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支払基金、在宅審査モデル事業の実施結果「問題ない」(3月1日)

社会保険診療報酬支払基金の須田俊孝理事長特任補佐は3月1日の会見で、群馬支部の高崎オフィスにおける在宅審査・在宅審査事務のモデル事業の実施結果について発表した。

審査委員の在宅審査、職員の在宅審査事務ともに問題がなかったことがわかった。令和4年度中にいくつかの地域で本格的に実施していく考えだ。

モデル事業は、昨年10月から今年1月の4か月間で実施。審査委員は90名中在宅審査を希望した27名を対象に、電子レセプト原審査(7日間の中で実施)・再審査(4日間の中で実施)と、審査運営委員会等へウェブ出席した。職員は係長以下25名を対象に、電子レセプト原審査・再審査事務(最大9日間で実施)に加え、審査実績の分析や他職員の再審査処理確認業務を行った。

審査委員・職員間の連携方法として、昨年9月の審査支払システムの刷新によって実装された◇同一レセプト画面を参照しながら請求内容の疑義を照会し、電話を介して連携する「照会依頼機能」◇審査委員が同じ診療科の主任審査委員または他の診療科の審査委員に対して審査を依頼できる「審査依頼機能」―を活用した。

実施結果として、審査委員の在宅審査については「紙レセプト審査のために事務所来所が必要となるものの、電子レセプト審査には支障がないことを確認した」「審査実績は、過去実績と比べて同等以上の実績を維持した」「来所に要する時間がなくなったため、審査時間がこれまでよりも多く確保することができた」などが判明。

職員の在宅審査事務については「在宅実施期間で判断に迷う事例は事務所勤務時に確認する日を設けたことから、一定程度の審査事務の質は確保されたことを確認した」「電子レセプト審査事務は事務所で確認できる日と紙レセプト処理等期間を十分に考慮した日程で実施した結果、特に問題がないことを確認した」などを示した。

今回の結果について須田特任補佐は、「おおむね問題がないことがわかった。審査委員はコロナ禍において在宅審査の体制を整えることは重要であり、コロナ禍でなくても審査時間を確保できるメリットがある。職員は今年10月からの審査事務集約による長時間通勤者も含めて職員の負担軽減の面からも必要になってくる。令和4年度から、必要に応じて可能な地域で実施していくことになると思う」と述べた。

電子処方箋管理サービスは令和5年1月から運用開始

一方、令和4年度事業計画におけるデータヘルス関係の主な取り組みを発表した。

資格確認機能の拡充として、令和5年度運用開始を目指して令和4年度中にシステム開発を行う事項は、①生活保護制度の医療扶助のオンライン資格確認の導入②自衛官等の自衛官診療証(一般的な保険証に相当)のオンライン資格確認の導入③訪問診療や職域診療所等のオンライン資格確認の導入―をあげた。

保健医療情報の提供の充実としては、現在提供している特定健診情報・薬剤情報・医療費情報に加え、新たに医療機関名、手術・透析情報、医学管理等情報を令和4年夏を目途に提供を開始する。運用開始時期は未定だが、災害・救急時に本人確認のみで情報閲覧可能な仕組みを整備する。事業主健診情報も令和5年度を目途に提供できるようにシステム改修を行う。

電子処方箋管理サービスは令和4年度中に開発を進め、令和5年1月から運用を開始する。

健保組合の健康スコアリングは、令和3年度に引き続き令和4年度も作成する。

令和4年4月から、健保組合におけるデータヘルス計画の取り組みの支援を目的として健康スコアリングレポートの提供やデータヘルス計画実績報告収集のためのデータヘルス・ポータルサイトの運用を開始する。2015年に東京大学が開発し、運用してきた。

NDB関連業務についてはレセプト情報・特定健診情報を提供してきたが、これに加え令和4年4月から厚労省が実施してきたNDBシステムの運用管理やオンサイトリサーチセンターの運用、NDBオープンデータの作成、研究者や地方自治体などのニーズに応じたNDBデータの情報分析・提供なども行う。  

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