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後期高齢者の2割負担導入含む改正健保法案が国会で審議入り(4月8日)

政府の「全世代対応型の社会保障制度を構築するための健康保険法等の一部を改正する法律案」が4月8日、衆院本会議で審議入りした。改正法案は、首相が議長を務める全世代型社会保障検討会議が昨年末にまとめた報告書をもとに提出されたもので、後期高齢者の自己負担に2割負担を導入することなどが盛り込まれている。

立憲民主党の中島議員は、後期高齢者は複数の疾病を抱える人が多く、現状でも医療費の負担は大きいと指摘。「窓口負担を引き上げるなら、コロナ禍で生じている受診控えに拍車をかけ、症状の重症化をもたらす恐れがある。少なくとも、このコロナ禍に、これ以上の受診抑制を引き起こす政策を実施すべきではない」と訴えた。

中島議員は、高齢化の進展に伴う現役負担の増大を抑制する政府の方針には同意しつつ、「窓口負担の引き上げではなく、応能負担の引き上げで、社会保障の持続可能性を維持できるようにすべきだ」と主張した。立憲民主党は、後期高齢者の賦課限度額の引き上げを行うとする対案を提出している。

これに対し菅首相は、「窓口負担の見直しの施行時期は、令和4年度後半を予定しており、施行後3年間の配慮措置を設けている。そもそも2割負担の対象は、後期高齢者の所得上位30%に該当する人であり、40年間、平均的な収入で厚生年金を収めてきた人の年金額を超える水準の方を対象にし、さらに配慮措置を講じている」と述べ、理解を求めた。

立憲民主党の対案については「保険である以上、受益と負担が著しく乖離することは、納付意欲の低下を招く恐れがある。賦課限度額の見直しは、関係者と十分に議論すべき重い課題だ」と指摘した。

衆院本会議

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