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#1 労働者協同組合の基本原理⑴組合員の意見の適切な反映

勝島 一(かつしま はじめ)/コア・コム研究所㈱主席フェロー

*この記事は2021年10月28日に「Web年金時代」に掲載されました。

コロナ禍で生き方や働き方を問い直す動きが強まる中、株式会社やNPO法人とは異なる新しい働き方に関する法律である「労働者協同組合法(以下、法律と記します)」が昨年(令和2年)12月に成立しました。施行は来年(令和4年)10月となることがこの9月に決まり、今後政令、省令、指針が整備されて行きます。
今回は、まず労働者協同組合の仕組みを説明した上で、この仕組みの特徴の1つであり、3つの基本原理の1つでもある「組合員の意見が適切に反映されること」について記すことにします。

労働者協同組合は、法律第3条において次の3つを基本原理としています。

⑴組合員が出資すること。
⑵その事業を行うに当たり組合員の意見が適切に反映されること。
⑶組合員が組合の行う事業に従事すること。

つまり、組合員一人ひとりが、株式会社でいうところの株主(出資者)であり経営者であり労働者でもある、という三位一体の制度(下図参照)となっています。

労働者協同組合では、会社の指示で働くのではなく、組合に参画する全ての人が出資をして組合員となり、主体的に働くこととなります。

出資・経営・労働を一体化した制度は今までも中小企業等協同組合法に定める企業組合がありますが、設立には行政の認可が必要なため時間がかかるなど、その使い勝手は労働者協同組合とは異なっています。労働者協同組合は設立に行政の認可を必要とせず、簡便に設立することが出来るため、今後多くの人が関わりを持つ場面が出てくるものと想定されます。

この制度に関するキーワードを法律の第1条(目的)から抜き出してみると、「生活との調和」「意欲及び能力に応じて就労する機会」「組合員が出資」「それぞれの意見を反映」「組合員自らが事業に従事」「多様な就労の機会を創出」「多様な需要に応じた事業」「持続可能で活力ある地域社会の実現」など多岐にわたります。これから施行までの1年程度にわたって、政令、省令、指針も参照しながら少しずつ内容を見て行きたいと思います。

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