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男女間賃金差異の公表義務について101人以上企業まで拡大を提言――厚労省検討会報告書

厚生労働省は8月8日、雇用の分野における女性活躍推進に関する検討会の報告書を公表した。報告書は、女性活躍推進法に基づき常時労働者数301人以上の企業に義務づけている男女間賃金差異の情報公表について、対象を同101人以上の企業まで拡大することが適当と提言した。
また、男女間の賃金差異の要因の1つとされる女性管理職比率についても、現行の選択項目から開示必須項目に格上げすることを要請。あわせて令和7年度末までとされる同法の期限を10年延長することも求めた。

同省は今後、報告書を労働政策審議会に提出し、法改正等に向けた具体的な検討に着手する方針。なお、7月31日に公表された令和5年度雇用均等基本調査によると、課長相当職以上の管理職に占める女性の割合(女性管理職比率)は12.7%で、前年度(12.7%)から横ばいだった。

報告書によると、男女間賃金差異の情報公表は、公表前の段階に企業で課題分析に取り組むこととされており、社内の問題意識の共有、意識向上などの効果が期待できる。また、女性の新規採用を強化した結果、相対的に賃金の低い女性社員の増加などにより、男女間賃金差異が拡大することもあり得ることから、公表に際しては数値だけでなくその要因分析が重要であり、こうした賃金差異の要因、課題などを明らかにする説明欄の活用を促すことが重要だと説いた。

このほか報告書は、カスタマーハラスメントの対策強化に向けて、事業主の雇用管理上の措置義務の対象とすることなどを提言した。


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