4年ぶりの改訂!最新の情報を盛り込んだ『公費医療・難病医療ガイド 令和5年10月・令和6年4月改正対応版』
当社(社会保険研究所)はこのたび、『公費医療・難病医療ガイド 令和5年10月・令和6年4月改正対応版』を刊行いたしました。
公費医療・難病医療の実務情報を解説
平成27(2015)年からスタートした新しい難病対策の医療(難病法の医療、児童福祉法の小児慢性特定疾病医療支援)と軌を一にして発刊された「公費医療・難病医療ガイド」は、好評のうちに版を重ね、対象疾病の拡大や制度の見直しに対応してきました。
本書は、小児を含む難病医療制度のほか、障害者総合支援法にもとづく自立支援医療などについて、基本的な事項や、医療保険や介護保険との関係など、必要な情報を実務的な視点から整理・解説しています。
Ⅰ部~医療保険と公費負担医療の仕組み・役割分担を丁寧に解説
必要な医療を国民に提供するための仕組みとして、大きな柱が2つあります。その一つは「医療保険制度」、もう一つは「公費負担医療制度」です。
基軸となるのが「医療保険」で、国民誰もが何らかの医療保険に加入し、必要なときに必要な医療を、できるだけ軽い負担で受けられる仕組みが整っています(国民皆保険)。
「公費負担医療」は、医療保険を補完する一面をもち、難病や障害者医療、感染症など、個々の事情に応じ、公費(税金)を投じて患者の負担をさらに軽くするものです。
本書の導入となるⅠ部では、医療保険や介護保険(介護保険でも医療は行われます)と公費負担医療のそれぞれの概要と、両者の関係・役割分担を丁寧に解説し、医療における社会保障の全体像をつかめるように編集されています。
Ⅲ部~障害者医療の仕組みを分かりやすく解説
障害者総合支援法に基づく公費医療には、自立支援医療(更生医療・育成医療・精神通院医療)や療養介護医療、障害児通所医療などがあり、これらの対象者や患者負担軽減の仕組みを解説しています。
また、精神保健福祉法に基づく措置入院医療や医療保護入院については、地域移行促進を趣旨とした令和5年から6年にかけての改正項目を盛り込んでいます。
Ⅳ部~感染症医療、生活保護、原爆医療のポイントを紹介
感染症法に基づく公費負担医療は、新型コロナ感染症への対応を踏まえた改正(外来医療への公費導入等)が予定されており、その内容を紹介しています。
生活保護や原爆医療についても、改訂にあたり内容上必要な更新を行っています。
Ⅱ部~難病・小慢(小児慢性特定疾病)に関連する最新の法改正の内容を分かりやすく解説
令和4年12月に公布された改正法により、令和5年10月から、難病法や児童福祉法にもとづく医療費助成について、助成開始の時期が申請日から重症化診断日へと前倒しされることとなり、患者に対する適切な医療の充実が図られることになりました。あわせて、療養生活の支援も強化されることになりました。
これらに対応するため、また、前版(令和元年版)発刊後の対象疾病の拡大(令和3年11月)や、税制改正、地方分権改革、民法改正(成人到達年齢の引下げ)等に対応するため、このたび令和5年10月版として改訂版を発刊することにしました。改訂版では、さらに令和6年4月に実施される改正項目(対象疾病のさらなる拡大、「登録者証」の発行開始、データベースに関する規定の整備等)についても、できるだけ直近の資料を盛り込むようにしています。
Ⅴ部~難病・小慢等について 一覧性を高めたレイアウトで疾病や法令を整理
多数ある疾病を見やすく配置・紹介
Ⅴ部では、前半に指定難病・小児慢性特定疾病・障害者総合支援法の対象疾病の一覧を記載しています。また、指定難病に関しては各疾病についての概要を掲載しているので詳しく知りたいときに有用です。
法令編では関連する政省令との照応を重視
本書に掲載されている難病法と児童福祉法(小児慢性特定疾病に関わる部分)では、法律の各条に対応した政省令の条文を隣り合わせ(1ページ中左側に法律、右側に施行令・施行規則)に配置することで、複雑で多岐にわたる法令を可能な限り理解しやすい形でお読みいただけます。また、前版から改正のあった箇所にはその施行時期に応じて下線を付し、情報の変更履歴をたどりやすくしています。
新たに索引を増補――情報へのアクセスが容易に
前版には無かった索引を新たに作成しました。読者の皆様が、知りたい事項に素早くたどり着けるよう工夫を凝らしています。ご活用ください。
以上、本書『公費医療・難病医療ガイド 令和5年10月・令和6年4月改正対応版』について紹介してまいりました。公費負担医療を担当する医療機関・薬局・訪問看護ステーションや、制度を実施運営する自治体をはじめ、審査支払機関、医療保険者、MSWやケアマネジャー等の専門職の方々に広くお勧めしたい内容となっています。お手元にぜひ!