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2017年10月の記事一覧

30年度介護報酬改定に向けた「基本的な視点」を示す(10月27日)

厚労省は10月27日の社会保障審議会・介護給付費分科会に、「平成30年度介護報酬改定に向けた基本的な視点」を示した。 基本的な視点は、◇地域包括ケアシステムの推進◇自立支援・重度化防止に資する質の高い介護サービスの実現◇多様な人材の確保と生産性の向上◇介護サービスの適正化・重点化を通じた制度の安定性・持続可能性の確保─の4点。 今後の審議は、11月上旬以降、原則週1回ペースで議論。12月上旬に基準に関する基本的な考え方を、12月中旬までに介護報酬改定の基本的な考え方を

介護給付費分科会が介護事業経営実態調査を議論(10月27日)

社会保障審議会・介護給付費分科会は10月27日、平成29年度介護事業経営実態調査結果について議論した。 介護サービス平均の収支差率が3.3%になった結果を踏まえ、日本医師会の鈴木邦彦委員は「大幅なマイナス改定を繰り返すことは避けるべき」と主張。全国老人福祉施設協議会の瀬戸雅嗣委員も「特に特養は1.6%と大変低い水準だ。本体報酬の増額を求めたい」と訴えた。 一方、健保連の本多伸行委員は「介護保険制度の持続確保の観点から見るとプラス改定にする環境にはない」と主張した。

介護サービスの収支差率は3.3%(10月26日)

厚労省は10月26日、平成29年度介護事業経営実態調査結果を公表した。 28年度決算に基づく調査で、介護サービスの収支差率は3.3%となったが、前回の26年調査よりも4.5ポイント低下した。 26年調査と比べ全22サービスのうち19サービスで収支差率が低下した。 今回、収支差率(税引き前)が最も高かったのは、通所リハビリと小規模多機能型居宅介護、認知症グループホームの3つであり、いずれも5.1%。 施設は特養1.6%、老健施設3.4%、介護療養型医療施設3.3%。居宅介

次期診療報酬改定での選定療養の対応を了承(10月27日)

中医協は10月27日の総会で、次期診療報酬改定で対応する選定療養について大筋で了承した。 患者の求めに応じ、①画像・動画情報を提供する場合②各種公的な手続き等を代行した場合の費用を患者から徴収できることを明確化する。ただし、患者が他の医療機関の医師から助言を得る目的の場合は医療保険の給付対象になる。 また、入院期間が180日を超えた患者に対する自費負担について、重度の肢体不自由者など17類型の患者と同様に、「造血幹細胞移植後または臓器移植後の拒絶反応に対する治療を実施

27年度介護報酬改定の効果検証の調査を報告(10月25日)

厚労省は25日の社会保障審議会・介護給付費分科会の介護報酬改定検証・研究委員会に、平成27年度介護報酬改定の効果検証及び調査研究に係る調査(29年度調査)の速報値を報告した。速報値は30年度介護報酬改定の議論に活用される。 29年度調査は「定期巡回・随時対応サービスを含む訪問サービスの提供状況に関する調査研究事業」など5つ。 同調査研究事業では、定期巡回サービスの事業所と集合住宅の経営が同一法人の場合、その集合住宅の同サービスの利用者数は平均で17.0人と、別法人の場

財務省が30年度診療報酬・介護報酬のマイナス改定を主張(10月25日)

財務省は25日の財政制度等審議会・財政制度分科会で、平成30年度の診療報酬改定および介護報酬改定についてマイナス改定が必要との考えを主張した。 診療報酬改定については「国民医療費は年平均2.5%のペースで増加し、うち高齢化等の要因による増加は年1.2%で、残りは他の要因。医療費の伸びを高齢化等の範囲内とするためには、診療報酬改定1回あたり2%半ば以上のマイナス改定が必要」とした。 介護報酬改定については、介護人材の処遇改善のために29年度に先行して実施した+1.14%

社会福祉士養成カリキュラムを見直しへ(10月24日)

厚労省は24日の社会保障審議会・福祉部会の福祉人材確保専門委員会に、地域共生社会の実現に向けた社会福祉士に求められる実践能力や、それを踏まえた社会福祉士養成カリキュラムの充実について検討を要請した。委員会は年度内に意見を取りまとめる予定。 厚労省は、委員会の意見を受け来年度に社会福祉士養成カリキュラムの見直しを進める方針。1年の周知期間を経て平成32年度から新たなカリキュラムに基づく社会福祉士の養成を進める。

慢性期医療学会で同時改定テーマに講演・シンポ(10月19日)

日本慢性期医療協会は10月19、20の両日、仙台市で日本慢性期医療学会を開催した。19日には医療・介護報酬の同時改定をテーマにした講演やシンポが行われた。 厚労省の鈴木康裕医務技監は講演で、同時改定に向けたポイントとして、看取りを含む適切なサービス提供体制や訪問看護ステーションのサービス提供の見直しなど効率的な訪問系サービス体制の構築、嚥下性肺炎の予防やケアをあげた。また、患者本位の医薬分業として電子お薬手帳による処方情報の電子化・共有化を提案した。 一方、同時改定を

一貫した医師養成でCBTを公的に位置づけ(10月20日)

厚労省の「今後の医師養成の在り方と地域医療に関する検討会」は10月20日、卒前・卒後の一貫した医師養成のあり方を議論した。 研修医が研修先ですぐに活躍できるよう臨床実習を充実させる観点から、コンピュータを用いたテストのCBTを公的に位置づけることで合意した。 また、臨床参加型臨床実習を強化するため、医学生が行える医療行為の位置づけも整理し、拡大も検討する。医学教育モデル・コア・カリキュラムと臨床研修の到達目標の整合性を図ることの必要性も確認した。

在宅医療診療ガイドライン作成で新たな会議(10月20日)

厚労省の全国在宅医療会議ワーキンググループは10月20日、エビデンスのある指標を盛り込んだ在宅医療診療ガイドラインの作成に向けて会議を新設することで合意した。 同WGは在宅医療に関するエビデンスを蓄積し、在宅医療に適した患者や患者がたどるプロセス、サービスの標準化に向けた研究を加速させ、質の高い在宅医療を目指す。 国立長寿医療研究センターなどが在宅医療診療ガイドラインを作成中で来年4月に公開予定であり、両者の調整を図る。 WGは、他の学会のガイドラインほどエビデン

救急医療管理加算や慢性期病棟の評価で新指標 病院給食の収支状況は大幅悪化(10月18日)

中医協の入院医療等調査・評価分科会は18日、次期診療報酬改定に向け、短期滞在手術等基本料、救急医療管理加算、慢性期医療病棟のデータ提出項目をテーマに議論した。 短期滞在手術等基本料は「3」に、新たな手術として「副腎静脈サンプリング」「子宮鏡下子宮内膜焼灼術」「子宮鏡下有茎粘膜下筋腫切出術」「子宮内膜ポリープ切除術」を加える方向になった。 救急医療管理加算は算定できる患者を判断するための評価指標の例が示された。 意識障害レベルを示すJCSや心不全の重症度レベルであるHY

認知症に対応した診療報酬見直しを検討(10月18日)

厚労省は18日の中医協の総会で、認知症について議論したほか、来年度に初の国家試験が実施される公認心理師に対する診療報酬の対応を検討した。 認知症に関しては、認知症疾患医療センターの「連携型」でも認知症専門診断管理料を算定できるようにすることを検討する。 認知療法・認知行動療法3では専任の看護師要件の緩和、公認心理師については、現状で「臨床心理技術者」としている診療報酬の規定との関係を課題とした。 認知症疾患医療センターの評価については概ね委員の合意を得たが、看護師

クロザピンの入院料包括外を検討(10月18日)

厚労省は18日の中医協の総会に、日本では普及率が低いが、統合失調症に対する治療効果が高いとされるクロザピンについて、精神療養病棟入院料の包括範囲から外すことを提案した。 高価な薬であるため、入院料に包括されると病棟で使いづらいとの指摘を踏まえた。 一方、ベンゾジアゼピンは依存性が懸念されるにも関わらず、睡眠薬・抗不安薬として多剤処方、長期処方されるケースがあることから、適正化を検討するとした。 薬剤数や処方期間の制限とともに、薬剤師・薬局と連携した取り組みを評価す

全老健など12団体が介護報酬改定へ署名開始(10月13日)

全国老人保健施設協会は10月13日に会見を開き、介護関係の12団体で「介護現場を守るための署名」活動を行うことを発表した。 総理大臣・財務大臣・厚生労働大臣に対し、来年度の介護報酬改定に向けて社会保障財源の確保を要請する。 署名活動を行うのは、全老健のほか◇全国デイ・ケア協会◇全国老人福祉施設協議会◇日本介護福祉士会◇日本言語聴覚士協会◇日本認知症グループホーム協会◇日本理学療法士協会◇全国老人クラブ連合会◇日本看護協会◇日本作業療法士協会◇日本福祉用具供給協会◇認知