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事例でみる障害年金請求の勘所|#2 人工透析による請求事例

年金時代編集部

 障害年金請求における初診日とは、「障害または死亡の原因となった病気やけがについて、初めて医師等の診療を受けた日のことを言い、同一の病気やけがで転医があった場合は、一番初めに医師等の診療を受けた日が初診日となる。」と定義されています。
 一見わかりやすい文章ですが、障害年金請求で一番証明が困難になるケースが多いのが、この初診日です。
 「同一の病気やけがで転医があった場合は、一番初めに医師等の診療を受けた日が初診日となる」とは、同じ傷病名で転医するのはもちろん、異なる傷病名でも、双方の傷病に相当因果関係があるようですと、同一の傷病とみなします。
 従って、長い時間をかけて徐々に悪化していく傷病等は、実際に障害状態になった時点より、かなり前に初診日があることになり、初診日の認定やその証明が難しくなる場合があります。
 今回は、人工透析の障害の事例から、相当期間遡る初診日証明を中心に検証していきたいと思います。

事例●人工透析開始により障害年金を請求

 では、事例に基づいて、相談形式で具体的に検証していきましょう。今回の事例は、人工透析を開始したことにより、障害年金の請求を希望されている方からのご相談です。どのように進めていけばよいか、必要書類はなにかを、初診日に注意を払いながらご案内しましょう。相談者のステータスは次の通りです。

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