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三宅社労士の年金セミナー|#10次期年金制度改正へのつぶやき

三宅明彦(みやけ あきひこ)/社会保険労務士

次期年金制度改正への議論が社会保障審議会年金部会で始まりました。
今回は、実務に関する事例から少し離れ、次の年金制度改正について筆者なりに考えてみたいと思います。年金部会での検討項目は多岐にわたると思われますが、「基礎年金の45年化」と「社会保険のさらなる適用拡大」を中心に、つぶやきます(つぶやきですから、大目に見ていただければ、と思います)。 

基礎年金の45年化(保険料拠出期間の5年延長)について

現在の基礎年金拠出期間(保険料拠出期間)は、20歳から60歳になるまでの40年間です。これを「20歳から65歳になるまでの45年間に延長」するかどうかが検討項目として挙がっています。

筆者はいち早く延長すべきだと思っています。さらには、前回の改正で行うべきだったとも思っています。その理由は以下の通りです。

①   平均寿命が延びていて、現役の期間は一般的には65歳が主流であり、さらにそれ以上を目指している。現役の期間は保険料を納付し、引退後に受給するという一般的な考え方からも65歳まで年金制度に加入をするのはごく自然な姿である。

②   基礎年金の所得代替率が今後、大きく下がるという財政検証結果(2019年)が出ているが、保険料拠出期間を5年間、延長することにより、その分、基礎年金の給付水準が大きく改善する。

③   国民年金の加入年齢は20歳から60歳になるまでだが、厚生年金は70歳になるまで加入する。自営業者等と会社員等では、加入できる期間に10年以上の差が出ることになる。つまり、選択した職業により大きな格差が生じる。

④   個人型確定拠出年金(イデコ)は、国民年金加入者であれば65歳まで加入できるようになったが、そもそも国民年金第1号被保険者は原則、60歳までの加入である。イデコに加入するには60歳以降、国民年金に任意加入する必要があるが、40年の満額到達者は国民年金に任意加入できない。結果として、ほとんどの国民年金第1号被保険者は60歳以降、イデコに加入できない。

では、どのように保険料拠出期間を45年間に延長をしていくのでしょうか。
まず、改正後、加入者全員の保険料拠出期間を65歳まで5年間、延長する方法があります。しかし、加入者には急な変更は抵抗があり、無理があります。

ですから、改正後に60歳を迎える方に対して、2歳おきに1年ずつ延長する、というような段階的な方法がとられるものと思われます。さらに、60歳を過ぎている人(満額到達者)であっても、65歳未満であれば、本人の希望により任意加入できる選択肢も必要ではないかと思われます。

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