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#3 亡くなってからでは遅いかも?遺族年金の見込額を知ってリスクに備えよう!

望月 厚子(もちづき あつこ)/ 望月FP社会保険労務士事務所 所長

ライフプランを立てる上で、自分と配偶者の公的年金の額を知っておくことは大切なことです。 
家計の見直し相談の際、「公的保障である遺族年金の額を確認されてから、生命保険に加入しましたか?」と質問しています。 
ところが、相談者からは、「遺族年金?どうしてですか?」と聞き返されることがあります。 
万一のリスクに備えて生命保険に加入することは大事なことですが、家計の支出の中でも保険料の占める割合が大きいこともあります。 
一般的には、公的保障である遺族年金でカバーできない部分について、生命保険や貯蓄などで備えます。 
今回は、家計の見直しの際、知っておきたい遺族年金と見込額についてご説明しましょう。 


遺族年金には「遺族基礎年金」と「遺族厚生年金」がある

将来受け取る老齢年金(老齢基礎年金と老齢厚生年金)の見込額については、「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」で確認することができます。 
ところが、「遺族年金の額」については、どうでしょうか。 
遺族年金の額は、老齢年金の額と違い、ねんきん定期便やねんきんネットで試算することができません。 
遺族年金は、国民年金や厚生年金保険に加入している人や加入していた人が亡くなった場合、亡くなった人によって生計を維持されていた一定の遺族に対して支給されるというものです。 
ただし、実際は、亡くなった人の年金保険料の納付状況・遺族年金を受け取る人の年齢・優先順位などの条件をすべて満たしている必要があります。 
遺族年金には、「遺族基礎年金」と「遺族厚生年金」がありますが、亡くなった人の年金の加入状況などによって、いずれかまたは両方の年金が支給されます。 

遺族基礎年金と遺族厚生年金の計算方法

遺族基礎年金と遺族厚生年金の年金額の計算方法は、次の通りです(年金額は令和5年度の額)。 
【遺族基礎年金】 
国民年金の被保険者等であった人が、受給要件を満たしている場合、亡くなった人によって生計を維持されていた「子のある配偶者」または「子」に対して支給されます。 
公的年金において「子」とは、未婚の18歳になった年度の3月31日までにある人、または20歳未満で障害年金の障害等級1級または2級の状態にある人をいいます。 
遺族基礎年金の額は、公的年金の加入期間の長短にかかわらず、795,000円<基本額>です。 
この基本額に子どもの人数に応じて加算額がプラスされます(図表1)。 

【遺族厚生年金】 
遺族厚生年金は、厚生年金保険の被保険者等であった人が受給要件を満たしている場合、亡くなった人によって生計を維持されていた遺族に対して支給されます。 
遺族の範囲は、配偶者、子、父母、孫、祖父母と幅広いですが、支給されるためには、優先順位や年齢等の細かい条件があります。 
遺族厚生年金の額は、亡くなった人の収入と厚生年金加入期間を基に計算します(図表2)。 

たとえば、会社員の夫が40歳(月収換算400,000円、厚生年金加入20年)で亡くなったと仮定し、夫の扶養になっている妻38歳(国民年金加入期間のみ)、長男10歳と長女7歳の子どもがいるケースの年金額の推移を見てみましょう(図表3)。 

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