見出し画像

中医協ががん対策、腎代替療法、移植医療を議論(10月9日)

中医協総会は10月9日、次期診療報酬改定に向け、がん対策、腎代替療法、移植医療をテーマに議論を行った。

がん対策については、がん診療連携拠点病院に「高度型」「特例型」など新たな類型が設けられたほか、がんゲノム拠点病院の整備に対応するため、がん拠点病院加算を見直す。

緩和ケア病棟入院料は、外来や在宅での緩和ケアの提供を要件とすることを検討する。緩和ケア診療加算については、前回改定で末期心不全も対象に加えたが、外来緩和ケア管理料の算定対象になっていないなどの問題があり、改善を図る。

腎代替療法については、人工腎臓の技術料に包括されているESA製剤とは異なる腎性貧血治療薬であるHIF‐PHD阻害剤が薬事承認されたことを踏まえた対応を図る。HIF‐PHD阻害剤は内服薬であるため、院外処方の取扱いを整理する必要がある。腎性貧血治療薬のバイオ後続品も登場したことから、人工腎臓の点数は下げる方向だ。

腹膜透析患者が血液透析を併用する場合は、在宅自己腹膜灌流指導管理料が血液透析を自施設で実施する場合のみの評価であるため、自施設以外でも可能とする要件の見直しを検討する。経皮的シャント拡張術・血栓除去術は外来で実施されるケースが増加傾向にあることを踏まえ、3か月に1回の算定の緩和や評価の適正化を図る。

移植手術については、外国と比較し臓器移植数が少ないことを踏まえ、臓器提供時の施設や担当医の負担が大きいことの対応を診療報酬で検討する。

これらの論点に大きな異論はなかったが、実際の要件見直しや点数設定を行うため、さらなる整理が求められた。  

社会保険研究所ブックストアでは、診療報酬、介護保険、年金の実務に役立つ本を発売しています。