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謎の新興国アゼルバイジャンから|#15 【番外編】性暴力と性教育⑴

香取 照幸(かとり てるゆき)/アゼルバイジャン共和国日本国特命全権大使(原稿執筆当時)

※この記事は2017年12月4日に「Web年金時代」に掲載されました。

皆さんこんにちは。
本稿は外務省ともアゼルバイジャン大使館とも一切関係がありません。全て筆者個人の意見を筆者個人の責任で書いているものです。内容についてのご意見・照会等は全て編集部経由で筆者個人にお寄せ下さい。どうぞよろしくお願いします。

今回は以前書いた「性教育」の続き

私ごとで恐縮ですが、私の家族は妻に娘二人、それに最近生まれた孫娘、私(と娘の配偶者)以外は全員女性です。私にとって何よりも大切な家族です。

今ハリウッドでは、著名な映画プロデューサーのセクハラ事件をきっかけに、アカデミー賞俳優であるKevin Spaceyなど有名男優の過去のセクハラ行為が暴かれるなど、大きな騒動になっています。

きっかけは過去にこのプロデューサーからセクハラ被害を受けたある女優の勇気ある告発で、さらにほかの女優のツイッターでの「#Me Too」という呼びかけに応じて多くの女優たち(男優もいます)が声を上げたことで、ハリウッド全体を巻き込む大事件になりました。

この話はフランスにも広がり、ある女性記者のツイッターでの「セクハラ体験暴露の呼びかけ(#balancetonporc)」にわずか1週間で33万5,000件のメッセージが飛び交ったそうです。

25年以上も前に法律でセクハラ行為を違法とした男女平等先進国のフランスにして、被害者(男性も多く含まれています)がなかなか堂々と声を上げることができない、という現実は、この問題の根の深さを感じさせます。

他方、日本でも、「詩織さん」という女性の事件がありました。事件の概要、彼女の主張、そして加害者とされた某マスコミ記者のコメントも読みました。日本を遠く離れている私には、この事件が日本でどう受け止められたのか詳しく知る由もありませんが、「詩織さん」に向けられた、読むのが辛くなるような酷いコメントも多くあったように思います。

皆さんはどう思われたのでしょうか。

性暴力(Sexual harrusment、sexual abuse、rape)。どうしたらなくすことができるのでしょう。

以前、この稿で「性教育」について書きました。その中で、性教育とは「人間であることの教育」であり、お互いの性を理解し尊重する意識を育てることが性教育の大きな役割ではないか、というお話をしました。

今回はその続きです。

今回と次回とに分けて、「性暴力と性教育」について考えてみたいと思います。

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