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規制改革実施計画を閣議決定 デジタルヘルスの推進など厚労省に求める(2024年6月21日)

政府は21日、規制改革実施計画を閣議決定した。医療介護分野ではデジタルヘルスの推進や基盤整備・強化などを盛り込んだ。各実施事項に期限を定めて、厚労省やデジタル庁など、所管府省に対応を求めている。

デジタルヘルスの推進では、プログラム医療機器(SaMD)の開発・市場投入の促進に向け、「臨床現場での早期の使用を可能にする観点から、我が国の新たな制度である二段階承認制度の活用を推進するとともに、医療技術の新陳代謝を加速する観点から、新たな有効性が示された場合には診療報酬改定ごとの頻度に限らずに保険適用の見直しを可能とすることを含めた仕組みについて検討する」とした。

デジタルを活用した要介護認定の迅速化

デジタル・AI等を活用した要介護認定の迅速化に向けては、要介護認定において法定原則処理期間30日を超える状況が常態化していることから、介護認定審査会の簡素化の範囲の拡大を検討する。現行の一次判定は平成21年以降、判定の基となるデータの見直しが行われていないことから、在宅介護、通所介護等の幅広い介護サービス利用者のデータを追加して最新データに更新すること、認知症である利用者について認定調査項目等の検討を行い、必要に応じ、見直す。

また、AIを活用することで、要介護認定を更に迅速化し、科学的合理性も向上させることを目指し、要介護認定におけるAIの活用について必要な調査研究を行う。

医療・介護分野の基盤整備・強化では、患者本位のプライマリケアの体制整備として「特定の臓器や疾患を超えた多様な問題を抱える患者等が、総合診療を担う医師の受診を希望する場合の医療へのアクセスを円滑化する観点から、医学医術に関する学術団体の意見を踏まえつつ、標榜可能な診療科名に総合診療科を追加することについて検討し、結論を得る」とした。

診療報酬の書面要件の簡略化をさらに推進

診療報酬上の書面要件の廃止・デジタル化では、医療機関等又は医師等の負担軽減の観点から、診療報酬上の書面のうち、①署名または記名・押印を要する文書(診療情報提供書、療養・就労両立支援指導料の主治医意見書等)について、署名または記名・押印を不要とする②電磁的方法による作成又は電磁的方法での情報提供を行う場合において、電子署名を不要とする―ことについて検討し、必要に応じて見直す。

また、厚生労働省が発出する疑義解釈に関しては、「検索性、一覧性及び視認性をもって確認できるように整理した上で公表する」ことを求めた。

スイッチOTC化の加速に向けては、「日本に比べスイッチOTC化が進んでいる海外(英国、カナダ、米国等)のスイッチOTC化の承認審査制度と運用状況、スイッチOTC化の課題、解決策の検討・実施の状況等について、調査した上で、スイッチOTC化の促進に実効的な対応策を検討し、必要に応じて措置を講ずる」とした。

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