専門医機構が専攻医募集の診療科別シーリングを了承(5月27日)
日本専門医機構は5月27日の会見で、今年度募集する専攻医数の都道府県診療科別のシーリング(上限設定)を理事会で了承したことを明らかにした。現行では、東京をはじめ大都市のある5都府県のみのシーリングであったため、診療科別に上限を設けることは大きな見直しになる。
新たな仕組みは、医療需要に対して充足する将来的な医師の必要数に見合う養成数に、医師不足地域での研修を組み込む連携プログラムをあわせた構成とする。その上で、上限数については、激変にならないよう、基本的には前年度を下回らないよう調整する。
理事会では、各学会から数字の詳細に関して疑義が出たが、新たに協議会も立上げ、引続き検証を行うとしたことで了解を得たという。
今後のスケジュールでは、10月の募集開始を目指し、各学会のプログラムを9月中に作成し、医道審医師分科会医師専門研修部会の了承を得たい考えだ。
会見で寺本民生理事長は、「専門医制度により医師偏在を解決することはできないが、偏在の拡大は避けなければならない。2024年度に規制が施行される医師の働き方改革にも対応する必要がある」と述べた。