#21 障害年金受給者の併合
別の原因で2つの障害が発生した場合、それぞれの障害を個別に認定した上で障害等級を決める「併合認定」が実施されることは、本連載#8「初めて1・2級に該当した場合の障害年金請求」で解説したところですが、この事例はいわゆる「初2請求」と呼ばれ、複数の障害を併せて「初めて」2級以上に該当することを要件とする請求方法でした。従って、最初の障害(以下「前発障害」という。)の程度は、障害等級3級以下でなければなりません。
しかし、既に障害等級2級以上の障害年金を受給している人に、新たに障害が発生することもあります。この場合は「併合」若しくは「併合改定」を行います。
後発障害が1・2級程度か、それとも3級以下かで内容が多少異なりますが、どちらも前発障害の障害年金(1・2級に限る。)受給権者が、後発障害により新規に障害年金を請求することにより、前後の障害を併合して障害等級を認定するという点では、変わりありません。
併合改定は、新規請求ではなく「額改定請求」でも対応はできますが、後発障害がどの等級で認定されるかは定かではありませんので、原則として新規請求をすることとなっています。
では、受給している前発の障害による年金が障害厚生年金で、後発の障害による年金が障害基礎年金であった場合、どのように併合して支給されるのでしょうか。今回は、そのような人の事例を検証します。
1.後発障害の初診日の特定
既に障害厚生年金を受給していますが、後発障害として新規の障害年金請求をするために、「原発開放隅角緑内障」の初診日を特定します。
平成30年12月10日に「C眼科」で緑内障の疑いを指摘されています。また、この緑内障は「原発」とされていることから、脳梗塞等他の疾病との関連性はないとの診断もされています。以上のことから、2回しか行っていませんが、初診日は「C眼科」の「平成30年12月10日」となるでしょう。
初診日において厚生年金に加入しており、納付要件も満たしていますので、当該障害においても障害厚生年金の請求が可能となります。
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