遺族年金のしくみと手続~詳細版|#10 未支給年金の受給権者は死亡者の子か、兄か?
今回は、障害年金の受給者が死亡し、受給者の子どもと、受給者の兄がそれぞれ未支給年金を請求しに年金事務所を来訪したケースです。子どもも兄も、受給者とは同居しておらず、どちらに受給者との生計同一関係が認められるかがポイントです。
父親が死亡し、長男が未支給年金を請求
父親Aさんが死亡したとのことで、Aさんの長男であるXさんが令和4年2月10日の午前中に未支給年金の請求にみえました。
Aさんは、障害基礎年金と障害厚生年金の受給権者で、20年ほど前に離婚し、その後は保険金や貯金をやりくりして一人で生活していましたが、Xさんの話によれば、居住地は別ですが、生計同一であったとのことだったので、「生計同一申立書」に必要事項を記入してもらいました。
国民年金法第19条第1項によると「年金給付の受給権者が死亡した場合において、その死亡した者に支給すべき年金給付でまだその者に支給しなかつたものがあるときは、その者の配偶者、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹又はこれらの者以外の三親等内の親族であって、その者の死亡の当時その者と生計を同じくしていたものは、自己の名で、その未支給の年金の支給を請求することができる。」となっています。
また、同法施行令第4条の3の2で「未支給の年金を受けるべき者の順位は、死亡した者の配偶者、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹及びこれらの者以外の三親等内の親族の順序とする。」と規定されています。なお、厚生年金保険法第37条第1項及び同法施行令第3条の2においても同様に規定されています。
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