#3|基礎年金の拠出期間の延長の論点
高橋 俊之(たかはし としゆき)/日本総合研究所特任研究員、前厚生労働省年金局長
1.少子高齢化と年金
⑴平均余命は60年間で10年も伸びた。今後50年でさらに3年伸びる
65歳の人の平均余命は、女性が24.88年(89.88歳まで生きる)で、男性が19.97年(84.97歳まで生きる)です。65歳の女性の62%、男性の37%が、90歳まで生きると見込まれているわけですから、かなりの長寿社会です。国民皆年金が発足した1961年には、65歳の人の平均余命は、女性は14.10年、男性は11.88年でしたから、60年間で10年も長くなっています。「日本の将来推計人口」によれば、2070年には、女性が28.36年、男性が23.14年と、さらに3年長くなります。
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