令和5年度の中間年改定の薬価調査の方法を了承 4年度中の1カ月の取引分を抽出調査(7月20日)
中医協の薬価専門部会(中村洋部会長)は7月20日、診療報酬改定と同時に実施する通常の薬価改定とは別に、中間年に実施する令和5年度薬価改定に向けた令和4年度の薬価調査の方法を大筋で了承した。
前回の初の中間年改定である令和3年度薬価改定(令和2年度調査)と同様の方法で実施することになった。
中間年改定は、平成28年12月の政府の「薬価制度の抜本改革に向けた基本方針」により、「大手事業者等を対象に調査を行い、価格乖離の大きい品目について薬価改定を行う」ことになっている。実際にどの品目を中間年改定の対象とするかは、12月中頃の来年度予算編成の大臣折衝で決定される見込みだ。
薬価調査は、令和4年度中の一カ月間の取引分を対象とする。抽出調査とし、販売サイドでは、医薬品販売卸業者の営業所等の3分の2、購入サイドでは、病院の40分の1、診療所の400分の1、薬局の120分の1とする。
薬価調査の結果は、11月初旬に薬価部会に報告され、その後、年末に向け中間年改定の議論に入る。業界からのヒアリングなどを経て、一定の結論をまとめ、総会に報告する予定だ。ただし、具体的な改定内容は、薬価引下げによる財政影響を見極めた上で、12月の大臣折衝で決定されるとみられる。
日本医師会の城守国斗委員は、「調査方法は提案通りでよいが、現在、新型コロナの急激な再拡大が起きている。また、燃料費高騰を含めた物価高があり、医薬品の安定供給の障害も続いている。業界から丁寧なヒアリングを実施するとともに、幅広い観点での検討が必要になる」と述べた。