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年金時代(無料版)

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2023年5月の記事一覧

労働者募集時の労働条件明示に業務・就業場所の「変更の範囲」などを追加

厚生労働省の労働政策審議会職業安定分科会労働力需給制度部会は5月24日、職業安定法施行規則の一部を改正する省令案要綱を妥当と認め、労政審の答申とした。労働者の募集時の際に求職者等に対して書面の交付等により明示しなければならない労働条件に、 ①従事すべき業務の内容の変更の範囲 ②就業の場所の変更の範囲 ③有期労働契約を更新する場合の基準に関する事項 を追加する。労働基準法施行規則の改正によって、労働契約の締結時の明示すべき労働条件も同様に追加されているが、職業安定法施行規則

労働者死傷病報告等の電子申請を原則義務化へ

厚生労働省の労働政策審議会安全衛生分科会は5月16日、労働災害統計の基盤となる労働者死傷病報告等について、電子申請を原則義務化する「じん肺法施行規則等の一部を改正する省令案」を妥当と認め、労政審の答申とした。令和7年1月1日から施行する。 報告する事業者側の負担軽減のほか、報告内容の適正化、統計処理の効率化につなげる考え。さらに同省は、スマートフォン等からも電子申請が可能になるようシステム改修を行うとともに、パソコンやスマートフォン等を所持していない事業者に向け、労働基準監

5月末発刊!年金相談の要点を網羅『年金相談の手引』令和5年度版

『年金相談の手引』は、昭和48年に初版を発行して以来、今回の改訂版で第51版を数え、半世紀を超えて、年金実務に携わる方々の手引書として改訂を重ねてきた図書です。この長い歴史のなかで、年金相談の本格的な実務図書として、各方面で高い評価と信頼を得てきました。 本書では、国民年金、厚生年金保険の両制度の概要をはじめ、国民年金と厚生年金保険における老齢・障害・遺族等の各給付、旧法による老齢給付、年金の請求・支払い・支給停止等、年金請求の手続、年金受給者の手続、旧三共済に係る経過措置

4月末発刊!年金実務必携『年金のてびき』令和5年4月版

4月末に社会保険研究所から令和5年4月版『年金のてびき』を発刊しました。令和4年4月・令和5年4月改正の「繰下げ支給」の試し読みを公開します。 繰下げ支給 繰上げ支給とは反対に、66歳になるまで老齢基礎年金を請求しなかった人が66歳以後に申出をすれば、申出時の月単位の年齢に応じて次の増額率の式によって増額された繰下げ支給の老齢基礎年金が支給されます。 増額率=0.7%×65歳になった月から繰下げ申出月の前月までの月数 *前記の0.7%にかける月数は、120カ月(昭和27

被用者年金の適用拡大を議論——第4回社会保障審議会年金部会

 第4回社会保障審議会年金部会が5月30日に開催され、今回から各論の議論に入った。この日の部会は「被用者保険の適用拡大」が議題とされた。  被用者年金の適用拡大については、手取り収入が減ることなどを理由に、労働時間を調整するなどして、適用を回避する動きが短時間労働者のなかにみられる。企業にとっては、適用拡大が労働者の確保につながらず、人手不足に陥るケースも起こっている。  この日、部会に提出された「「社会保険の適用拡大への対応状況等に関する調査」(企業郵送調査)及び「働き方

令和4年10月施行の適用拡大で新たに2割の短時間労働者が適用――JILPT調査

労働政策研究・研修機構は5月16日、社会保険の適用拡大への対応状況等に関する調査及び働き方に関するアンケート調査結果を公表した。 令和4年10月から厚生年金保険・健康保険の適用拡大対象となった企業(常時雇用者101人~500人)に勤務する短時間労働者について、適用状況や働き方の変化を見ると、そのままの所定労働時間で社会保険が適用されたと回答した者は14.5%、社会保険が適用され、かつ手取りが増える(維持できる)よう、所定労働時間を延長したと回答した者は6.4%となり、あわせて

企業年金・個人年金部会で関係団体からのヒアリングを開始

厚生労働省の社会保障審議会企業年金・個人年金部会(部会長=森戸英幸・慶應義塾大学大学院法務研究科教授)は5月17日、関係団体からのヒアリングを開始した。この日は、企業年金連合会、企業年金連絡協議会、国民年金基金連合会の3団体からヒアリングを行った。 企業年金連合会は、特別法人税の撤廃や定年延長時の給付減額の判定基準の見直し、企業型確定拠出年金(企業型DC)の拠出限度額の見直し、マッチング拠出における本人拠出額上限の見直し、ポータビリティを活用した老後資産形成の促進を提言した

#39 認定マークを取得して、企業の採用力強化を

認定マークを知っていますか? お客様と名刺交換をしたときに、下の図のようなマークが印刷されていて、話題になったことはありませんか? これは、「えるぼし」という厚生労働省の「認定マーク」です。 各省庁は、事業継続、健康経営、DX、子育て支援などの活動について、一定の要件を満たした企業を、活動に積極的な企業として認定しています。 認定マークはその認定を受けた証であり、認定された企業は、自社商品やホームぺージなどで、自社の魅力をアピールするために認定マークを活用できます。例え

日・オーストリア社会保障協定が実質合意へ

5月13日、厚生労働省は「日・オーストリア社会保障協定」について、両国政府が実質合意に至ったと公表した。 日本とオーストリア両国政府は、2022年9月から「日・オーストリア社会保障協定」の締結に向けた政府間交渉を進めてきたが、今般、実質合意に至った。今後、双方は協定の署名に向けた協定案文の確定等に必要な作業及び調整を行う。 現在、両国からそれぞれ相手国に派遣される企業駐在員等については、日本とオーストリア双方の社会保障制度への加入が義務付けられる等の課題が生じている。政府は

第3回社保審年金部会開催――課題・論点出し終え、次回から各論議論へ

基礎年金と報酬比例のマクロ経済スライドの調整期間を一致させた場合の所得代替率と給付水準調整期間の見通しを再確認 5月8日、第3回社会保障審議会年金部会が開催され、厚生労働省は資料「令和2年年金制度改正法等において指摘された課題」として、2020年12月25日の年金数理部会に示した資料「令和元年財政検証追加試算」を年金部会に提出。改めて、基礎年金と報酬比例のマクロ経済スライドの調整期間を一致させた場合の所得代替率と給付水準調整期間の見通しを示した。 2004(平成16)年改正

令和2年市区町村別生命表が公表される~男女ともに神奈川県川崎市麻生区が最長

厚生労働省は5月12日、令和2年市区町村別生命表を公表した。市区町村別生命表は、死亡状況を市区町村単位で比較分析するため、国勢調査による日本人人口(確定数)と人口動態統計(確定数)による日本における日本人の死亡数、出生数をもとに、平成 12 年から5年(国勢調査年)ごとに作成し、今回が5回目となる。 市区町村別の平均寿命は、男女ともに神奈川県川崎市麻生区が最も長く(男性84.0歳、女性89.2歳)、大阪府大阪市西成区が最も短くなった(男性73.2歳、女性84.9歳)。 最も

50年後の将来推計人口は8,700万人、出生率低下も年金財政への影響は限定的

厚生労働省は5月8日、社会保障審議会年金部会を開き、日本の将来推計人口(令和5年推計)の概要を報告した。国立社会保障・人口問題研究所が4月26日に公表したもので、それによると50年後(2070年)の日本の総人口は2020年(1億2,615万人)の約7割(8,700万人)まで減少すると推計されたことがわかった。一方、総人口に占める65歳以上人口の割合(高齢化率)は、2020年の約3割(28.6%)から、2070年に約4割(38.7%)まで上昇する見通し。 平成29年の前回推計