さわやか福祉財団が総合事業の対象者の弾力化について緊急提言(11月2日)
さわやか福祉財団(堀田力会長)は11月2日、来年4月からの介護予防・日常生活支援総合事業(総合事業)の対象者の弾力化について緊急提言を田村憲久厚生労働大臣に提出した。緊急提言のタイトルは、「『希望するすべての要介護者』に助け合いによる生活支援(総合事業の補助によるサービス)を」。
厚労省は10月22日に省令を改正し、総合事業の補助による住民主体のサービスを利用していた人が要介護認定を受けた場合、引き続きそのサービスの対象と認めることとした。施行は来年4月。
これを受け、提言では対象を限定的にせず、「補助によるサービスの対象者は『希望するすべての要介護者』とする」ことを求めている。
今年7月の介護保険担当課長会議資料では、希望する要介護者について、総合事業の介護予防・生活支援サービス事業の利用を認める方向を示していた。それを受け、総合事業に積極的に取り組む市町村を中心に準備を進めていた。しかし、「介護給付を総合事業に置き換えるための布石ではないか」などの反対論が出たことから、厚労省は、介護保険部会意見書を踏まえ、対象をより具体化・限定する形で省令改正を行った。
提言では、「7月案からの後退」と批判。「速やかに継続利用要件をはずし、補助によるサービスの対象者は『希望するすべての要介護者』とする」ように要望している。