中医協で委員が敷地内薬局の調剤料引き下げを提案(11月26日)
中医協総会は11月26日、調剤報酬を議論した。実質的に医療機関の敷地内薬局でありながら、現行制度で判断が困難な事例には厳しく対処すべき等の意見が出された。
現行、敷地内薬局は、他の調剤基本料より評価が低い「特別調剤基本料」9点を算定することとなっている。
厚労省は「敷地内薬局と考えられる立地にあるが、特別調剤基本料の該当性の判断が困難な事例がみられる」と指摘。医療機関が賃借する不動産を第三者が賃借し、その第三者と薬局との間で賃貸借契約が行われるなど、判断が難しいケースを列挙し、議論を求めた。
日本薬剤師会の有澤賢二委員は、「網の目をかいくぐられないように、特別調剤基本料の要件の見直しや疑義解釈の整理をお願いしたい」と要望した。
日本医師会の城守国斗委員も、特別調剤基本料の対象薬局について考え方を整理する必要があるとの認識を示した。さらに、敷地内薬局の調剤料の引き下げを提案。「敷地内薬局はいわば病院薬剤部の外注である。医科の調剤料に準じて、敷地内薬局の調剤料は日数に関係なく内服薬11点、外用薬8点にするべき」と述べた。これに、支払側委員も賛成した。
同日の総会では、令和2年度改定後の薬局の損益率が示された。損益率は「診療所前」と「中小病院前」の薬局で元年より減少する一方、「医療モール内」はほぼ横ばい、「診療所敷地内」「大病院前」では上昇した。