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地方から考える社会保障フォーラムセミナーが開催(5月8日)

地方議員を対象とした第18回「地方から考える社会保障フォーラム」セミナーが5月8日、都内で開催された。金子隆一・明治大学政治経済学部特任教授、辻哲夫・東京大学高齢社会総合研究機構特任教授、大島一博・厚生労働省老健局長の3氏による講演が行われた。

前国立社会保障・人口問題研究所副所長の金子特任教授は、「人口減少の現実(長期的、短期的)と対応策(方向性)」と題して講演。人口減少と少子高齢化で、有権者のうち「65歳以上」の割合は1965年には10.0%だったが、2016年には33.3%に上昇し、2065年には44.7%に達するとの推計を示した。政治や経済、社会保障において少子高齢化により生じる課題に対応していくため、高齢者の平均余命や健康度、生産性に注目することを提案。「年齢や障害により身体などに制約がある人々の生産性を制度により引き出し、本当の意味での全員参加社会を構築していくことが望ましい」と述べた。

元厚生労働事務次官の辻教授は、「社会保障・地方の課題は?」をテーマに講演。在宅医療と多職種連携システム確立の試みである柏プロジェクトの取り組みを説明し、超高齢・人口減少の同時進行に対し、「コンパクトシティ+ネットワークの地域共生社会」を提案。「コンパクトシティを目指すためには、市町村と医師会が組んで、在宅医療の連携拠点をつくることが大事。今後は市町村の力量が問われており、市町村が本気で取り組むべきだ」と述べた。

大島老健局長は「これからの高齢者福祉-公的保険でやること地域でやること-」をテーマに講演した。現下の介護の課題として◇人手不足◇認知症◇財政の持続性-を指摘し、「この3つの課題に対し、どのように介護保険をうまく使っていけるか」と述べた。その上で、介護保険のあり方として、人口減少時代への適合や予防への支援、社会参加・地域貢献への拡大、地域共生社会の視点をあげた。また、3月にまとめた自治体とのコミュニケーションツールとしての事例集「これからの地域づくり戦略」を紹介。「やはり地域づくりをやらないと、全体を介護保険の給付だけで支えることは難しい。住民相互のなかで生きがいややりがいを見出すことが必要だ」と述べ、今後、同事例集を活用した意見交換を全国的に展開する方針を示した。

同セミナーは9日にも開かれ、横幕章人・厚生労働省大臣官房会計課長の「新年度厚生労働省予算の概要」、萩原竜佑・厚生労働省社会・援護局総務課自殺対策推進室室長補佐の「厚生労働省の自殺対策-自殺予備軍を地域で支える」の講演2題を予定している。

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