新型コロナウイルス感染症対策の基本方針を決定(2月25日)
政府は2月25日、新型コロナウイルス感染症対策の基本方針を決定した。基本方針は科学的知見や事態の進行などを踏まえ、適宜更新していく。
基本方針では、感染の早期の終息を目指し、患者の増加のスピードを可能な限り抑制し、流行の規模を抑える必要を指摘。感染の集団が次の集団を生み出すことを防止する重要性も強調した。
医療提供体制について、現行は感染を疑う人からの相談を都道府県の帰国者・接触者相談センターで受け付け、専門の帰国者・接触者外来で対応していることを紹介。
今後、地域で患者数が大幅に増えた場合、診療時間や動線を区分する等の感染対策を講じた上で一般の医療機関で感染を疑う患者を受け入れるとした。
軽度では自宅での安静・療養を原則とし、状態が変化した場合に、相談センターまたはかかりつけ医に相談して受診する。高齢者や基礎疾患を有する者はより早期・適切な受診につなげていく。
また、感染症の特徴を踏まえた病床や人工呼吸器等の確保、地域の医療機関の役割分担など、適切な入院医療の提供体制を整備する。
感染状況の把握では、医師の届出で疑似症患者を把握して検査を実施していることを紹介。今後、地域で患者数が継続的に増えている状況では入院を要する肺炎患者の治療に必要な確定診断のための検査に移行しつつ、国内の流行状況等を把握するためのサーベイランスの仕組みを整備するとした。
国民に対して、手洗い等の一般感染対策の徹底や、発熱等の風邪症状が見られる場合の休暇取得などを呼び掛けている。企業にも、風邪症状が見られる社員等への休暇取得の勧奨、テレワークや時差出勤の推進などを求めている。
イベント等の開催も「全国一律の自粛要請を行うものではない」としつつ、感染拡大防止の観点から開催の必要性を改めて検討するよう要請した。
この点について、安倍晋三首相は翌2月26日の新型コロナウイルス感染症対策本部で、「この1、2週間が感染拡大防止に極めて重要」と指摘。
「多数の方が集まるような全国的なスポーツ、文化イベント等については、大規模な感染リスクがあることを勘案し、今後2週間は、中止、延期または規模縮小等の対応を要請する」と求めた。