コロナ有識者会議の報告書とりまとめを受け永井座長が会見 司令塔機能のあり方を中心に検討(6月21日)
政府の新型コロナウイルス感染症対応に関する有識者会議の座長を務めた永井良三・自治医科大学学長が6月21日に会見を開き、これまでの議論を総括した。
永井座長は、「日本は諸外国と比べて、感染者数、死亡者数という意味ではよい成績をあげた。ただ、医療現場への負担、社会経済活動への負荷など、国民の納得感は必ずしも高くない。教訓を得て、次のパンデミックに備えなければならない。早く問題点を抽出して、必要なことをできるところから始めるのは重要」と述べ、今回の有識者会議の意義を強調した。一方で、「我々に与えられた課題は司令塔機能のあり方を中心とするもの。全部の検証はできないと思っていた。一石を投じるくらいの話」と、今後も検証を継続する必要があるとの見解を示した。
会見では、報告書のまとめに際し提出したとする意見書をもとに、永井座長自身の問題意識について説明。特に、国内での新型コロナに関する論文数の少ない点と、感染症基礎研究の予算規模が小さい点を課題にあげ、平時からの臨床研究の体制の整備と、パンデミック時に研究者と研究資源を動員する仕組みが必要だとした。
新型コロナウイルス感染症対応に関する有識者会議構成員(五十音順、敬称略)
秋池 玲子 ボストン・コンサルティング・グループ マネージング・ディレクター&シニア・パートナー
草場 鉄周 日本プライマリ・ケア連合学会理事長
宍戸 常寿 東京大学教授
菅原 晶子 公益社団法人経済同友会常務理事
田中 雄二郎 東京医科歯科大学学長
(座長)永井 良三 自治医科大学学長
古市 憲寿 社会学者
若林 辰雄 三菱 UFJ 信託銀行株式会社特別顧問