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厚労省が障害者総合支援法等の見直しの論点を提示(6月21日)

厚労省は21日、社会保障審議会障害者部会(菊池馨実部会長)に、障害者総合支援法等の見直しに向けた論点を提示し、意見を求めた。障害者部会は今後、論点を踏まえて議論を進め、年内にとりまとめる予定だ。財政力が弱い市町村があることから国庫負担基準の在り方を論点に加えるように求める意見が出された。

論点は、3月に示された主な検討事項案やこの間に行われた関係団体ヒアリング、関係検討会等での議論などを踏まえたもの。大きく①地域における障害者支援②障害児支援③障害者の就労支援④精神障害者に対する支援⑤その他─の5項目に分けて整理されている。④精神障害者に対する支援は、検討事項案にはなく、新たに追加された。

参考:障害者総合支援法等の見直しについて(論点等)

改正社会福祉法を踏まえ地域生活支援事業の在り方を検討

①地域における障害者支援では、今年度から施行されている地域共生社会の実現に向けた改正社会福祉法による参加支援や地域づくりを踏まえて、地域生活支援事業等の在り方をどう考えるかが示された。

加えて、▽障害者が希望する地域生活の実現や重度障害者の受入体制の整備等の観点を踏まえたグループホームの在り方▽住宅施策との連携の推進を含む自立生活援助と地域定着支援の在り方▽地域生活支援拠点等の整備の推進▽相談支援の在り方▽(自立支援)協議会の活性化と地域づくりの推進─などもあげられた。

加齢児の地域等への移行調整の枠組みを議論

②障害児支援については、▽児童発達支援及び放課後等デイサービスの役割・機能の在り方▽障害児通所の支給決定の在り方▽18歳到達後も障害児入所施設に入所を続ける加齢児等の地域等への移行調整の枠組み▽移行準備のために必要な制度─が提示された。

別途、検討を進めている「障害児通所支援の在り方に関する検討会」「障害児の新たな移行調整の枠組みに向けた実務者会議」の議論を踏まえたもの。前者の検討会は9月に、後者の実務者会議は7月に、それぞれ議論をとりまとめる予定であり、部会における検討で活用される。



障害者の就労能力等のアセスメントの制度化が提示される

③障害者の就労支援については、6月8日公表された「障害者雇用・福祉施策の連携強化に関する検討会」報告書を受けて次の6点が提示された。

▽障害者が企業等で雇用されている間の就労継続支援の在り方
▽就労系障害福祉サービスの利用を希望する障害者へのアセスメント(ニーズの把握と就労能力や適性の評価)実施の制度化
▽雇用・福祉両分野の基礎的な知識等を付与するための基礎的研修の確立や専門人材の高度化に向けた階層的な研修制度の創設
▽企業等で雇用される障害者に対する地域における定着支援の充実
▽雇用と福祉の両分野における地域の支援機関の連携強化
▽就労継続支援A型事業の在り方や役割

入院中の精神障害者の意思決定支援・権利擁護も論点に

④精神障害者に対する支援については、▽精神障害にも対応した地域包括ケアシステムにおいて、精神障害者の地域生活を支えるための医療・福祉分野の連携や相談支援体制の構築、ピアサポーターの活用、人材育成等をどのように進めていくか▽入院中の患者の意思決定支援や権利擁護の取組をどのように行うか─が提起された。

⑤その他では、▽介護保険施設等を居住地特例の対象とすること▽障害福祉サービス等の制度の持続可能性▽障害者虐待への実効性を高めるための方策▽障害福祉サービスの質の向上・確保に係る方策▽障害福祉関係のデータ整備─などがあげられた

国庫負担基準の在り方を論点に追加するよう求める意見も

論点について部会では、①地域における障害者支援において、グループホームの在り方とともに、障害者支援施設も検討内容に加えるように求める意見が出た。

また④精神障害者に対する支援の前提として普及啓発や家族支援の重要性が指摘された。⑤その他について、財政力の弱い市町村があることから、住み慣れた地域で暮らし続けることを考えて、国庫負担基準の在り方を議論するよう提起された。

さらに部会では、③障害者の就労支援について、論点を深堀した議論が行われた。「就労系障害福祉サービスの利用を希望する障害者へのアセスメント実施の制度化」には複数の委員が賛意を示した。ただし「単純な能力判定的な使われ方をしないか」などと危惧する意見が出された。また身体的能力を考慮するうえで医療との連携が重要になることが指摘された。

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