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オンライン診療などの基本方針を大筋で了承 社保審医療部会(2023年5月12日)

社会保障審議会・医療部会(遠藤久夫部会長)は5月12日、「オンライン診療その他の遠隔医療の推進に向けた基本方針」(下図)を大筋で了承した。ただ、患者が介在しない医師同士の遠隔コンサルテーションなど医療従事者間でのやり取りを含む遠隔医療については、さらなる整理が必要との意見が相次いだ。同日の議論を反映させた上で、改めて医療部会に報告される。

基本方針は、令和3年6月に閣議決定された規制改革実施計画に、「国民、医療関係者双方のオンライン診療への理解が進み、地域において、オンライン診療が幅広く実施されるよう、オンライン診療のさらなる活用に向けた基本方針を策定し、地域の関係者や関係学会の協力を得て、オンライン診療活用の好事例の展開を進める」と明記されたことなどを受けたもの。

全体の構成は、基本方針の目的を明確にした上で、「オンライン診療(医師と患者間での遠隔診療)」と「医師等医療従事者間での遠隔医療」を分けて整理している。

「オンライン診療(医師と患者間での遠隔診療)」はオンライン診療に加え、「患者向けに、診察、診断、診断結果の伝達、処方、医療機関への受診勧奨等をリアルタイムで行う行為」としてのオンライン受診勧奨を含む。

「医師等医療従事者間での遠隔医療」では、「遠隔放射線画像診断、遠隔病理画像診断、遠隔コンサルテーション、遠隔カンファレンス、遠隔救急支援、誘導心電図伝送、遠隔ICU、遠隔手術指導等」をあげている。全日本病院協会の神野正博委員は、基本方針案に賛意を示した上で、「オンライン診療などについては、こうだと決め打ちにしてしまうのではなく、技術の進展に伴って生じてくる、あらゆる可能性を否定せずに対応することが必要だ」と強調した。

日本病院会の相澤孝夫委員は、オンライン診療の推進に賛意を示すとともに、医師等医療従事者間での遠隔医療については、今後、改めて整理が必要」と指摘した。

オンライン診療その他の遠隔医療の推進に向けた基本方針(案)の概要
社会保障審議会医療部会資料=2023年5月12日 

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