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2018年12月の記事一覧

地病協が医師の働き方改革と偏在対策で追加要請へ(12月21日)

地域医療を守る病院協議会は12月21日、医師の働き方改革および医師偏在対策、医療機関における消費税負担について協議した。 終了後の会見で、厚生連の中村純誠理事長は「10月に働き方改革や偏在対策で厚労相に要請を行っており、厚労省の検討会での提案を検証した上で追加の要請を行っていく」との方針を明らかにした。 全国自治体病院協議会の中島豊爾副会長は「平成31年度の税制改正大綱では、診療報酬での補てんで医療の消費税問題は解決したというが、補てんの計算式を公表していない」と指摘

30年度の国保保険料は3割の市町村で引き下げ(12月21日)

厚労省は12月21日、平成30年度国民健康保険料等の動向を発表した。3割の市町村が保険料を引き下げた。30年度は国保の財政運営が都道府県化されるなど国保改革が実施されており、その前後での変動を把握した。 1735市町村のうち、◇引き下げ29%(496市町村)◇据え置き48%(836市町村)◇引き上げ23%(403市町村)─となっている。引き下げた市町村について、厚労省は、財政調整機能の強化や保険者努力支援制度における約1700億円の公費拡充の効果があることを指摘。 た

地域医療構想WGの議論の進め方まとめる(12月21日)

厚労省の地域医療構想に関するワーキンググループは12月21日、今後の議論の進め方をまとめた。地域医療構想を実現するため、各地の調整会議は現在、平成30年度末までの2年間の集中的な議論を行っている状況にある。31年度以降もPDCAサイクルを回して着実に医療機能分化・連携などを進めていくため、現況を検証する。 現場の課題を明らかにするため、年度内に関係者からヒアリングを実施する。同日の議論では、調整会議で合意しても、公立・公的病院の整理統合が首長の意向などで進まない場合がある

臨床指標の標準化で採択事業者に協議会を設置(12月20日)

厚労省は12月20日の医療情報の提供内容等のあり方に関する検討会に、臨床指標の標準化などの取組みを行う協議会を事業採択事業者に設置し、国が税制支援する「医療の質向上のための体制整備事業」を2019年度予算に盛り込むことを報告した。 現行の「医療の質の評価・公表等推進事業」のおいては、日本病院会や全日本病院協会、国立病院機構などに実績があり、採択事業者の候補となる。採択は1事業者で、設置する協議会では、◇臨床指標の公表・手引き作成・好事例の共有◇人材の養成◇臨床指標の標準化

日病協が31年度税制改正大綱に見解(12月21日)

日本病院団体協議会は12月21日の会見で、医療の控除対象外消費税問題に関して、平成31年度税制改正大綱に対する見解を示した。 山本修一議長は、「現行の非課税のままで今回の大綱以上の対応を行うことは無理であることが明確になった。それでも個々の医療機関に対応する補てんには限界があるため、今後新たな仕組みを早急に検討していくべき」と述べた。 医療介護総合確保基金の増額など予算対応は、消費税分の補てん対応に当たらないとの見解を示した。また、診療報酬による補てんの状況をできるだ

救急救命士の業務範囲見直しで意見が一致(12月20日)

厚労省の救急・災害医療提供体制等の在り方に関する検討会は12月20日、救急救命士の業務範囲を拡大すべきとの意見で委員の考えが概ね一致した。 医師の働き方改革に伴う他業種とのタスク・シフティングの推進や、養成に必要なコストに比べ救急救命士が有効活用されていないとの指摘を踏まえ、法改正を含めた見直しが必要との意見が相次いだ。 特に、「医療機関に搬送されるまでの間」に限定される救急救命士を病棟でも活用できる業務拡大が議論になった。ただ、現時点で厚労省は、救急救命士の業務見直

人口減44万8千人で過去最大(12月21日)

厚労省は12月21日、2018年人口動態統計の年間推計を発表した。人口減は44万8千人で過去最大の減少となった。出生数は過去最少の92万1千人、死亡数は戦後最大の136万9千人と見込まれており、差し引きで44万8千人の減少と推計される。 1947年以降、人口は一貫して増加してきたが、2005年に初めて2万1266人減少した。翌06年は8224人増加したが、07年から減少し12年連続の減少となる見込みだ。2018年の婚姻件数は戦後最少の59万組、離婚件数は20万7千組。

低所得者の1号保険料の軽減強化が完全施行へ(12月21日)

政府は12月21日、2019年度政府予算案を閣議決定した。介護保険関係の予算では2019年10月の消費税率10%への引き上げに伴い、低所得者の1号保険料の軽減の強化が完全施行される。国費で前年度から3.7倍の450億円が計上された。 また消費税財源が充てられる在宅医療・介護連携推進事業や認知症施策の推進など、地域支援事業の包括的支援事業も23.8%増の267億円が計上された。このうち認知症施策の推進では、認知症の人の社会参加活動の体制整備などが新規に実施される。

2019年度厚労省予算案は2.9%増の32兆351億円(12月21日)

政府は12月21日、2019年度予算案を閣議決定した。厚生労働省の予算案は一般会計で2.9%増の32兆351億円で過去最大となった。このうち社会保障関係費は31兆5930億円を占めており、こちらも過去最大。社会保障関係費の伸びは2.9%(8857億円)だ。 社会保障関係費のうち医療が1.6%増の11兆9974億円で全体に占める構成比は38%。年金が3.1%増の11兆9870億円で構成比は37.9%。介護が3.7%増の3兆2301億円で構成比は10.2%。福祉等が5.3%増

29年度の保険医療機関等の指定取消等は28件(12月18日)

厚労省は12月18日、平成29年度の保険医療機関等の指導・監査の実施状況を発表した。指導・監査の実施は、個別指導4617件(前年度比94件増)、新規個別指導6145件(28件減)、適時調査3643件(280件増)、監査66件(8件減)。 取消の状況は、保険医療機関等の指定取消13件(4件減)、指定取消相当15件(5件増)、保険医等は登録取消17人(2人減)、登録取消相当1人(1人減)で、指定取消相当は処分の前に廃止、登録取消相当は処分の前に登録を抹消した。29年度に保険医

協会けんぽが31年保険料率を10%に据え置き(12月19日)

全国健康保険協会の運営委員会は12月19日、平成31年度平均保険料率を10%に据え置くべきとする意見をまとめた。保険料率を引下げるべきとの意見も委員から出されたが、10%据え置きを求める意見が多数だった。 産業医大の松田晋哉委員は、「医療が高度化しており、高額な医薬品が保険収載されることが今後も予測されるため、この時期に保険料率を下げるのはリスクが大きい」と述べた。その上で、「(積みあがった準備金は)保険者機能の強化に使ってもらうことも重要だ」と指摘した。

働き方の多様化踏まえ被用者保険の適用拡大など検討(12月18日)

厚労省は12月18日、働き方の多様化を踏まえた社会保険の対応に関する懇談会の初会合を開いた。 短時間労働者に対する被用者保険の適用拡大の要件や適用事業所の範囲の見直し、働き方の多様化を見込んだ社会保険適用における課題などを検討する。検討にあたっては、見直しによる事業者負担増や医療保険者に与える影響も踏まえる。 取りまとめは社会保障審議会年金部会等に報告し、来年5月の財政検証を踏まえた年金制度改革に反映する方針だ。座長は国立社会保障・人口問題研究所の遠藤久夫所長。

費用対効果評価で業界団体からヒアリング(12月19日)

中医協の費用対効果評価専門部会・薬価専門部会・保険医療材料専門部会合同部会は12月19日、費用対効果評価について製薬・医療機器団体からヒアリングを実施した。 日本製薬工業協会の中山譲治会長は、費用対効果評価の制度化について、「日本のように精緻な薬価基準制度が存在しないため、諸外国で製薬企業が設定した価格の妥当性や保険償還の可否を判断する手段として用いられている」と指摘。 薬価基準制度との整合性を踏まえ、新薬の価値評価の補足的な手段として限定的に用いることを求めた。

医師の連続勤務時間制限を28時間に(12月17日)

厚労省は12月17日の医師の働き方改革に関する検討会に、医師の時間外労働の上限設定で医療機関を指定し、特例を設ける場合に義務化する連続勤務時間制限を28時間、勤務間インターバルを9時間とする案を示した。 病院側の委員が義務化に難色を示す意見を延べる一方で、労働組合の委員は、特例の考え方が現行の長時間労働を放置させると主張した。特例は、救急医療など地域医療確保の観点と若手医師の一定期間の研修で設ける方向にある。