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年金時代(無料版)

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年金・雇用労働関連のニュースや連載記事を掲載している無料マガジンです。
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2022年9月の記事一覧

時々刻々|#12 被用者保険の適用拡大のずっと先を考える――新しい資本主義の社会保障から新しい社会の生活保障へ

 被用者保険(厚生年金・健康保険)への加入対象者の範囲を広げる、いわゆる適用拡大ですが、ことし令和4年10月から従業員数101人以上の企業、令和6年10月からは従業員数51人以上の企業に勤めるパートやアルバイトの方々が、被用者保険の適用の対象となります。  一方、政府の全世代型社会保障構築会議では、勤労者皆保険の実現を考えていて、従業員数によるしばり(企業規模要件)の撤廃や被用者保険の適用除外とされてきた非適用業種の見直しなども検討していくとのことです。さらにフリーランスや、

時々刻々|#11 安倍元首相の死と憲法改正を考える

年金時代編集長  安倍元首相が7月8日、銃で撃たれ、亡くなりました。 参院選最終日の10日、再開された街頭演説は、「暴力による言論への攻撃を非難、民主主義を守る」という訴えに一転。結果、自民党が大勝しました。そのことは、憲法改正に必要な勢力を維持することにもなりました。  正直、わたしはこれまで憲法改正論議を身近に感じてこなかった人間でしたが、今回のショッキングな事件を映像を通してですが、目の当たりにして、憲法改正ということについて、一気に、わたしなりに答えが出たような心

時々刻々|#10 「いい人」と「人がいい人」とでは「人がいい人」のほうが善良な人だと素直に思いたい

 「いい人」を手元の『広辞苑』(第五版)で引くと、「いい-ひと【好い人】①善良な人。ときに、好人物。②情人。恋人。」とあった。わたしがここで言っている「いい人」はもちろん①のほうだ。一方、わたしは国語学者ではないので、正確な理解ではないかもしれないが、「人がいい人」というのは、「あまりに善良すぎて、人にあなどられやすいこと。また、そのような人物。好人物。「根っからの―」「―につけこまれる」」と同じ広辞苑で説明している「おひと-よし【御人好し】」という言葉とほぼ同義だと思う。

時々刻々|#9 幸せってなんだっけ?(続き)

 いまさらですが、あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。 さて、前回(2021年9月24日掲載)、「次回に続くと」と言って、年が明けてしまいましたが、「幸せってなんだっけ?」の続きです。 「自殺」ということから、「幸せ」を考えてみたいと思います。自らの命を絶つからには、自死された多くの方々が、「幸せでない」状況下にあったということでしょう。  厚生労働省の『令和3年版自殺対策白書』(以下、『白書』。)によると、日本における自殺者数は、平成22年以降10年