるため、診療報酬の施設基準や算定要件の緩和を要望する意見が出た。関連業務の簡素化も

2019年度の臨床研修医の採用実績を公表(5月22日)

厚労省は5月22日、2019年度の臨床研修医の採用実績を公表した。採用数は8986人で前年度と比べ、10人減少した。大都市のある6都府県(東京、神奈川、愛知、京都、大阪、福岡)を除く臨床研修医の割合は58.3%で、過去最大の2018年度と同率。 臨床研修制度では、大都市への研修医集中を避けるため、都道府県別の募集定員に上限を設けるなど制度的な対応を行っている。対前年度で最も採用が増えた県は佐賀で、43人から63人となった。

全自病が診療報酬改定で要望書(5月23日)

全国自治体病院協議会は5月23日の会見で、令和2年度の診療報酬に関する改正・新設要望書を発表した。出来高114項目、DPC12項目について改正や新設を求めており、近く厚労省に提出する。 出来高の重点要望項目は、施設基準における医師の常勤換算の拡大化、初再診料における同一日複数科受診の評価拡大、在宅患者緊急入院診療の診療加算1の算定対象の緩和、医療安全対策加算の増点など。 DPCの重点要望項目は、精神病床をもたない病院の精神疾患の受入れ評価、高額薬剤の薬価収載時からの出

日病協が2020年度診療報酬改定で要望書(5月24日)

日本病院団体協議会は5月24日、2020年度診療報酬改定の要望書を樽見英樹保険局長に提出した。働き方改革を含め、病院経営がますます厳しくなる状況にある中で、日本の医療のさらなる向上と持続可能性が追求できる診療報酬改定のため、5項目を要望した。 診療報酬実務者会議の池端幸彦委員長は会見で、消費税率10%への引上げに伴う薬価改定により、2020年度改定時での薬価財源が期待できないため、「厳しい改定になる」との見解を示した。 5項目は「医師をはじめとする医療従事者の働き方改

厚労省が介護保険部会に文書軽減のWG設置を提案(5月23日)

厚労省は5月23日の社保審・介護保険部会で、「介護分野の文書に係る負担軽減に関するワーキング・グループ(仮称)」の設置を提案した。昨年6月に閣議決定された「未来投資戦略2018」で介護分野の文書の削減の方向性が掲げられ、厚労省でも順次、進めてきた。 今回、国や指定権者・保険者及び介護サービス事業者の間でやり取りされている文書を対象とし、必要に応じて更なる共通化・簡素化の方策を検討する。様式例の見直しなどを進める考え。 具体的には、①指定申請②報酬請求③指導監査─の関連

【詳解】第77回社会保障審議会介護保険部会(5月23日)

介護サービス基盤の整備などを議論社会保障審議会介護保険部会(遠藤久夫部会長)は5月23日、介護保険制度改正に向け、介護サービス基盤の整備等について意見交換を行った。また厚労省は介護分野の文書の簡素化等に向けワーキング・グループを設置することを示した。 85歳以上の急増等を踏まえ基盤整備 厚労省は、認定率や1人当たり介護給付費が特に85歳以上で急増するため、その割合の動向が、今後の介護サービス基盤の整備等を検討する上で重要になることを指摘。2025年にかけて85歳以上の高齢

四病協が2020年度予算概算要求で要望書(5月24日)

四病院団体協議会は5月24日、2020年度予算概算要求に関する要望を厚労省の吉田学医政局長に提出した。救急、災害、へき地医療を支える体制づくりや地域医療構想の実現、一億総活躍社会に向けた取組みを強化するための財源措置を求めた。消費税率10%への引上げは予定通り実施し、その財源を「医療を筆頭に社会保障に十分な予算配分」をすべきとした。 要望項目は9テーマで27項目。働き方改革関係で8項目を要望した。医師の増員のための診療報酬以外での人件費への手当てや、ICT・ロボットの導入

自治体病院医師の6.8%が年間時間外労働960時間超(5月23日)

全国自治体病院協議会は5月23日の会見で、会員病院を対象とした医師の働き方改革に関するアンケート調査の結果を発表した。 医師の時間外労働では、年間960時間超の医師が6.8%で、前年の7.7%から0.9ポイント減少しており、「医師の労働時間管理を含む働き方改革は進んでいる」と分析した。 厚労省の検討会が昨年2月に発表した「医師の労働時間短縮に向けた緊急的な取組」の進捗状況は、勤務間インターバル、連続勤務時間制限、複数主治医制の導入、シフト制の導入で、医師不足を理由に対