コロナで昨年5月のがん検診減、手術件数も減少(3月11日)
厚労省の研究班は3月11日のがん対策推進協議会で、がん検診受診者数の動向を報告した。昨年5月は新型コロナ感染拡大の影響で、受診者数が大幅に減少した。
日本総合健診医学会と全国労働衛生団体連合会に加入する180機関のデータでは、2020年4~5月のがん検診と健診受診者数は大きく減少し、前年同月の2割程度にとどまった。日本対がん協会などのデータでも、4~5月の受診者は大幅に減少していた。6月以降は、受診者数は前年同月とおおよそ同程度に回復していた。
大阪大学医学部の土岐祐一郎参考人は、大阪大学や関連施設、計38施設における2020年の大腸がん手術等の実態調査の結果を報告。4月から12月までの大腸がん手術の件数は、前年同月より10.3%減少した。進行度別に症例数をみると、ステージ0~1で前年より18%減少したが、ステージ2~4では、症例数はほぼ変わらなかった。
土岐参考人は、「大腸がんと胃がんについては、検診レベルで見つかるがんの手術が顕著に減った」と述べた。