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転院を受け入れた場合等、被災地以外にも診療報酬の特例 能登半島地震(2024年1月2日)

能登半島地震の発生を受けて厚生労働省は1月2日および7日、被災地と被災地以外に区分して、診療報酬の取扱いを示した。

「被災地以外」については、転院患者を受け入れたため定数超過入院になった医療機関の施設基準等について柔軟な対応を認めている。

そのほか、「被災地以外」における主な特例的対応は以下の通りとなっている。


転院患者を受け入れたため定数超過入院になった場合

被災地以外の保険医療機関において、被災地の保険医療機関が災害等の事情により診療の継続が困難となり、当該被災地の保険医療機関から、医療法上の許可病床数を超過して転院の受け入れを行った場合などについては、原則、実際に入院した病棟(病室)の入院基本料・特定入院料を当面算定する。

■「医療法上、本来入院できない病棟に入院」または「診療報酬上の施設基準の要件を満たさない患者が入院」

精神病棟に精神疾患ではない患者が入院した場合や、回復期リハビリテーション病棟に施設基準の要件を満たさない患者が入院した場合などは、「入院基本料を算定する病棟の場合」は、入院した病棟の入院基本料を算定する(精神病棟に入院の場合は精神病棟入院基本料を算定。)。ただし、結核病棟については、結核病棟入院基本料の注3の規定に係らず、入院基本料を算定する。

「特定入院料を算定する病棟の場合」は、医療法上の病床種別と当該特定入院料が施設基準上求めている看護配置により、算定する入院基本料を判断する(一般病床の回復期リハビリテーション病棟に入院した場合は15対1の看護配置を求めていることから、15対1一般病棟入院基本料を算定)。

「転院を受け入れた場合」の平均在院日数等の取扱い

■被災地以外の保険医療機関において、被災地の保険医療機関が災害等の事情により診療の継続が困難となり、当該被災地の保険医療機関から医療法上の許可病床数を超過して転院の受け入れを行った場合

当面の間、当該患者を除いて平均在院日数を算定する。

■被災地以外の保険医療機関において、特定入院料の届出を行っている病棟に診療報酬上の要件を満たさない状態の患者が入院した場合

例えば回復期リハビリテーション病棟に回復期リハビリテーションを要する状態ではない患者が入院した場合などは、当面の間、当該患者を除いて施設基準の要件を満たすかどうかを判断する。

■転院の受け入れを行った場合の入院日

被災地以外の保険医療機関において、被災地の保険医療機関が災害等の事情により診療の継続が困難となり、当該被災地の保険医療機関から転院の受け入れを行った場合の入院日については、当面の間、特別の関係にあるかどうかにかかわらず、当該被災地以外の保険医療機関に入院した日を入院の日とする。

■被災地の介護施設、避難所等から入所者等の受け入れを行った場合

医学的判断に基づき入院が必要と判断された場合には、入院基本料、特定入院料等を算定できる。なお、単なる避難所としての利用の場合は算定できない(災害救助法の適用となる医療については、県市町村に費用を請求)。

平均在院日数、重症度、医療・看護必要度、在宅復帰率、医療区分2・3の患者割合を満たさなくなった場合

被災地以外の保険医療機関において、被災地の保険医療機関から転院の受け入れを行った場合にあっては、平均在院日数、重症度、医療・看護必要度、在宅復帰率、医療区分2または3の患者割合について、当面の間、被災地から受け入れた転院患者を除いて算出することができる。

ただし、特定集中治療室管理料、ハイケアユニット入院医療管理料の治療室に、被災地の保険医療機関から転院の受け入れにより、やむを得ず当該治療室への入院を要さない患者を入院させた場合については、当該保険医療機関の入院基本料を算定した上で、重症度、医療・看護必要度の該当患者割合の算出から除外する。

「データ提出加算」に係るデータ提出が困難な場合等の取扱い

「被災地に職員を派遣したことにより職員が一時的に不足している保険医療機関」または「被災地から多数の患者を受け入れた保険医療機関」において、「DPC導入の影響評価に係る調査」への適切な参加および「データ提出加算」に係るデータ提出が困難な場合、1~3月診療分のDPC事務局へのデータの提出期限は1月22日となっているが、こうした保険医療機関に限り、当該提出期限は当分の間延長する。提出期限日は追って連絡予定としている。

事務連絡

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